第29話  フリーウェア・シェアウェア
2003.06.02

パソコンをしている人は、このフリーウェアシェアウェアというのを聞いたことがあるだろう。無料や非常に安価なパソコン用ソフトの総称だ。パソコン雑誌の付録のCDにも数多く登録されているし、インターネット上からでも自分のパソコンに取り込むことが出来る。

フリーウェア(無料ソフト)で有名なものに、アクロバットリーダー(アドビ社)やフラッシュ(マクロメディア社)などがあげられる。ホームページを見ていると、「このサイトを見るためにはアクロバットリーダーが必要です。」というようなメッセージが出てきて、無料でダウンロードできるのは多くの方が体験済みだろう。

建築分野では、CADやCGといった高度なパソコンソフトを利用することが多いため、その分プログラマー並みに自分の使いやすいソフトをつくるマニアックな人達が結構存在する。建築分野で最もメジャーなフリーウェアは「JW−CAD」と呼ばれる設計図作成ソフトだ。WindowsやUnixといったOSの分野でも「Linux」というフリーウェアが有名だ。

なぜ、本来開発に手間がかかって有料でも十分販売できるようなソフトが無料や1000円程度で配布されているのだろうか?それは、ソフトをつくることを本業としていない人達が、自分のつくったソフトを他人にも使ってもらい、使い勝手や不具合などを返してもらうことでより自分にとっても使いやすいソフトにすることを喜びとしているからだ。

あるいは、本業としてプログラム開発をしているが、会社員のためアルバイト的に簡単なソフトを低料金で配布しているという場合もある。なぜ安く出来るかというと、


@ 組織ではなく優秀な個人が開発しているから開発コストがほとんどかからない

A マニュアルやパッケージなどの印刷物、梱包材等を省いている

B 配布をインターネットや書籍としているため、中間マージンや配送コストが不要


ということが挙げられる。決して市販のソフトと比べて性能や使い勝手が悪いわけではない

機能的には、簡易マニュアルで操作できる程度のものが多く、あまり複雑な機能は省かれているが、かえって基本機能はしっかりしており、軽いソフトになっている。操作性もユーザーの声をリアルタイムに反映できるので、専用ソフトとしては一部のヘビーユーザーを除くと十分だ。

住宅の分野でも同様な見方をすると、安くするヒントが隠されている。
まず、上記@のように、住宅会社などの組織では、優秀な設計者も新人も同様に給料が支払われる。1週間かかっても良いプランのできない設計者と、1日でうまくまとめる設計者も、会社が請求する設計料はほとんど変わらない。優秀な個人の設計者に頼めば、安い設計が可能となる。例え時間単価は高くてもだ。

また、Aのように必要なのは中身であって、過度なマニュアルやパッケージを求めると高くなる。自分の欲しい家の基本性能や仕様に関係のない、豪華なカタログやパンフレット、そのままの仕様では誰も住まないモデルハウスなどは求めず、自分で少しだけ勉強することで安く出来る。 建物自体も重装備にせず、基本性能だけで本来は十分だ。
大手で建てようとするから、余計な装備と余計な費用を負担しなければならなくなる。

そして、Bにあるように、できるだけ必要としない機能は省いていくことだ。とはいっても一般の消費者がいきなり中間マージンを飛ばしてメーカーから直接購入することは出来ないし、業者側も一足飛びに中間の無駄を省くことは容易ではない。

だから、利害関係のない第三者によるマネジメントが重要で、またこの部分にCADの設計データが受発注データに交換できるようなEDI機能や、電子受発注によって効率化を図るようなことが必要だ。また、工事工程に応じて計画的に部材を供給できるような配送計画も必要となる。IT化することで中間機能の削減が可能だ。

このあたりに本当の意味でのCM(コンストラクションマネジメント)の考え方がある。どこかにしわ寄せがいくのではなく、施主の経済的な負担は少なく、施工側も仕事量に応じた十分な収益をあげることで、お引渡し後も良好な関係が継続され、お互いがメリットを享受できることが望ましい。

私はフリーウェアやシェアウェアの普及を見ながら、住宅業界にもそのようなWIN−WINの関係をつくる媒介約として住宅CMサービスの普及と発展を目指している。

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●住宅性能評価付住宅
大手でなくとも、第三者の検査を入れることで、間違いない品質と性能を手に入れることが出来る。戸建て住宅での負担は総工事費の1%にも満たない
写真は森信建設(株)の工事現場(南区翠町)


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