第37話 パラダイムシフト
2003.07.28

中国で製造したユニット住宅内部

今春、広島の地元金融機関や有力企業など、産学官が連携して『ひろしまベンチャー育成基金』という財団法人を設立した。広島発のベンチャー企業を育成するために、大賞は300万円の資金がプレゼントされるというものだ。個人・法人問わず、募集枠は8件ということだったので、早速『住宅CMサービス広島』のビジネスアイディアも応募した。

弊社は、2年前に『中小企業創造活動促進法』というビジネスモデル募集にも応募し、広島県知事の認可をもらったので、このような助成金やアイディア募集への申請は比較的慣れている。しかし、この2年の間で、ベンチャー企業のアイディアは、金融機関や行政などの支援機関にはほとんど理解されないというのをいやというほど思い知らされた。これは私だけではなく、旧ナスダックに上場した企業を始めとして、アントレプレナーシップを持った周りの創業者に共通している。だけど諦めないでチャレンジし続けるものだけが市場を創っているのも事実だ。

最高300万円の返さなくていい助成金は、我々にとっては大きい。しかし、申請書のような決められたフォーマットでビジネスアイディアをまとめても、「このビジネスのどこに新規性があるの?」と審査員に一蹴される可能性が高い。これまで、パワーポイントなどを駆使し、視覚に訴えプレゼンテーションを行っても、理解してもらえないケースが多かったからだ。

そこで、今回は『パラダイムシフト』というキーワードを使った。審査員クラスになれば、恐らくこのような言葉のほうが「なるほど・・・」と、頭の回路にスイッチが入るのではないかと考えたからだ。『パラダイムシフト』とは、これまでの古い枠組みが劇的に変わっていくことを指している。
小泉内閣で進めている『構造改革』というのもまさに『パラダイムシフト』だ。

ベンチャー企業というのは、ある程度成功し、市民権を得なければ一般にはベンチャーと認識されない。誤解を恐れずにいうと、安定した組織に所属している硬い頭で考えると「どこがベンチャーなの?新規性があるの?」と思われることは少なくない。例えば格安航空券販売で伸びた『HIS』や、古本市場をメジャーにした『ブックオフコーポレーション』などだ。

『HIS』の澤田社長が事業を始めた頃、既存の旅行代理店とどう違うのか、支援機関や金融機関に説明を求められると結構難しかったのではないかと思う。『ブックオフコーポレーション』の坂本社長も同様だろう。「そのビジネスアイディアは、古本屋がやっているのとどう違うの?」と真顔で聞かれると、説明する気も失せるかも知れない。

ITベンチャーのような派手なパフォマンスや、目を見張るような技術はないかもしれない。しかし、安穏とした業界に競争と価格破壊を引き起こし、消費者に顔を向けた商売をさせるのも、立派なベンチャー企業だと私は思う。これが『パラダイムシフト』だ。

弊社も、サービスの内容を細々と説明するよりも、過去40年ほど続いた住宅業界の古い慣習や秩序を変え、過去の競争優位の仕組みを崩すような仕掛けを実現させれば市民権を得られるだろう。まずは、サービスを利用されて喜んでいただけるお客様を着実に増やしていきたい。

中国の工場で造られたユニット住宅の内部
日本で企画・設計し、資材及び工場組み立てを中国の工場で行っている。
この住宅は坪単価30万円前後でこれから売り出される予定だ。
住宅業界にもユニクロ方式が浸透してきている。

企画・輸入/
(株)ビーディーエム(広島市)


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