第39話 伝言ゲーム
2003.08.11

昔、テレビ番組で『伝言ゲーム』というのをやっていた。仕切りのある狭いBOXが幾つか並んでおり、お笑いタレントなどが、司会者から手渡されたストーリーを頭で覚えている。メンバーはヘッドホンで大音量の音楽を聞いており、会話は聞こえない。仕切りに小さな窓があって、そこがあくとヘッドホンを外し、前の人からストーリーを聞いて次の人に伝えていく。

メンバーは8人から10人くらいいただろうか。テレビの前の視聴者は、全ての会話が聞こえているので、途中でどのようにストーリーが変わっていくかを楽しんでいる。そんな長いストーリーではないが、途中で少しずつ変わっていくと、最後には全く違うストーリーになることは珍しくない。それが、なんともいえず面白かった。

今聞いたばかりのことが正確に伝わらない。おおよそのニュアンスは掴んでも、数人に伝えていくと、どこでどう変わってしまったか正反対の結論になることさえある。これが、家づくりの打合せだったらどうだろう。お客様は自分たちの持っているイメージを営業マンに伝えたかもしれない。しかし、実際に家という形になるまで、数多くの人が関与するから大変だ。

言葉だけの『伝言ゲーム』だったら、お客様の要望が正確に工事現場まで伝わるだろうか?
20〜30秒で伝えられるストーリーで、しかも覚えてすぐ、隣の人に伝える「ゲーム」でさえ正確に伝えることは困難だ。注文住宅は、何回かに分けて何時間も打合せしたものが、設計図となり、見積書に反映され、工事現場できちんと施工されなければならない。

普通に考えたら、うまく伝わるほうが奇跡だ。これが住宅業界はクレーム産業といわれるゆえんだろう。それは工事のミスや瑕疵が多いということよりも、むしろ「言った、言わない」の感情論のウェイトが大きいと思う。契約時に形がなく、モノが確認できないから余計だ。

だから、打合せ記録や設計図が非常に大切になる。設計図も日付がないのは論外で、途中で設計変更されたら、日付とその履歴が図面上に描き示されていることを確認したい。一般消費者が設計図を読みこなすことは困難でも、日付の確認や摘要欄に書かれている変更の履歴と変更された箇所の確認は出来る。要望が反映されているかどうかチェックしておきたい。

これがなされていないことで、工事現場では古い図面で資材発注し、変更後の寸法と違う材料が入ってくることもある。専門工事業者は、見積をするために、最初の段階で預かった図面以降、新しい図面を渡されていない可能性もある。だから、現場を施工する際には「承認図」と書かれている図面以外は発注や現場管理には使用しないといったルールも必要だ。しかし、これが出来ていない業者も少なくない。

設計図書以外にも、打合せの内容や工事現場の状況を情報共有できればもっとミスが減る。
それが電子メールやグループウェア、WebカメラなどのITツールだ。

大手だからミスが少なく安心だということではなく、ミスを少なくするルールとツールそして教育がしっかりしているところが、お客様に安心を提供できる組織だと私は思っている。

規模の大小との相関関係はそこにはない。
そのような仕組みづくりも私の使命だと、住宅CMサービスに取組んでいる。

次回はお盆休みのため1回お休みさせていただきます。

工事現場に設置されたWebカメラ
ブロードバンド環境が整ってきたことで、建築現場の様子が、事務所やお客様のご自宅でもリアルタイムで確認できるようになってきた。情報の共有がミスやロスを少なくする。


Since2002 ©W's Network.co.,ltd. All rights reserved.