第4話  住宅はクレーム産業?

「住宅はクレーム産業」と、業界ではよく言われる。それほどこの業界のほとんどの人がクレームを経験しているということだ。これは、例えば自然素材を使いたいといって、無垢材が少し反ったとか、左官仕上げが収縮でひび割れが出来たといった、素材の性質上完全には防げないものもあるが、素材や仕上げといったもの以外のほうが多い。素材のクレームについては、事前にその可能性を説明しておくか、例え変形しても目立たないような素材の使い方を工夫するなど、ある程度防ぐことは出来る。それ以外のクレームがなぜおきるか、それが問題である。

クレームの多くは、伝達ミスによるものだ。住宅の建築には、営業から設計、現場の職人さんに至るまで、延べでは大変多くの人々が関与する。お互い一面識もなく、また直接お客様の要望や設計者からの指示を聞くこともなく、多くの又聞きで仕事を進めていくことになる。10人で伝言ゲームをすると、直後に伝えていっても全く内容が異なって伝わることは少なくない。それが、メモも取らず場所も時間も変えて電話や口頭で伝えても正しく伝わるはずがない。

ある工務店が完成見学会をしたいので応援して欲しいと申し出があった。早速上棟が終わったばかりの現場に赴き、その工務店の家づくりの考え方などを確認して事務所で打合せを始めた。まずは図面を見せて欲しいと出してもらった平面図が、どうも現場で見た間取りと違うような気がし社長に確認すると、『施主の希望で変更になったから、こちらが新しい図面だ』と別の設計図を出してきた。比較すると確かに間取りは変更されているものの、作成日ほかは全く同じもので、打合せをした本人以外はどちらが新しい図面か分からないものだった。

同じ日付の違う図面が、それぞれ専門工事業者のもとに行き、口頭だけで変更指示し、孫請けや応援で指示の伝わっていない人達が、現場で何を元に施工を行なっていくのか…。極端な例と思われるかもしれないが、これが住宅業界の実態でもある。本来は設計図の通りに施工を行なっていくのが監理であるが、きちんとこまかい指示のない設計図や、訂正日の記載のない承認図がいかに多いことか。一級建築士とは名ばかりの設計事務所も残念ながら少なくない。

クレームを少なくするには、1棟の住宅建設に関わる全ての人に、正しく情報が伝わることが最も重要となる。その情報を集約したものが「承認図」であるが、図面にすべては言い表せない。そこで「打合せ記録」というものを記入して、施主にも捺印をいただくということで確認を取っているが、この記録は実際工事を行なう専門工事業者にいくことはまずない。だから、打合せとは違うことが現場で行なわれることとなる。

最近はそれを解決するためのいい道具がある。それは「電子メール」という打合せ記録だ。コピーも配布も簡単で、いつどのような打合せをしたか履歴も残る。住宅CMサービスでは電子メールのほか、Webで使えるグループウェアなど、既存のITツールをうまく使うことで、情報の共有を図ろうと考えている。現場の最前線で働く職人たちにも正確な情報が伝わるような仕組みだ。施主の要望や現場の状況が前線まで正確に伝われば、皆知恵を出すものである。

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