第50話 モデルルーム
2003.11.04

今回は、少しマンションの話を書いてみよう。
マンションは通常、建ててから販売開始するのではなく、工事着工前から販売を開始していることがほとんどだ。建築設計が終了し、役所への確認申請が終われば、建物の姿、形は全くなくても購入者の募集広告が入り始める。多くは『現地モデルルーム』へ案内する広告だ。

最近は、マンション価格も大きく値下がりし、しかも「駐車場無料」とか「トランクルーム付き」といったものが普通になってきている。それが、現在支払っているアパートの家賃より安く、頭金もわずかで済むとなれば、心が動いてしまうのが人情だ。
しかし、姿・形もないものに数千万円もの契約を結ぶのは躊躇してしまう。

そこで、プレハブでつくった仮設の事務所に、マンションの内装を再現したモデルルームを設けて、購入希望者に「疑似体験」してもらっている。来場者は、モデルルームで、間取りやキッチンなどの使い勝手、収納量や仕上げ材など、実際購入する部屋の規模や仕様とそう違わない『モデルルームで、完成後のマンションと自分たちが入居したシーンを想像する。

宅地建物取引主任者の資格を持った担当者から、重要事項説明を受けて、ローンや諸費用、今後のスケジュールなどひとつひとつ確認しながら、ようやく契約に結びつく。戸建て住宅を建てるお客様のように、設計段階ではどのような建物が建ち、建築工事の金額がいくらになるのか、また諸費用がどの程度かかるのか、すべて「目安」しかないよりはるかに安心感がある。

しかし、状況は変わりつつある。
まずは、マンションを販売する側がモデルルームをつくらず、建築が始まってから、現地にお客様を案内するようなケースも増えてきた。業界最大手でライオンズマンションを販売する大京は「現物・現場販売」と呼び、実際の建物への案内を推し進めている。
●ライオンズマンションの現物・現場販売こちら

大京は表向き「いま、マンションは現物と現場を確かめて選ぶ時代」といっている。しかし、マンションの価格が下落し競争が激化した中で、中規模のマンションではモデルルームのコストをお客様に転嫁しきれなくなってきたのも一因だろう。無駄なことこの上ないからだ。

一方お客様のほうも変わり始めている。
最近弊社に相談が増えているのが、お引渡し前の内見会に同行して、素人では分からない工事の不具合を見て欲しいというものだ。大都市圏ではそのような専門サービスも増えているようだ。私自身も経験があるから、心情は良く分かるし、対応も始めることにしたが・・・

しかし、本当は出来上がってからでは隠れてしまう部分の検査が最も重要だ。住宅という大きな買い物にも関わらず「今週末にはチラシが入りますから、その前に予約頂いたほうがいいですよ!」という商談テクニックを使う若い営業マンの術中にはまるケースも少なくない。
実際に確かめられる要素の多いマンションでさえ不安が多いのに、戸建て住宅の対応はいかに・・・。
>>>次号に続く..


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