<第11号> 「断熱」を考える!
2004.03.22

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《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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 こんにちは。発行者の若本修治です。
 このメルマガは結構、業界人も読んでいただいているようです。

 ビデオセミナーを購入いただいた方や、
 ホームページに訪問し『無料Eメールセミナー』を購読された方の
 感想や意見の中に、業界人からの励ましや暴露話(?)も混じっています。

 ご意見を頂いた皆さん、ありがとうございます。(^o^)丿

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 先週は、メールのドメイン名で今、首都圏で話題の建築家コンペサイト
 『ウィークエンドホームズ』さんからの無料Eセミナー登録に気づきました。
 すぐにお礼のメールを送ると、工事VEチームの方だと分かりました。
 (VEは、Value Engineeringの略で、コストダウン手法のひとつです。)

 神田で開催されたあるセミナーで森本社長の話を聞き、当時浜松町にあった
 『ウィークエンドホームズ』さんの事務所を訪ねたのが、今から2年半前。
 「住宅業界を面白くしたい!」と語る森本社長と、パートナーの大場さんの
 話に大変共感を覚えました。

 今では、毎週金曜日の8時、テレビ東京で『完成!ドリームハウス』という
 番組までもっているそうじゃないですか!
 広島では放映してないので見れません。残念!!(T_T)

   ▼ウィークエンドホームズ社のホームページ
   http://www.weekend-homes.com/

 でも『家づくりを面白くしたい』というのは、施主もプロ側も共通テーマに
 したいですね。人生最大の「事業」なのですから。

 では、いよいよ今週の本文の始まりです。 

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      ▼断熱を考える! 〜サッシメーカー部長の体験〜
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 戸建て住宅に住み始めて、「冬が寒い!」といわれる人は少なくありません。
 特に、中高層の賃貸マンションに住んでいた人の多くはそう感じるようです。

 何故マンションの方が戸建てより寒さを感じにくいのか?
 実はこれには、大きく3つの要因があります。
 以下、整理してみました。

★第一の要因:
【窓の数が少ない】

 一般に窓から逃げる熱は全体の3割を超えるといわれます。
 (当然、建物の条件によっても異なります。)

 マンションは東西南北、必ず窓のない面がありますよね。
 だから戸建て住宅に比べると外気に面する壁や窓は圧倒的に少なくなります。
 窓が少なければ、当然逃げていく熱も少なくて済むわけです。

★第二の要因:
【気密性が高い】

 鉄筋コンクリートの建物は、隙間がなく、ドアを閉めようとしたときに
 風切り音がすることさえあります。
 隙間が少ないので、熱が逃げづらい構造となっているのです。

★第三の要因:
【上下どちらかの階に別のお宅がある】

 戸建て住宅は屋根や基礎の部分からも熱が逃げていきます。
 しかし、マンションでは少なくとも一方は部屋があるため熱が逃げません。
 上下階と左右に囲まれた部屋は、ほとんど窓の熱損失だけです。


         ▽ ▼ ▽ 


 近年、戸建て住宅でも『高断熱・高気密工法』の家が増えてきました。
 建物全体をすっぽりと断熱材で包み込む工法です。

 断熱性能を高めるためには、断熱材だけでなく、気密性能と断熱サッシが
 セットになって、初めて高い効果を発揮します。

 最近の新築ではペアガラス(2枚のガラスの間に空気層を入れたサッシ)が
 増えています。特に戸建て住宅ではリビング階段など、吹き抜け空間をつく
 るケースも増えているので、冬の寒さ対策は大きなテーマです。

 そこで、ガラスだけではなく、サッシ自体も熱を伝えやすいアルミ製から、
 熱を伝えにくい樹脂製や木製のものが徐々に増えてきました。
 空気層の厚みや、空気の代わりにアルゴンガスを入れたもの、熱線を反射す
 るガラスなど、さまざまな『断熱サッシ』が開発されています。


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          断熱サッシで結露?
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 大手サッシメーカーも生き残りのため熾烈な開発競争を行なっています。
 断熱サッシを始めとした、多機能サッシは差別化のために欠かせない商品と
 なりつつあります。

 大手サッシメーカーの販売子会社に勤務するN部長も、高気密・高断熱を
 手掛ける工務店への断熱サッシの売り込みに躍起になっていました。

 他メーカーは、サッシだけでなく断熱パネルも開発し、工務店の囲い込みや
 住宅のFC化まで取組んでいます。

 断熱サッシの新製品を売り込むN部長の自宅は、築10年を超える木造住宅。
 奥さんと高校生の長男と3人で住んでいます。
 当然、ペアガラスも断熱サッシも普及していない時代に建てました。


 「工務店に売り込むのに、自分が体験しなければ説得力がないなぁ・・・」

 そう考えたN部長は、
 自宅のサッシを自社の最新断熱サッシに取り替えることにしました。
 ちょうど冬に差し掛かる手前に工事が完了したので、性能を体験できます。


         ▽ ▼ ▽ 

 数ヶ月間経過しました。N部長は得意満面でした。

 「やっぱり、暖房の効きが違う!今年の光熱費は少なくて済んだ!!」


 そして、とある日曜日。久しぶりの家族サービスです。
 「ちょっと模様替えでもしようか・・・」
 と、奥さんと家具を移動させてビックリ!!

 なんと、家具の後ろが黒かびでビッシリだったのです・・・・(>_<)

 窓の結露はなくなっていたのに、どうして???(*_*;)


 リフォーム前の家は、隙間も多く断熱性能が低かったため、窓周り以外の
 結露はあまりありませんでした。つまり部屋の中全体が寒かったのです。

 リフォームで断熱性能を高めたことで、部屋全体は暖かくなりました。
 そのことが、外気に面する壁との温度差を大きくしてしまい、
 結果的として、家具の裏に結露を生じさせていたのです。
 
 断熱サッシを開発し、専門知識で工務店に売り込むメーカー幹部でさえも
 このような経験をして、ようやく自然のメカニズムを学んでいきます。
 商品のカタログや実験室のデータではなかなか分からないものです。


 だから、セールストークだけで売り込んでくる、建築や製品知識の乏しい
 営業マンのいうことを真に受けるのは、考えたほうが良さそうです。

 「当社の建物のQ値は・・・」「工場生産で品質のばらつきがなく・・・」
 営業する本人たちは、現実を何も知らない可能性もあるのです。


       ●--------------------------
          怖いのは壁内結露
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 家の中に、カビが生えていた・・・
 考えただけでもゾッとしますね!

 室内の結露は、カビやダニの発生要因となるので避けたいところです。
 ぜんそくやアレルギーの原因にもなりかねません。

 し・か・し、

    >> 本当に怖いのは、壁の中に発生する結露です。 <<


 断熱サッシで部屋の中が暖かくなれば、部屋内部の壁も暖かくなります。
 表面温度の暖かい面は結露しません。

 家具の裏は、室内の気温よりも、外壁から伝わってきた温度に影響され、
 表面温度が下がっていたため結露したのです。

 だから、表面温度の冷たい面、つまり壁の中は結露のリスクが高まります。
 室内が暖かくなればなるほど、壁の中では結露し、
 構造材を腐食させていくのです。

 木造の土台は腐り、軽量鉄骨の柱やC型チャンネル(土台や大引に準ずる
 材料)は錆びて、強度が落ちていきます。
 目で見ることが出来ない分、やっかいです。

 断熱をして室内が快適になっても、建物の寿命が縮んだのでは本末転倒です。
 「壁の中を結露させない」のが本当のプロの仕事といえるでしょう。


 さて、北海道で高断熱・高気密のノウハウを開発した業者が、
 本州に乗り込んできました。
 『次世代省エネ基準を上回る断熱性能の住宅』が売り物です。

 西日本で実際に建物が建ちました。
 しかし、本州には北海道では考えられない「結露」があったのです。
 それは・・・

 ⇒次週に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●建築家と家をつくる愉しみ      [TOTO出版] 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887062087/cmshiroshima-22

 ↑前書きに書いた『ウィークエンドホームズ社』などを利用して、設計
  コンペで家をつくった建て主10人のサクセスストーリー。
  プロには異議もあるものの、やはり「家は楽しく造りたい!」ですね。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
        ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 『80対20の法則』というのをご存知ですか?
 富の8割が2割の人に集中したり、実際に成果になる仕事の8割は2割の勤務
 時間から生み出されるといった法則を、パレートという人が見つけました。

 働きアリも、じっくり観察してみると・・・
 2割のアリは一生懸命働いている。
 残りの8割はウロウロしているだけ!?

 あなたの周りの上司にもいませんか・・・? (^_-)<☆


 つまり、効率を高めると2割の努力で8割の成果が得られるともいえます。

 これは、技術開発にも当てはまることです。
 技術者は、完璧を目指して開発を進めます。コストのことは二の次です。
 消費者不在の「高性能」で「高価格」な製品が出来てしまいます。

 今回の断熱の話も同様です。
 『高断熱・高気密』に虜になった工務店やお客さんは、C値(床面積に対し
 てどれだけ隙間があるかを測定する、気密の数値)などを追求します。

 「次世代省エネ基準の1地域(北海道)を上回る断熱性能が出た!」

 「えっ! 温暖な瀬戸内海でそんな数値必要なの?」

 確かに、技術者としては嬉しいかも知れません。
 しかし、それを実現させるための高級車1台分のコストアップはいったい
 誰が負担するのでしょう・・・?

 重要な2割のポイントを押えれば、8割の快適性は求められます。
 食事も『腹8分目』が体によいと言われますよね。

 家づくりも80点を目指すくらいがいいのかもしれません。
 (費用の面から見ても余裕を持てますから。)

 パートナー選びでもこの法則を当てはめることをお勧めします!

■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_31.htm

  ↑コラム『パレートの法則』
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)

【編集後記】

■広島で、『住まいのキホンが分かるサイト』を立上げます。
 異業種交流会から端を発した、住宅・不動産に関連する専門家が、個人の
 立場で、消費者に有益な情報を発信していきます。(4月公開予定)

 私も発起人の一人として新たな仕掛けをしていきます。


■弊社サイトでも、『専門家募集』を行なっています。
 これまで一級建築士や土地家屋調査士など、地元の専門家の方からも資料
 請求をいただきました。

 そのたびに
「資料は送りますが、一度お会いしましょう。あなたの仕事ぶりも知りたい
 ですし、ネットで完結する仕事ではありませんから。」とメールします。

 残念ながら、「士業」の方はほとんどメールの返信さえありません。(T_T)
 もちろん、郵送した「入会申込書」(入会無料)が届くこともありません。
 応募さえすれば、ネットで紹介してくれるとでも思っているのでしょうか?
 このような人たちがネット上でコンペに参加しているとしたら・・・

■やはり、専門家同志も顔を見て、信頼に足るパートナーのネットワークを
 つくっていく必要があります。
 「私も参加したい!」という専門家の方、是非連絡を!
 新しいムーブメントをつくっていきましょう。

 mailto:info@cms-hiroshima.com

 では、また来週♪

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 ◇ 次週予告
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            ▼ 断熱工法の裏側 ▼

            〜誰のための断熱構法?〜

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●このメルマガでは、
 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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