<第16号> 建築家で家を建てる?
2004.04.26

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.016━2004.04.26━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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 こんにちは。『住まいづくり専門コンシェルジェ』の若本修治です。
 テレビの『劇的ビフォーアフター』を見ていてふと気付きました。
 「デザイン料含まず」???(気になりません?)

 一体、『匠』にいくら支払うのか?
 テレビ局が、匠の出演料代わりにデザイン料を負担すれば
 消費者に知らせる必要もないのかもしれません・・・。
 (私も真偽は知りません)

 通常ならば、設計料・デザイン料も含めて発注者の負担となります。
 それは、建築工事だけでなく、税金や諸費用も同様です。

 これを説明されず、
 「あんな金額で出来るのか・・・」と考えると後が怖い!
 しわ寄せは施工業者か、消費者に来るのは間違いありません。

 今回と次回のメルマガでは、設計事務所のデザイン料についても
 考えていきたいと思います。

 では今週の本文の始まりです。 

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    ▼建築家で家を建てる?  〜もっと建築家を知ろう!〜
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 前回、分譲チラシの落とし穴を紹介しました。
 建築家の設計した『デザイナーズハウス』を前面に出すことで、
 消費者の購買意欲がかきたてられます。
 しかも、土地付き一戸建てが、頭金・ボーナスゼロで、月々7万円台・・・

 まさか、宅建業法違反の広告とは、一般消費者は気づかないでしょう。
 県庁に赴き、チラシの内容の確認と業者名簿の閲覧をしました。

 そうしたら・・・
 (これ以上はメルマガでは伏せておきます。)(^_^;)

 でも、建築を専門とする一級建築士が、
 「土地取引は専門外だから、宅建業法違反とは知りませんでした」m(_ _)m
 というのは、一般消費者には考えられないことでしょうね。

 また、設計監理の「監理」がどのような業務でどこまでの責任範囲か・・・
 仮にお引渡し後、施工上の問題が起きたときに、
 総責任者として、工事費の負担も含めて責任を取れるのか・・・?


 「私は設計だけ担当したので、施工については工事業者に聞いて下さい!」


 これでは、不祥事を起こした企業トップや政治家と何ら変わりません。
 「秘書が・・・」
 「担当責任者に問いただしたところ・・・」
 最終的には、国民からヒンシュクを買って「責任」を追求されます。

 契約上、設計と監理の見積項目を分け、
 発注者の都合で「設計だけ依頼」したのであれば、
 施工については「業者の責任」といって、逃れることは可能でしょう。

 しかし、「設計監理」としての監理料までしっかり頂いていたとしたら??

 監督責任として、少なくとも監理料は返金するくらいの気概は欲しいですね。
 (でも、残念ながらそんな気概を持った設計者に私は会ったことがありません)
 
 ※不祥事を起こした公務員や会社役員が退職金を辞退することと同レベルです。
  退職金も辞退せずに開き直った人を思い浮かべて下さい・・・
  それが、欠陥住宅を招いた建物の「設計監理者」の大多数だとしたら!?


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        建築家が集客のカギ?
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 最近、大手ハウスメーカーも「建築家と家を建てる」といったような
 イメージ戦略をとるところが数多く出ています。

 新聞広告やチラシでも、複数の建築家から選べる
 新しい建築システムなどを宣伝をしています。
 (当然地域によって違いがあります)

 その多くは、すでに建築する住宅会社が決まっており、
 土地と同様『建築条件付き』建築家利用システムとでもいうようなものです。
      ~~~~~~~~~~~~~~~

 この仕組みは、建築条件付きで土地の販売を行なうよりも、
 はるかに住宅会社のリスクが減り、企業イメージも高まります。
 土地仕入れのリスクも無く、建築家を希望するお客様だけに
 その設計料を負担してもらえばいい、というわけです。

 住宅会社にとっては、堂々と設計料を申し出ることができます。
 設計料負担が大きいという印象を持たれるお客様には、
 従来の設計施工を提案し、いずれにしても自社で施工が担当できるのです。

 展示場もいらず、土地を仕入れる必要も無い。
 規格プランが多く自由設計ができないという汚名も返上できます。
 しかも、「建築家」という第三者が入ることで安心感まで演出しています。

 住宅会社側には大変都合の良い「仕組み」です。
 あとは、イメージのいいチラシや広告などで相談会を演出すればOKです!

         ▽ ▼ ▽ 

 分譲住宅、注文住宅ともに
 「建築家のイメージ」を上手に使うようになってきました。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 分かりますか?
 「イメージを利用している」のです。
 利用されている建築家の多くは、
 今のところその点にあまり気づいていない様子です。


 ところで、「建築家」って誰が認定するのでしょうか?
 テレビや雑誌、インターネットで数多くの自称「建築家」が
 「作品事例」と称して、設計した事例を紹介しています。

 「作品」です。「設計」ではなく・・・(-_-;) 誰がお金を出して・・・?
 ~~~~~~~~

       ●-------------------
        一級建築士と建築家
        -------------------●

 実は、(社)日本建築家協会という団体があり、
 本来は、この組織の正会員でなければ「建築家」とは認められないでしょう。
 正会員になるためには、第三者のプロに認められなければなりません。
 ※全国に約5000人ほどの会員がいらっしゃるようです。

 だから、私は自称「建築家」の方々も会って図面を見て判断しています。
 しかし「図面を持ってきて欲しい」というと尻込みする設計士が多いのです。

 「な〜んだ! 単に一級建築士資格を持った設計士なのか!?」
 いつも期待を裏切られます。(T_T)

 でも、一般消費者は判断できない方がほとんどでしょう。
 そして、設計料をどれだけ負担すればよいのか・・・

 第三者のプロから認められる、本物の「建築家」であれば、
 工事費の10%や15%支払っても惜しくないでしょう。
 ヨーロッパでは「建築家」に設計を頼むのは貴族や富豪といわれています。

 しかし日本では、ヨーロッパの高級ブランドを学生が持っているように
 一般市民も、自称「建築家」に設計を頼む傾向が強くなってきています。

 それは「建築家」にとってまさしくチャンスの時代となっています。
 自称「建築家」が独立して設計事務所を開けば、
 一介の設計事務所所員の給料をはるかに超える報酬を手にできますからね。
 (そこに実力がついてくれば私も異論はないのですけどね・・・)


・‥…━━━☆・‥…━━━☆☆☆━━━‥…・☆━━━…‥・

 私が自称「建築家」についてここまでいうのは訳があります。

 私は、本当は「建築家」という人たちを尊敬しています。
 武道家や武士道などと同様、精神レベルも高めている人たちです。
 そして、社会との関わりの中で建築物を設計するプロフェッショナルです。
 (決して、他人のお金で自分の作品をつくろうとするエゴイストではなく)

 学生時代、当時住宅設計では著名な「宮脇檀建築研究室」(東京代官山)に、
 日本建築家協会の「オープンデスク」という制度で設計事務所体験をしました。
 恐らく全国の設計事務所で知らない人がいない存在です。

 そして、最初に就職した会社の社長が、安藤忠雄氏と友人で、よくセミナーや
 展示会にも駆り出されました。彼ら以外にも一流といわれる建築家の人とその
 建物に接し、若い頃から「本物」に数多く触れることができました。
 (今にしてみれば、大変恵まれていたと思います。)

 しかし、彼らでさえ、厳密にいうと「欠陥住宅」をつくっています。
 それほど、建築というものはオブジェのような「作品」とはわけが違います。

 だからこそ、私は今の「建築家ブーム」に憂いを感じているのです。
 自称「建築家」たちが、一般消費者を相手に、
 実力に相応しない設計料負担を求めようとしていないか?

 「個性を重視する」といいながら、ファッションもプロフィール写真も
 「自分は建築家です!」と訴えているようなステレオタイプ(金太郎飴)
 が多いと感じるのは私だけでしょうか?
 自分たちはおしゃれだと思って、個性を主張していた
 「ルーズソックス」とあまり変わらないような気がします。
 (言い過ぎでしょうか・・・    反省)m(_ _)m

 でも多分、10人の写真を並べて、1人だけ「モノクロ写真」で
 少し斜めを向いたカジュアルなファッションの人が「建築家」でしょう。(笑)
 あなたも、思い浮かびませんか・・・?

 次回はお客さまのタイプ別、設計事務所の選び方を書いてみます。
 えっ!施主のタイプによって、選ぶべき設計事務所が違うって・・・?

 ⇒次回に続く
(次週はゴールデンウィークのため休刊いたします)

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●「建てる前」に読む本   NPO法人家づくり援護会 編  [作品社] 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4878935057/cmshiroshima-22

 ↑非営利第三者機関が提唱する「安心家づくり完全マニュアル」
  かなり専門的な話や業界裏話もあり、内容は充実しています。

  しかし、ホームページのリンク集を見ると、施工業者ばかり・・・
  私の相互リンクの依頼メールも数ヶ月無視されています。(>_<)
  やはり、NPO法人というボランティア機関の限界か・・・?
  ●家づくり援護会(イエンゴ)http://www.iengo.ne.jp/


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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


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        ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 設計事務所や建築家を利用すると、本当に満足のいく家が出来るのか?
 私は必ずしもそうは思いません。

 建築士(1級、2級、木造)の登録者数はどのくらいかご存知でしょうか?
 恐らく、建築士自体も知らない方がほとんどでしょう。

 ●建築士登録者数《平成14年度のデータ》

 1級建築士 307,558人 2級建築士 660,777人 木造建築士 13,879人
 

 つまり、トータルで100万人近い「建築士」がいるのです。
 これには、私もビックリしました。

 これだけの建築士がいて、なぜ欠陥住宅が社会問題になるのか?
 施工会社の問題も当然無視できませんが、
 「設計監理」が機能していればこんなことにはならないのでは???


 では、今週のまとめです。

 1.チラシや広告に出ている「建築家と建てる家づくり」とは、
   建築条件付き(住宅会社のオマケ付き)住宅販売がほとんど!!

 2.設計事務所は、「監理」はしても、監督責任はあまり取らない!?

 3.設計料も「基本設計、実施設計、監理」の内訳を出してもらおう!
  (施工の見積書については細かく、自分の設計料は甘く・・・?)
 
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_47.htm

  ↑コラム『デザイナーズハウス』
   消費者を迷わせる光と影。消費者も知識武装が必要です。
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 今週は、設計事務所に対して厳しい見解だったかもしれません!(-_-;)

 しかし、消費者の立場から非常識と思えることは、例え古くからの慣習でも
 変えていくように誰かが促す必要性を感じ、敢えて苦言を呈しました。
 

 とはいえ、私も完璧な人間ではありません。
 勘違いもあると思いますし、知らないこともたくさんあります。
 家づくりは協力者がたくさんいてこそ、理想を実現することが可能です。
 一人の「建築家」が、すべてを監理することは不自然に感じるのです。

 ですから、私は自分の周りで「常識の分かる」専門家を集めています。
 お互いがチェックし、コラボレーションすることで、
 消費者に対して、より安心できるサービスを提供することを目指しています。


 「大手から仕事をもらっているから発言は控えたい」
 「協会から目を付けられたくないので、協力は難しい・・・」

 そんなしがらみを打ち砕くような専門家集団をつくり情報発信していきます。


 まずは、仲間数名でサイトを準備しました。
 名付けて「住まいのキホンが目に見える」……

 「住」まいの「基」本
  ↓  ↓  ↓
 ●『住基ネット』(総務省と自治体が揉めたあのネットとは違います)(^^ゞ
 http://www.sumainokihon.com/

 少し遊び心のあるサイトです。
 一度お越しください。

 では、また再来週♪

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 ◇ 次回予告
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          ▼ 設計事務所を選ぼう! ▼

        〜お客さまタイプ別設計事務所の選び方〜

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●このメルマガでは、
 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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