<第22号> エコロジー住宅を考える
2004.06.14

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.022━2004.06.14━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第22号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
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  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,260部》
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 【もくじ】
 ・エコロジー住宅を考える
 ・お勧めBOOKS
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。
 いつも長〜いメルマガをご愛読いただきありがとうございます。
 先週は臨時増刊号まで出してしまいました。(^_^;)

 しかし、やはり伝えたいことがたくさんあるのです!
 個人にとって大きな買い物なので、後悔して欲しくない!!

 住宅業界の良識ある人たちにも、ヒントが与えられればと思っています。

 私のメッセージに共感いただける方は
 是非、お知り合いにこのメルマガをお勧めください。
 (そのままコメントをつけて転送していただいても構いません。)

 さて、今週は、久しぶりに東京出張です。
 また新しい情報とネットワークを広げていきたいと考えています。
 もちろんこのメルマガにも最新情報を反映していきますから、乞うご期待!

 では、今週も最後までお付合いください。

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   ▼エコロジー住宅を考える  〜こだわり社長の奮闘記!〜
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 前回、ゼロエネルギー住宅について考えてみました。
 エネルギー消費のない住宅、地球環境にやさしい住宅は理想的ですよね。

 しかし、地球温暖化の原因は、
 「自分たちだけが快適であれば良い」という、
 人間のエゴが作り出した結果ともいえるでしょう。

 現に、真夏にガンガンに冷やされた室内とは対照的に、
 エアコンの室外機では温風が外部に吐き出されています。 (-_-;)

 「自分の乗用車の車内はスリッパ履きできれいにしても、
 空き缶や吸殻を道路に投げ捨てる」という人も見かけます。 (>_<)

 自分の家だけ光熱費を払わなくていい住宅にすることが、
 本当に地球環境にやさしいのか・・・


 「もっと、自然界から学んでもいいのでは・・・?」


 今回のメルマガでは、
 そんな思想で製品開発に取組んでいる「人」にスポットを当ててみました。


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          現場から学ぶ
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 前回の最後に、富士環境システム(前田社長)の断熱材の話に触れました。
 一般消費者は、断熱材の存在を意識することはあまりないでしょうね。

 しかし、断熱材が建物の寿命や、室内の快適性、住宅のコストまで
 大変大きな影響を与えるということは覚えておいて欲しいのです。
 断熱材は、「入っていればいい」というものではありません。

 今回紹介する、富士環境システム(株)は、
 床暖房システムを開発している本当に小さな会社です。

 ●富士環境システムのホームページ
  http://fek.jp

 自社開発した床暖房を責任施工している会社です。

 メーカー自身が施工まですれば、さまざまなことが分かってきます。
 製品自体の品質だけではなく、施工性や、
 実際に計算上の性能が発揮できているのか等々・・・


         ▽ ▼ ▽ 

 さて、奮闘記のはじまりです。

 床暖房を施工する職人が、現場を終えて咳き込むことが多く
 前田社長は気になっていました。
 職人の健康に気を配るのも経営者の責任です。

 現場に行って調査してみると、
 どうも断熱材のグラスウールが原因のようです。

 グラスウールはガラス繊維で出来た、綿のような断熱材なので、
 現場では多少、綿埃(ワタボコリ)が舞います。

 これが、シャツの隙間から入って、体がチカチカしたり、
 口から吸い込まれ、喘息の原因になったりしているようです。

 さらに床下に潜って調べてみると、床下に熱がこもっています。
 床暖房の熱が、床上だけに放熱されるのではなく床下に逃げているのです。


 「職人たちに働きやすい環境で、
  エネルギーロスのない断熱材はないものか・・・?」

 前田社長は、自ら断熱材を捜し歩きました。
 環境や人体にやさしい断熱材です。

 そして、ようやく見つけたのが、『炭化コルク』という断熱材でした。


 『炭化コルク』は、ポルトガルなど海外で生産され輸入しています。
 断熱性能や調湿機能が高いのですが、大変高額です。

 このような高額の素材が使えるのは、建築家が設計する
 予算のある方の家が中心になってしまいます。

 しかし、新聞記事として数行取上げられたため、
 消費者からも大変な反響を呼び、正式に輸入を始めました。

 ポルトガルから、コンテナで輸入しましたが、
 単価が高い分、利益で考えると結構いいビジネスだったそうです。

 しかし、前田社長は自問自答しました。

 「設計価格で坪当たり3万円もする断熱材で、
  しかも、毎月数百万円も船賃を支払って海外から輸入する建材。
  でも、使った消費者は喜び、自社にも利益をもたらしている・・・

  このまま続けていてもいいのだが、何か引っ掛かる・・・」

 一般消費者に手の届かない素材を、
 大変なエネルギーを消費しながら輸入しているのです。

         ・
         ・
         ・

 そして、社長は決断しました!

 「国内で調達でき、リサイクル可能な性能の高い断熱材を自社開発しよう」


 それからは、試行錯誤の連続です。


       ●-----------------------
         自然から学んだ断熱材
        ------------------------●

 まずは、自然素材ということから、
 コーヒー豆のかすや、サトウキビの皮など
 いろいろな素材を試してみました。

 しかし、臭いやシロアリの問題に直面し、
 一旦は自然素材をあきらめ、硬質ウレタンなどを研究しました。

 硬質ウレタンは、高気密高断熱の住宅でよく使われている断熱材です。
 冷蔵庫の断熱材などにも使われていました。

 しかし、こだわりのある前田社長は、2つの点で断念したそうです。

""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
 ▼人体に有害となる可能性

  硬質ウレタンは燃焼時に塩素系の有毒ガスを発生する。
  火事になったときに、火ではなく毒で亡くなる可能性がある。

 ▼地球環境に負荷をかける

  製造段階で発泡させる(気体を混ぜて膨らませる)とき、
  代替フロンを使用するため、地球温暖化の原因となる。

""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""

 いよいよもって、開発は行き詰まりました。

 「やはり、市販の断熱材を使わざるを得ないのか・・・」(-_-;)


 しかし、そのころ偶然にも、足長バチの巣について
 一番外側に卵が産み付けられていないということに気づきました。

 ハニカム状になった外側に空気層が設けられているのです。
 カマキリの巣なども、同様な構造で自然の温度変化に対応しています。

 「そうだったのか!」(^o^)丿

 ハチなどの昆虫は、自らの健康をそこなう素材は使いません。
 自然環境も破壊せず、リサイクル可能な材料で、卵を保護しています。
 最もよく出来た断熱構造だったのです。

 自然から学んだ、パルプの断熱材「ぬくもり」のヒントが生まれた瞬間です。

 ●「ぬくもり」のホームページ(富士環境システムのホームページより)
  http://fek.jp/p04.html


 ⇒次週に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●住宅の「結露」「断熱」「防音」を克服する本
           山本順三 著  [ハウジングエージェンシー出版局] 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4899900090/cmshiroshima-22

 ↑今回紹介した富士環境システムと同じく、床下にもぐり実際に断熱施工を
  手掛ける著者が書いた、プロによる『断熱の一般常識を覆す』一冊。

  『外断熱』の本で一躍有名になった住宅会社の断熱施工を実際に手掛けた
  著者による「現場からの声」には、説得力があります。でも、外断熱の素材
  メーカーから買い占められ、店頭売り切れかもしれません・・・(-_-;)

 あなたが本当に「いい家が欲しい」と考えるのなら、ご一読ください。(^_-)☆
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
        ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 昔の日本の家屋は、夏の暑さを克服することを重視していました。

 『徒然草』(吉田兼好)に「家の作りやうは夏を旨とすべし」
 という一節があることからも、直射日光を遮り、
 室内まで風が通っていく家が暮らしやすい家でした。

 「木」(構造体)や「土」(壁)や「紙」(障子・ふすま)などを使った
 昔ながらの日本家屋は、日本の自然環境の中で、新たなエネルギー不要で
 素材自身が外部や室内環境を調整する機能を担っていました。

 桐タンスが和服を納めるのに適した収納であったのも理由があります。
 「キリ」は、湿気によって他の木材よりも大きく体積が変わります。
 素材自体が、室内の湿度を吸放出しているのです。

 湿気の多い梅雨時は、湿気を吸って引き出しが少し膨らみます。
 タンスの内部に湿気が届かないように、隙間がないようになるのです。
 冬の乾燥時には、湿気を吐き出し隙間もあいてきます。

 だから、タンスの中に入れている和服は
 室内の湿度の影響が少なくて済んだのです。
 (和紙などで包装され、さらに調湿されます)

 しかし、今の住宅は、シックハウス対策が求められ、
 建築基準法で、24時間換気システムなどが義務付けられました。

 当然、冬の断熱性能も高め、省エネ住宅も求められます。
 温暖な西日本でも、高気密高断熱住宅が増えて来ています。

 しかし、出来る限り「自分の住む環境だけよければ良い」という
 発想ではなく、近隣や地球環境にも配慮した住宅が求められるでしょう。

 その時、「自然素材だから、高いのは当たり前!」ではなく、
 日本人の持つ歴史や経験から自然に学び、できるだけ経済的負担も
 少ない工法や素材開発がもっと行なわれてもいいのではないでしょうか。

 そのためには、私のような情報発信と
 それを実際に採用する施主が増えていくことが必要です。

 「いい」のは分かっていても、実際にお客さまが知り
 お金を出していただいて、開発企業の収益に結びつかない限り、
 商品を継続的に供給していけないからです。

 エコロジー住宅は、本当に地域の小さな会社が担っているのです。
 大企業が大量生産できるものは、実際は環境負荷を掛けているのです。

 私は、小さくても「志(こころざし)」の高い中小企業を応援しています。

■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_52.htm

  ↑コラム『吹込み断熱』
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 前号の予告で「サスティナブルハウジングとは?」と書きました。
 しかし、そこまで触れる前に今週号は終わってしまいました。m(_ _)m

 「サスティナブル」とは、持続可能なという意味で、
 このまま、機械や化石燃料に頼ったエネルギー消費が続くと、
 この社会自体が持続できなくなるという警鐘を鳴らしています。

 よく考えて見ると、地球上で人間だけが、
 自然環境を破壊して、しかも自らの健康を損なっているのです。

 人々が、虫も寄り付かない生活環境を求めたために、
 建材に含まれる防虫や防腐剤が人体に影響を与えていることも事実です。

 それが揮発性物質となって、アレルギーを生じさせたのが
 『シックハウス症候群』と呼ばれる病気となって皆を悩ませています。

 それを解消するための対策が、

 ▼24時間換気システムを義務付けます。 ※建築基準法で義務付け
  (数十万円のコストアップです)

 そして、換気の効果を高めるために、

 ▼住宅の気密性を高めなければなりません。 ※任意です
  (百万円以上のコストアップです)

 最終的には消費者が発病のリスクか経済的負担を負わなければなりません。

         ▽ ▼ ▽ 

 大手マンション販売会社が、2000年11月に完成させた
 大阪市北区の新築マンション(20世帯)の入居者が、
 シックハウスの症状を訴え、集団訴訟をしています。(平成16年1月末)

 床下の建材から出た高濃度のホルムアルデヒドが原因といわれています。
 東証1部上場のマンション販売会社と、同じく東証1部上場企業で、
 対象建材を開発したメーカーに、3億円の損害賠償を求めているのです。


 >>>「シックハウス対策を行なった安心のマンションです!」<<<


 営業マンは得意のセールストークでお客さまに説明していたそうです。
 しかし、民間の研究機関が調べた結果・・・

 国の指針値(0.08ppm)の2倍のホルムアルデヒドが検出されたのです。

 営業マンは実際の施工の現場は知らないのが実状なのです。

 会社の規模や知名度、営業マンの言葉で判断する消費者が後を絶ちません。
 それは、ある意味仕方のないことかもしれません。

 でも欠陥を隠す隠ぺい体質は、どの業界よりも
 住宅業界はヒドイといえるでしょう。(大変残念なことです・・・。)

 「大手だから安心!!」
 この神話は、もうどの業界からも消えてしまいつつあります。


 「足るを知る」⇒際限ない欲求を抑えて、足りることを知るという思想・・・


 できるだけ、自然の食物を摂り、自然をじょうずに利用した
 「エコロジーな生き方」が、最も安全な生き方といえるかも知れません。
 (紛争や天災を除いて)
 
 サスティナブルハウジングは、またの機会にご紹介しましょう。

 では、また来週♪

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 ◇ 次回予告
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           ▼ 欠陥住宅を考える ▼
 
          〜なぜ欠陥住宅は起こるのか?〜

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 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
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 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/
 ▼ 住宅にユニクロ方式の生産システム『セルフ・ビルド・プロジェクト』
   http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html

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