<第26号> 住宅リフォームの落とし穴
2004.07.12

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.026━2004.07.12━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第26号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,235部》

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 【もくじ】
 ・住宅リフォームの落とし穴
 ・お勧めBOOKS
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 先週金曜日の夜、自宅の電話が鳴りました。
 「埼玉県狭山市の大森と申します」と聞きなれない声・・・
 メルマガ読者は自宅を知らないし、狭山に知り合いは無し・・・???

 声の主は、ナント!宮大工の大森健司棟梁でした。
 人間国宝の故・西岡常一氏の下で薬師寺の調査や復元に携わった方です。
 薬師寺西塔などの復元も手掛けておられます。
 電話をとったこちらがビックリで恐縮するばかりでした。

 実は、7月4日(日)に欠陥住宅予防セミナーに参加しました。
 主催は『広島欠陥住宅研究会』と『欠陥住宅被害中四国ネット』です。

 タイトルは
 
       >>> 伝統建築に学ぶ欠陥住宅予防法 <<<

 一般消費者のほか、弁護士や建築士などの専門家が参加していました。
 話はおおいに盛り上がり、質問も数多く寄せられました。

 そして最後の質問に答え終わった後、大森棟梁が言いました。

 「設計事務所の方々には負担が大きいが、施主が分離発注をする
  手助けを、プロとしてきちんとサポートしてあげればいい家が出来る!」

 会場に参加している設計者にエールを送ったのでしょう。
 しかし、私は分離発注を手掛けるあるグループを思い浮かべました。

 「本当に設計事務所が分離発注をサポートしてうまくいくのだろうか?」
 「少なくとも、私の経験や周りの話を聞いていても
  施主のリスクが高く、コストや品質が良くなる根拠に乏しい・・・」

 自宅に帰り、大森棟梁のホームページから私の思いをぶつけてみました。
 一個人として、電子メールで疑問と本音を書き綴ったのです。

 そうしたら、数日たって直接電話を頂いたのでした。
 大森棟梁の話はまたの機会にまとめたいと思います。

 しかし、身内の家とはいえ、棟梁と仲間の職人との直営工事で、
 900万円そこそこで二階建ての家を建てられたということです。
 宮大工が無垢材を手刻みで加工し、込み栓で引き締めた『木の家』です。

 「分離発注は、職人を束ね、価格も納まりも知っている大工(棟梁)こそ、
 その任に当たるべきだ」と大森棟梁はおっしゃっていました。

 ■大森健司棟梁のホームページ(大森建築設計事務所)
  ⇒ http://www2.tba.t-com.ne.jp/oomori-kida/

 60代の大工棟梁が、今の建築業界を嘆き、人材育成に尽力しています。
 大工こそ勉強しなくてはならない!という姿勢は脱帽です。

 「建築基準法が分からず大工ができるか!」

 一級建築士を取得し、ホームページも開設しました。
 法律知識もインターネットも、まだまだチャレンジされています。
 私もまだまだ頑張らなければ・・・(^_^;)

 では、今週も最後までお付き合いください。

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   ▼住宅リフォームの落とし穴  〜定額制に気をつけろ!〜
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 住宅リフォームがブームです。
 テレビ番組の影響も大きいのでしょう。

 読者の中でも、先行きが見えないので建替えをせずに
 リフォームをして数年様子を見ようかという方もいるかもしれません。

 しかし、いざ見積を取ってみたらビックリです。

 「こんなに掛かるのなら、いっそ建替えた方がいいくらいだ!」
 「いっそのこと、家を売って中心地のマンションでも住もうか・・・」

 新築やマンション購入は、まだ金額の目安があります。
 しかし、リフォームには目安となる金額がほとんどありません。
 プロでも見積もってみないと分からないのが事実です。

 では、住宅リフォームをする時にあなたは相談相手がいますか?
 一体誰に頼んだらいいのか、判断にお困りではないでしょうか?


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        リフォーム工事の見積
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 私は以前、住宅リフォームのチェーンにいました。
 アメリカ生まれで、日本でも急激に店舗数を伸ばし始めていた
 『ミスタービルド』というフランチャイズ・チェーンの地域本部です。

 コンビニが地元の酒販店を加盟店にしているように
 地元の工務店や設備工事屋さんが加盟店です。

 私が在籍していたのは10年程前。
 当時、全国の都府県におよそ20の地域本部があり、
 延べで1千店舗程度の加盟店があったと記憶しています。

 しかし、加盟したもののオープンしない店や、
 加盟後数年で脱退するお店もありました。
 実質営業しているお店は300〜500店舗くらいだったでしょう。

 私の業務は、「スーパーバイザー」。
 加盟店の店舗運営の助言をする本部の指導員です。
 広島県内でも20程度の店舗があり、奔走していました。

 コンビニやファーストフードのチェーン店とは違い、
 オープンすれば日々売上があがるという訳にはいきません。
 チラシを撒いても来店客や問合せはわずかです。

 マニュアルの指導だけでは、売上はついてきません。
 問合せがあるような仕組みを、日々考えていかなければ・・・。
 加盟店にとっては死活問題です。

 「なぜ、問合せが少ないのだろう・・・?」

 信用力、技術力、お店の立地・・・、
 さまざまな要因はあるものの、すぐに変えられるものではありません。

 知らない会社に問合せするには抵抗があります。
 その抵抗を和らげ、すぐに対処できるもの・・・
 それは、お客さまでも工事金額の目安がつくようにすることです。
 いくらかかるか分からなければ、抵抗があって当たり前です。

 新築住宅でも同じですね。
 展示場を持って、目安の坪単価を明示していると
 「安心」なイメージがあるでしょう。

     <往々にしてイメージだけの場合も・・・> (>_<)

 そこで、各ショップのオーナーを集めて、
 金額の標準化しようということになりました。
 水回りや外装などの「部位」別に、パッケージ料金を設定するのです。

 しかし、それからが大変でした。

         ▽ ▼ ▽ 

 標準的なリフォーム工事のプランを用意しました。
 部屋の増築と、キッチンなどの水回りの改装プランです。
 同じ条件のもと、5つの加盟店で見積を出してもらうのです。

         ・
         ・

 およそ一週間後、各社から見積が出てきました。
 600万円台から900万円台までバラツキがあります。

 なんと300万円近くも差があるのです。1.5倍の金額差!!!(-_-;)
 チェーン店としたら、大変まずい状況です。

 お客さまが、別々の加盟店から見積を取ったら
 全く違う金額が出てくるのですよ。
 見積の信頼性などなくなってしまいます。(>_<)

 見積書の書式や明細の項目も各店舗バラバラでした。
 見積用のパソコンソフトは導入しているものの、
 本部の指導する書式にあわせて見積するということをしていないのです。

 結局、各店舗の見積を預かり、もう一週間掛けて
 各社の見積書を分析した結果、積算資料から作り直すことになりました。

 あまりに見積の精度にも差がありすぎたのです。


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         定額制&パッケージ
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 最近のリフォームのチラシをみていると、
 金額表示したものが増えてきました。

 新築の約半額!
 家まるごとリフォームできる『定額制』のもの、

 あるいは各部屋ごとに、目安となる金額を表示した
 『リフォーム・パケージ』などなど・・・。

 まるでスーパーのチラシのように、
 細かく料金を載せているものもあります。

 確かに、金額の目安がつくので問合せはしやすいでしょう。
 しかし、気をつけておかなければならないことがあります!
 その金額の根拠と工事範囲を明確にさせることです。

 リフォームは、必ず解体や撤去、既存部分の補修が必要です。
 新築以上にケースバイケースで、余計な費用が掛かります。


 ▼『定額制』の落とし穴

  予算オーバーがないので親切だと思うかもしれません。
  しかし、実は業者側にとって都合の良い仕組みです。

  相談された時点で予算が分かっているということです。
  予算内で出来ることだけ組み立てればいいのです。
  自社の利益を確保して、下請けへの実行予算もすぐ決まります。

  「この金額で現場に行ってくれ!」

  下請け業者は、予算があわなくてもしぶしぶ現場に行きます。
  下地補強が必要でも、見て見ぬ振りして仕上げをします。
  塞いでしまったらお客さまには全く分かりませんから・・・。
  リフォームの場合、下地が狂っていない方がまれなのに・・・ですよ!

  しかし、元請業者はこれで利益確保。(^o^)丿
  見積明細も不要で駆け引きもありません。
  お客さまにとって安心のサービスといえるでしょうか・・・?


 定額やリフォーム・パッケージを利用するときは、
 必ず見積の明細を要求して下さい。
 恐らく下記のような回答が返って来るでしょう。

  「細かく見積ったら、かえって高くなってしまいますよ!」

 こう言われたら、勇気をもって

  「高くなっても構わないから、明細を出して下さい。
   明細を見て、工事の内容を判断します!!」
                         と言いましょう。

 細かく見積って高くなる根拠がどこにあるのでしょう?
 もし、本当に高くなるのであれば、提示金額は「手を抜く」と同義語です。
 きちんと見積ればそれだけの作業量があるということですから・・・

 明細を提示できないような業者とは契約しないことです。
 これは、『建築条件付』の新築にも同様でしょう。
 例え大手でも毅然とした態度で求めることが大事です。

 堅実な会社であれば、必ず見積の根拠があります。
 それが定額でも、パッケージ料金でも・・・。
 私たちは、それをつくるのに大変な労力を使い、
 数多くの積算資料を作成したのですから

 ⇒次週に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●吉を呼び込む 現代の家相と設計  明石秀代著    [永岡書店]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4522210892/cmshiroshima-22

 ↑家相について設計者の立場でまとめた良書。マンションや増改築まで、
  事例を元に吉相になるためのポイントを挙げています。
  基本は、自然を無視した家づくりに無理があるということでしょう。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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   ↓  ↓  ↓
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
          ▼今週のワンポイント・アドバイス
     ┗□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┛


 最近は『点検商法』なるものも数多く出ています。
 床下や排水管、耐震診断など・・・

 無料診断で家の中に上がりこみます。

 「あらら!お客さん。このままでは危険ですよ!」

 おれおれ詐欺と同様に、高齢者の家を狙います。
 塀や外壁に『マーキング』(業者だけが分かる印)まで付けているとか。

 リフォームは、信頼のおける地元の業者さんに相談しましょう。
 「信頼のおける業者を知らない」って?

 では今週のアドバイスです。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

 1.リフォーム工事は見積ってみないと正確な金額は出ない。

 2.『定額制』や『パッケージ料金』には落とし穴がある。

 3.見積の明細を要求し、根拠を確認してから契約しよう。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

 NTTのタウンページがありますよね。
 商売をしているほぼ全ての企業が電話番号を掲載しています。

 水漏れや、外壁塗装、サッシの取替え・・・
 地元でも何社かあるはずです。

 過去のタウンページがあれば、地元に根付いた企業は分かります。
 外壁の塗り替えは、塗装屋さんに相談するのが一番です。
 大手のリフォームショップには塗装の職人は雇用していないのですから。

 バックナンバーでも書いていますね!(^_-)<☆
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/BN_vol7.htm

 まずは、何を直すのか、何を頼むのか明確にすることです。
 そうすれば、専門業者に安く仕事を頼むことが可能です。

■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_3.htm

  ↑コラム『見積比較(2)』
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 先週、独立・起業を支援する『ドリームゲート』のイベントに参加しました。
 前々回の『お薦めメルマガ』で紹介した開拓父ちゃんもゲストです。

 『開拓父ちゃん』の大室さんは、予算100万円で家を建てたそうです。
 1千万円ではなく、1百万円です!!!(*_*)

 田舎暮らしを求めて、都会のサラリーマンから
 いきなり縁もゆかりも無い広島県世羅西町に移住した大室一家。

 たまたま山が手に入ったので、無謀にも開墾し
 その山に生えていた木で家をつくることを決意したそうです。

 それまで、金槌もノコギリも手にしたことがない、大室父ちゃん・・・
 予算はたったの百万円です。(-_-;)

 しかし、それを聞いて駆けつけた大工が、道具を貸し
 現場で指導までしてくれたそうです。
 自分の弁当まで持参して・・・。

 それで建てたのが平屋建ての家。
 サッシやドアなどはもらってきたそうです。

 ■『開拓父ちゃん』の開拓の歴史はこちら
 ⇒ http://www.10chan.com/kaitaku.html

 数年経ち、子供たちがいいました。
 「父ちゃん、2階建てはよう建てんのんじゃろう!」(広島弁)

 今度は2階建ての作業場を50万円の予算で建てたそうです。

 そう!やれば出来るんです!
 日本人には、木の家を建てるDNAが受け継がれているのかもしれません。

 田舎の百姓暮らしにくじけそうになった開拓父ちゃんは
 サラリーマンに戻ることを何度も考えたそうです。

 しかし、この家を建てたことの自信、
 そして我が子にいい空気といい水、いい環境を与えられたこと、
 全国の皆さんにも味わっていただきたいと、自然農園の経営を続けています。

 では、また来週♪

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 ◇ 次回予告
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          ▼ 土地購入の落とし穴 ▼
 
          〜不動産取引の実態とは〜
 
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●このメルマガでは、
 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。

【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/
 ▼ 住宅にユニクロ方式の生産システム『セルフ・ビルド・プロジェクト』
   http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html

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