<第37号> 労働生産性をみよう!(施工編)
2004.10.18

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.037━2004.10.18━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第37号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,456部》

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【もくじ】
 ・労働生産性をみよう!(施工編)
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 臨時増刊号でお知らせした「住まいのキホン研究会」主催のフォーラムは、
 盛況のうち、無事終了しました。

 ほとんど広告もしていないのにも関わらず、
 電子クチコミなどで、およそ70名の参加をいただきました。

 多めに用意していた資料が、残り1部になったときには
 さすがに焦りました・・・(^^ゞ

 フォーラムの内容については、またこのメルマガでお伝えしたいと思います。

 では今週も最後までお付合いください。

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 ▼労働生産性をみよう!(施工編) 〜生産現場は標準化できない?〜
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 住宅の生産は他の製品と違い、いずれも異なる自然環境の中で
 何日にも渡って人間が組み立てていくという、現場の作業が必ず発生します。

 いかにプレハブ化率が高まろうとも、
 基礎工事を始めとして、大工や職人なくして家は建たないのです。

 日本の大手ハウスメーカーは、
 そのほとんどが、本来、部材メーカーです。

 壁のクロスや、住宅設備機器まで自社開発している会社はありません。
 主要な構造材や外壁材などを生産しているのです。

 昭和40年代から、全国に大手ハウスメーカーの住宅が広がっていきました。
 この頃は、地域の工務店や建設会社と代理店契約を結び、
 メーカーの部材を、その建設会社が組み立てるという構図でした。

 メーカーにとって、建設会社はお客さんであり、
 木造住宅や鉄筋コンクリートなど、地域の建設会社が得意とする市場は
 決して侵さないという不文律がありました。

 内部の造作工事や、お風呂などの水回り、塗装工事などは
 やはり大工や職人に頼らなければ住宅は出来上がらなかったのです。

 「工期や価格、品質にバラツキが生じているのは仕方ない・・・」

 しかし、職人任せでは、いつまで経っても標準化が出来ません。
 いつかはそれを解消したいというのが、
 大手ハウスメーカーの大きなテーマでもあったのです。

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         クリティカル・パス
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 「クリティカル・パス」というのは、計画を進めるときに最も時間がかかり
 重要性の高い部分のことをいいます。

 アメリカの軍需産業などから、プロジェクト管理のために登場し、
 2×4工法を中心とした住宅業界にも広がってきたものです。

 大手ハウスメーカーの住宅の『クリティカル・パス』は、大工や、
 湿式と呼ばれる左官・タイルなどの工事でした。

 この部分を出来るだけ工場生産できるようにすれば、
 品質や価格のコントロールを部材メーカー側で出来るため、
 相対的に代理店である建設会社の役割や影響を弱めることができます。

 この頃から、ハウスメーカーは地域の工務店市場にも積極的に参入し、
 工務店のシェアを平然と奪う企業へと変貌していきました。(-_-;)


          ▽ ▼ ▽ 

 大手ハウスメーカーの住宅は、劇的に生産性が上がりました。
 職人の能力に依存する部分を極力排除していった成果です。

 しかし、これは住宅の価格に反映されませんでした。
 今ではむしろ日本の住宅が高い要因とさえなっています。
 なぜでしょう?

 全国の住宅総合展示場に積極的に出店していくコストに
 転嫁されていったからです。

 総合展示場への出展戦略で遅れをとった、N電建、S住宅、T住宅が
 ここ数年、相次いで民事再生法を申請したことは以前書きましたね。

 展示場に出展し、莫大な広告宣伝をして、建築知識のない営業マンを
 大量に雇うことで、シェア競争に勝っていくのです。
 コストダウンどころか、目に見えない負担は増えるばかりでしょう。

 では、木造住宅での取り組みはどうなんでしょうか?

       ●------------------------
          現場情報の共有
       -------------------------●

 大手ハウスメーカーの家が高いままだったために、地域の木造住宅も、
 その金額よりも少し割安感があるだけで売れたという時代が続きました。

 全く現場での労働生産性には、頭を使ってこなかったのです。(-_-;)

 木造住宅の『クリティカル・パス』もやはり大工さんです。
 大工の工程に合わせて全ての工程が決まっていきます。

 米国から輸入された2×4工法は、これをCPM(クリティカル・パス
 メソッド)と呼ばれる工程管理手法で生産性を高めようとしました。
 しかし、米国では成功しているその手法も、日本ではうまくいきません。

 なぜなら、日本の職人の多くは、
 紙に書いた工程を守ろうという意識が希薄なのです。

 工程が遅れた言い訳は、天気から始まり、
 材料の配達の遅れから、他の職人の仕事振り、設計図書の不備まで...
 本当に多種多様です。
 対策としては、職人が言い訳などできない環境をつくるしかありません。


 まずは現場で材料を移動させる時間や、図面を見て「どう納めようか?」
 と考える無駄な時間を極力なくすことです。
 そのために、設計者や現場管理者が綿密な計画を立てる必要があります。

 必要なときに、必要な量の材料が、計画的に現場に届き、
 大工でなくても出来る仕事については、時給の安い労働者にさせる・・・

 歩掛かりと呼ばれる、職人の1日当たりの標準的な仕事量を算定し、
 適切な時間管理をして、作業終了したら報告してもらう仕組みも必要です。

 しかし、仕組みだけでは人は動かないから厄介です。
 そこでインターネットを利用した情報共有が
 これからますます重要になってくるでしょう。

 いつ、どの材料が現場に入ってくるのか、
 誰が工程を遅らす原因をつくっているのか・・・
 そして、現場の状況を遠隔地からでも知ることが出来ること。

 Web上で、邸別にすべての情報が関係者に伝わり、
 施主と現場監督、大工や職人が情報を共有できるようになれば、
 現場での労働生産性は確実に上がります。

         ▽ ▼ ▽ 

 子供の頃の運動会を思い出せばご理解いただけるでしょう。
 自分だけが走る徒競走や、学校の外を走るマラソン大会など、
 見えないところで手を抜く子供たちも、
 リレーとなると、一所懸命走ります。

 今どのあたりを走っているのか、前の走者とどれだけ差があるのか、
 そして自分がバトンを受けて次の走者に渡すまで、
 チームの皆も観客も、みんなが注目しているのです。

 「他人に迷惑を掛けられない!」
 「自分はしっかりと役目を果たしたゾ!!」

 そのような意識になる環境をつくることも、実は大切なのです。
 職人自らがやる気にならない限り、現場での労働生産性は上がりません。

 子供たちが、百マス計算で自らの能力を高めているように・・・

 私が以前参加した、早稲田大学アジア太平洋研究センターの
 『建築市場研究会』など、IT化時代の新しいうねりが起きています。
 まだ成功といえるモデルはないものの、確実に現場も変わっていくでしょう。

 ⇒ 次回に続く

     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
        ▼今週のワンポイント・アドバイス
     ┗□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┛


 ようやく「労働生産性」シリーズは終わりです。(^_^;)
 ちょっと、理屈っぽくて堅苦しい内容だったかも知れません。

 労働生産性をあげるためには、
 「自分は目一杯の仕事量をしている!」と思い込んでいて、
 業界にどっぷりとつかった人たちではまず無理です。

 これまでの常識で、工期や坪単価、現場検査などを行なっていれば
 劇的なコストダウンや品質向上は見込めないでしょう。

 これは一般消費者である読者には関係ない世界ですが、
 皆さん自身の仕事でも思い当たる部分が恐らくあるはずです。

 業界の常識ではなく、社会的常識が今の住宅業界に必要なのです。
 皆さんも、住宅業界の常識にとらわれてはいけません。
 ご自身の社会的常識で判断するようお勧めします。

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

 1.労働生産性を高める1つの方法は、
   職人の能力に依存する部分を排除すること。

 2.それを目指した大手ハウスメーカーは、
   別のコストアップ要因を解消できていない。

 3.CPMなどの、業務を管理するシステムよりも、
   職人たちにやる気と責任感を引き出す仕組みが必要。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆


■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_37.htm

  ↑コラム『パラダイムシフト』
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 今週は、3泊4日で東京出張です。
 広島でも忙しいのに、週の半分を空けてしまうのは大変心苦しいところです。

 しかし、今回は欠陥マンションの実地調査です。
 このたびのフォーラムで広島まで来ていただいた欠陥住宅検査の第一人者、
 岩山健一さんの指導で、我々も実際の欠陥の現場に踏み込みます。

 業者との直談判の現場も体験することになりそうです。
 欠陥住宅で悩んでいる人たち、そして欠陥が元で資産価値を失った人たちを
 ひとりでも多く救済できるよう、我々も技術や知識を身に付けていきます。

 全国に30万人もいる一級建築士が、本来の仕事をしてこなかったことが、
 欠陥住宅の問題を大きくしています。

 本来は、予防こそがもっとも欠陥住宅撲滅に効果があります。
 それが出来ていないことに、建設業界の問題があるのです。

 消費者におざなりの業界を変えていくためにも、
 忙しいなどと言っておられません。(^_^;)

 しかし、メルマガの発行に影響が及ばないとも限りません。
 出来るだけメルマガ発行に穴をあけないよう努力しますが、
 もし、発行頻度が少なくなることがあってもご容赦いただければ幸いです。

 ではまた、来週♪

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 ◇ 次回予告
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           ▼ 住宅新サービス比較 ▼
 
          〜住宅プロデュース業の台頭!〜

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 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。

【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/
 ▼ 住宅にユニクロ方式の生産システム『セルフ・ビルド・プロジェクト』
   http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html

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