<第38号> 住宅新サービス比較
2004.10.25

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.038━2004.10.25━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第38号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,457部》

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  ⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
   気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
 ・住宅新サービス比較
 ・今週のお勧めBOOKS
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 先週の台風23号も、また各地に甚大な被害を出しました。
 私はちょうど東京に出張していましたが、道路は冠水するし、
 予定していた建物の外部検査はできないなど、仕事にも影響しました。

 今回の台風被害を見ても、建物自体の耐久性はもちろんのこと、
 がけ崩れや高波、浸水など、住宅地としてはあまり適切ではない宅地に
 家を建ててしまったということも、被害が大きくなった要因と思われます。

 そして、土曜日に新潟県中越地方を襲った大地震!!
 まさに台風の雨で緩んだ地盤に、直下型の地震が来たため、
 地形が変わるほどの大きな災害になってしまいました。

 もう建物の耐久性が云々という状況ではありません。
 あんなところが宅地になっていたこと自体が問題かも知れません。

 被害に遭われた方々には、心よりお見舞い申し上げます。
 皆さんも家を建てるときは、是非立地環境もご注意ください。

 では今週も最後までお付合いください。

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    ▼住宅新サービス比較 〜住宅プロデュース業の台頭!〜
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 ここ数年、住宅業界にはさまざまな新しいサービスが生まれています。
 建売りや大手ハウスメーカーがつくる、大量生産型の規格住宅が飽きられ、
 施主のニーズが多様化してきたということが大きな原因と考えられます。

 また、企業の不祥事が相次ぎ、医療ミスなども次々と明らかになる時代で、
 家づくりだけもまた、「業者任せにしていて本当に大丈夫!?」
 と感じる消費者が増えてきたことの現われかも知れません。

 「大手に任せたら安心!」という時代から、
 「中立的な専門家に入ってもらって、チェックや交渉をしてもらう」
 そんな時代になってきました。

 新しいサービスの傾向を大きく分けると、以下の3つになります。

  (1) 家を建てようとするときの初期の相談窓口・・<契約段階>

  (2) 資材発注の効率化、低コスト化、競争見積・・<発注段階>

  (3) 建築中の建物の第三者による検査・診断など・・<施工段階>


 主に、一般消費者が家づくりを相談する(1)の契約段階で、
 これまでとは違ったサービスが数多く登場しています。
 自らは請負(工事や設計)をしない、このようなサービスを
 今回のメルマガでは、大きく『住宅プロデュース業』とくくりました。

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         建築家と家を建てる!?
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 住宅プロデュース業の多くは、建築家選びのサポートからがスタートです。
 ネット上でコンペを開催するものから、作品展などのイベント開催、
 『ねるとん』のように施主と建築家の出会いの場をつくるものなど・・・

 広告会社や企画会社が新しい事業として始めるケースや、
 設計事務所やデザイン事務所がネットワークを広げるというケース、
 いずれにせよ、クリエイティブな仕事としてスタートしています。

 どちらかというと、ソフト中心で、見た目のかっこよさを求めます。
 技術よりも、デザインやマーケティング中心で消費者心理をくすぐります。
 そちらを専門にやっていた人たちが多いからです。


 広告や映像などの業界は、ソフトの業務が分業化しています。
 デザイナーやコピーライター、イラストレーター、
 それらをとりまとめるクリエイティブ・ディレクターがいます。

 そして、発注者と予算や納期などの交渉をし、
 プロジェクト全体のマネジメントをする『プロデューサー』という存在。

 テレビ局の看板プロデューサーというのも、
 番組の企画やタレントの選定、制作費など全体をとりまとめし、
 スポンサーの意向に応えて高い視聴率を上げることで評価されます。

 デザイナーは、デザインだけに集中し、
 予算管理や広告効果まで視野に入れた仕事は求められません。
 もちろん、営業の仕事や交渉ごとなども別の人たちが担当します。

 本来そのような、営業やマネジメントの業務が苦手な人たちが、
 コツコツとデザインの仕事をしているのです。
 それは建築業界も例外ではありません。

          ▽ ▼ ▽ 

 建築業界は、『一級建築士』という国家資格を持った『先生』が
 デザイン業務を行なっているため、企画会社や広告会社の人たちは
 広告業界のデザイナーとは、一線を画す存在だと思っていたようです。

 グラフィックデザインは、資格も要らずセンスだけで出来るからです。
 しかもめっぽう数字に弱い人たちが多い・・・ (-_-;)

 それに引き換え、設計者はめっぽう数字に強く、哲学を持っており、
 広告会社の人たちでは、理論でも勝てないというイメージがあります。
 これは理系に対する文系の人たちが抱く幻想かもしれません...

 しかし、バブル崩壊により設計業界も不況になってくると、
 食べていけないデザイン系の設計事務所が目立ってきました。
 中途半端な実力なので、営業力もマネジメント力も乏しいのです。

 ここに、建築関係の出版物を手掛けていた人たちや、
 住宅関連の広告や企画をしていた人たちが目を付けました。

 「建築家をダシに使えば、広告とは別なマーケットが創れる!!」

 こうして、営業力やマネジメント力の乏しい建築家を集め、
 多くの住宅プロデュースの会社が立ち上がっていきました。
 発想は広告代理業と同じです。

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        住宅プロデュースの課題
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 極端かも知れませんが、『住宅プロデュース業』=広告代理店と
 イメージしてみてください。

 電Tや博H堂、東Qエージェンシーなど・・・

 横文字の肩書きでスタッフが並び、クリエイティブな提案をしてきます。
 これまでの夜討ち朝駆けの住宅営業のイメージは一新されます。
 スマートな対応で、お客さまの夢は広がるばかりです。

 「これが、私たちの提案するコンセプトです」
 建築家が、模型やCGでプレゼンテーションを行ないます。

 「えっ! こんな発想があったんだ!!」
 「やっぱり、画一的なハウスメーカーとは違うなぁ・・・」

 ひとしきり感心や感激をして、建築家との契約を結びます。
 『劇的ビフォーアフター』のような家を夢見て・・・

 しかし、広告物と住宅は根本が違います。
 瞬間的に多くの人の心を捉えることを重視する広告物は、
 時には誇張表現も、遊びも、失敗さえも許されます。

 なぜなら、スポンサー企業が提供する製品自体の機能や品質、
 サービスの質や価格などに、広告は直接影響を与えないからです。
 スタジオのセットも、耐久性は求められません。

 でも、住宅は最初の段階で、価格も品質も大筋が決まってしまうのです。

 「一級建築士の建築家がついているから大丈夫だろう」って?
 恐らく、住宅プロデュース会社の人たちもそう思っているかも知れません。
 建築業界の裏側を知らない人たちは、一級建築士を過剰評価しています。

 しかし、デザインは得意でも、マネジメントが苦手な建築家たちが
 このようなプロデュース会社に登録しているケースが少なくありません。
 しかも、コンペとなると奇抜で目立つことが求められます。

 現実的に建てることが可能なプラン(構造的、予算的、施主の要望など)
 よりも、印象に残る演出をしなければ、仕事を取ることが出来ません。

 こうして作品ばかりが独り歩きし、
 予算オーバーや欠陥住宅のリスクの高い住宅の設計が進んでいきます。
 しかし、この時点でそのリスクに気づく消費者はほんの一握りです。

 第三者のプロデュース会社に頼んだはずが、
 大きな経済的負担と引き換えに、最終的に消費者だけがリスクを抱え、
 性能や品質が担保されない、住宅を手に入れることになる危険性があります。

 責任の所在があいまいで、
 結局、施工会社がすべての責任を取らされるのです。 (>_<)

 こんなことが分かっているのに、
 まともな施工会社がついてくるでしょうか・・・?

 売れない設計者と、まともな施工が出来ない安いだけの工務店・・・
 そんなマッチングにならないように、祈るかぎりです。

 ⇒ 次回に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●住宅プロデューサーを上手に使えば
   こんな「いい家」がつくれる  坂本徹也 著  [PHP研究所] 

 ↑リクルートが運営する検索サイト『オールアバウトジャパン』のガイド役
  坂本氏が取材した、住宅プロデュース会社の数々がまとめられています。
  プロデュース会社に相談する前に一読をお勧めします。

    ▼確認・ご購入はこちら⇒ http://qrl.jp/?u=126313

 ■その道のプロが、あなたをガイド
  オールアバウトジャパンの住宅インテリアチャンネル「建築家」コーナー
  http://allabout.co.jp/house/architect/

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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   ↓  ↓  ↓
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


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        ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 今、デザイナーを介した住宅がちょっとしたブームです。
 大手ハウスメーカーも外部の建築家を使って個性的な家に取組んでいます。
 建売住宅でさえ、『デザイナーズハウス』と称する家をつくっています。

 私の認識では、日本建築家協会の正会員が「建築家」と呼べる人たちです。
 少なくとも自分よりも経験豊富な諸先輩から認められた存在です。
 決して「自称」で建築家を騙りません。それは詐欺的行為かも知れません。

 本物の建築家は今の「建築家ブーム」をどう感じているでしょうか?
 そして建築家を商業的に利用しているプロデュース会社の存在を・・・


 私も二十代の頃は店舗の設計施工の仕事をしていました。
 空間プロデュースという仕事で、海外のデザイナーとのコラボレーションも
 ありました。店舗はインフィルだから、奇抜さもOKでしょう。

   ※ インフィルとは内装や設備を指し、構造はスケルトンといいます。

 しかし、その頃話題になったディスコ『トゥーリア』は、 ※古い? (^^ゞ
 天井に設置した大きな電飾が落下して、数名のお客さんが亡くなりました。
 最近では、六本木ヒルズの回転ドアの死傷事故が記憶に新しいでしょう。

 デザイン重視が、コストと欠陥住宅のリスクを共に高めます。
 商業建築はまだしも、戸建て住宅はそのリスクを消費者だけが負うのです。
 その家を建てた家族だけが背負うということです。
        ~~~~~~~~~~
 消費者のリスクを下げ、品質とコストと快適性のバランスを取ること、
 それが、本来プロデューサーの業務だと私は考えます。
 建築家に丸投げで、マッチングだけするところは危険です。

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

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 1.住宅プロデュース会社は、個性的な家づくりに向いている。
   (主に建築家を使った家づくり)

 2.しかし『個性的』で『差別化すること』が目的となるケースがある
   (デザイナーの価値観を押し付けられる・・・?)

 3.プロデュース会社は品質のマネジメントまで出来るところを選ぼう!
   (施工会社にも強く指示が出来ること)

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆


■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_16.htm

  ↑コラム『住宅新サービス』
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 設計事務所選びには正解がありません。
 先日開催したフォーラムでも、そのような質問がありました。

 その人の設計した事例を現地で見て、住んでいる人の話を聞くこと。
 お互いお酒でも飲んで本音で語ること。
 相性を大切にし、価値観やフィーリングの合う人を選ぶ・・・

 どれも間違いではないでしょう。
 恋愛結婚と同じようなものかも知れません。

 しかし、私は「設計図書を見てください」といいました。
 実際設計した住宅の承認図、確認申請図面、指示書など・・・

 たくさん図面を見れば、次第に設計者の力が分かります。
 自分で分からなければ、知り合いの建築関係の人に見てもらいます。

 私は、相性やこれまでの事例(建築家は作品と呼びます)よりも、
 数多くの図面を見ることが大切だと思います。

 なぜなら、住宅の施工は図面に沿って行なわれていきます。
 現場の職人も、資材の受発注も、全てが図面の指示に従います。
 設計者のこれまでの設計事例も、人間性も、現場の人たちは知りません。

 唯一、設計図書に指示された寸法や注意書き、仕様に忠実に従うのです。
 しかし図面に指示のない納まりは、職人が勝手に判断して施工します。

 逆に設計にきちんと指示があり、合理性のあるものは、
 職人たちも勝手な判断で手抜きをすることはありません。

 だから、設計図書以上の、つまり設計者の施工知識以上の建物は
 現場で望む方が無理なのです。

 欠陥住宅は、すべてが現場の職人によってつくられますが、
 その要因の多くは、設計図書の不備によって組み込まれているのです。
 意匠デザイン中心で、施工技術を知らない設計者によって・・・(-_-;)

 先週、数多くの欠陥住宅の調査や東京地裁での調停に立会い、
 施工会社のずさんさ以上に、監理者の不在に腹立たしさを感じました。
 1軒は、住宅プロデュース会社に相談して、欠陥住宅に遭ったようです。

 東京で見た欠陥住宅の実態は、またの機会に書き綴りたいと思います。

 ではまた、来週♪

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 ◇ 次回予告
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           ▼ アパート経営のリスク ▼
 
          〜資産活用ブームの落とし穴!〜

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