<第40号> 住宅広告制作の裏側
2004.11.08

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.040━2004.11.08━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第40号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,462部》

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  ⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
   気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
 ・住宅広告制作の裏側
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 先般開催したフォーラムの様子をアップしました。
 パネリストでお招きした方が次々と地元中国新聞で取り上げられています。
 ファイナンシャルプランナーの平地さん、出版プロデューサーの西元さん。

 フォーラムを機に新しい流れが出来ていきそうです。

 ▼住まいのキホンが分かる 第1回広島フォーラム
 http://www.cms-hiroshima.com/sumainokihon_forum.htm

 では、今週も宜しくお願いします。

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   ▼住宅広告制作の裏側  〜見学会チラシの制作の現場では〜
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 皆さんが家づくりをスタートさせる前に、
 恐らく、住宅の折込みチラシに一度は目を通すことでしょう。

 分譲のチラシや完成見学会開催のご案内、
 展示場オープンの告知や、キャンペーンのお知らせなど・・・

 「えっ!あのメーカーの住宅がキャンペーンで780万円?」
 「無垢材と珪藻土を使った、人と環境に優しい住まい・・・?」

 いろんな切り口で消費者の目に止まろうとしています。


 私も仕事柄、マンションと戸建て住宅に分けて、
 チラシをファイリングし、広告の傾向を分析しています。

 何故、さまざまな住宅会社のチラシをファイリングしているのか?

 それは、独立前のコンサルタント会社に勤務していた頃、
 指導先のチラシの企画・制作も手掛けていたのが一つの理由です。

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         価値あるチラシとは?
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 多くのコンサルタント会社は、経営戦略やマーケティング、
 中長期経営計画の策定など、一般社員には関係の無い抽象的な指導をします。

 しかし、私のいたコンサルタント会社の社長は、
 業界トップの大手ハウスメーカーで、ダントツの営業成績を収めていた
 トップセールスマンでした。ですから実戦的な指導が信条です。

 実戦で培われたノウハウで、飛び込み同行も辞さない熱血指導を行い、
 弱小営業チームを最強軍団に育て上げる等々の実績が書籍となり、
 全国の住宅会社から指導依頼が相次いでいたのです。

 机上の理論・理屈では、前線の営業マンたちは動きません。
 実際に実績を目の当たりにするのが一番効果的です。

 自ら直接動かずに、ダントツの営業成績を上げさせるには・・・
 売れる『チラシの企画』と、成約率の上がる『商談ツールの開発』です。
 営業マンとしてのスピリッツを教え込み、ツールの使い方を教育するのです。

 だから、売れるチラシの企画能力は、コンサルタントとして重要な要素です。
 チラシの価値は、「綺麗」なことではなく「売れる」ことなのです。

 ホームページと同様、デザインが良くても
 直接的に実績に繋がらなければ評価されません。


 他の住宅会社は広告代理店にチラシの企画や印刷を任せます。
 タレントを起用し、CGを駆使して、制作費用もバカになりません。
 私たちコンサルタントが同じことを行っていたら、
 コンサルタントとしての価値が認められないでしょう。

 広告会社がつくるチラシよりもはるかに高い反響を出すことで、
 経営者や営業マンは「この先生、なかなかやるな!」と納得するのです。
 住宅業界では、理屈だけいうコンサルタントは「無用」です。

 私のいたコンサルタント会社では、社長自らがチラシの企画をしていました。
 手づくりのチラシや商談ツールで、トップセールスの地位を得た社長です。
 現役時代でも、決して会社で用意した綺麗な印刷物は使わなかったそうです。

 「自ら知恵を絞って、ことばを考えなければ、相手の心に届かないゾ!」

 この会社で文章の書き方まで徹底されたのが、
 今書いているメルマガにも生きているのかも知れません・・・(^^ゞ


         ▽ ▼ ▽ 

 私の業務は、知名度もなく営業マンもいない中小工務店対象の仕事でした。

 広告も出したことがなく、完成見学会の開催もほとんどありません。
 見込み客の集客手段は、私たちが指導するチラシに絞られます。
 それ以外は縁故やOB客の紹介くらいです。

 知名度のない小さな工務店が集客をするためには、
 1棟だけでも家を建てて、完成見学会を開催するしか方法がありません。
 しかし、あまりにもダサい家だと、見学会は逆効果になってしまう。 (-_-;)

 「いい材料は使っているけど、私こんなセンスの無い家に住みたくない!」

 しっかりした技術も、誠実な人柄も、こう言われてしまっては台無しです。
 営業力や技術力、価格以前の問題になります。


 「社長! 私たちの設計部が大手メーカーに負けない
  センスのいい家を設計します。完成したら見学会をしましょう!」

 大手メーカーで数多くの住宅設計を手掛けていた人や、
 設計事務所にいた人など、バラエティ豊かなメンバーがバックアップします。
 (実際、それだけの人材が揃っていました。)

 そして自然素材の家や、高気密高断熱の家など、
 それぞれの技術やこだわりを活かし、大手に負けないセンスを取り入れた、
 ちょっとおしゃれな住宅が出来上がりました。

 これからが、コンサルタントとしての腕の見せ所です。
 自らチラシのデザインやキャッチコピーを考えていくのです。
 いくつかつくっていくと、反響の高いチラシのコツが分かってきます。

 通常、完成見学会の来場者は10組もあれば御の字です。
 しかし、私が指導した完成見学会では、2日間で50組の来場もザラでした。
 知名度のない小さな工務店でも、たくさんの来場があるのです。

 1Kmと離れていないところで、大手メーカーが見学会をしていました。
 むこうは、2日間で10組足らず。こちらは法人成りもしていないような
 個人事業の大工さんの見学会で、90組の来場でした。

 アンケートも取ったことのない社長が、必死に家の説明を行います。
 こちらは建材メーカーから応援に来た担当者と裏方でサポートです。

 こうして、70社を超える工務店の見学会チラシの企画を手掛け、
 チラシの制作はもとより、他社のチラシを見る目も肥えてきました。
 そして、工務店の本当の力量とコストダウンの方法も見えてきたのです。
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ▼この時の経験が、現在行なっている私のサービスの原点です。
  数百社の工務店社長の話を聞き、現場を見て、工法の特長を掴む...
  他の工法と比較して無駄な部分や不足する部分も見えてきます。
   ↓ ↓ ↓ ↓ 

  このノウハウを、一般消費者の家づくりに活かしてもらったら・・・
  経験と独自のアイディアをミックスした住宅版CMサービスの登場です。
  ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/body_2CM


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          チラシ制作の裏側
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 見学会のチラシを企画するには、
 その会社が手掛けている工法や特長、つまり「売り」をまず確認します。

 消費者にアピールできる点を強調し、他との差別化を図るのです。

 「全棟気密測定をし、C値が1.0を切る、高気密高断熱の家なんです!」
 「防蟻処理は木酢液を使って、無垢の桧で造った天然素材だけの家です!」

 工務店社長が、自らさまざまな研修会に参加し、
 学んだ自慢の工法や仕上で、実際に家を建ててPRする絶好の機会です。
 建材メーカーのカタログや工事中の現場も見せてもらいます。

 さまざまな工法や仕様を聞いていくと、矛盾が生じてきます。
 どの工法が耐震性が高いのか、外断熱と内断熱のどちらがいいのか・・・
 メリットだけでなく、デメリットもあるはず!

 ちょうど、一般消費者が家づくりのスタートで戸惑うのと同様に・・・。

 しかし、こちらは現場経験も建築知識もあるコンサルタントです。
 数多くの工務店にも接し、たくさんの図面も見ています。
 実際の建築現場に行き、矛盾を突いて社長の本音を聞き出します。

 「やっぱり分かりました? 若本さんはごまかせないね! 実は・・・」

 以前の現場で失敗したことや、メーカー標準施工以外で工夫している点など、
 そして、ライバル視している工法の特長なども語ってくれるのです。

 こうして引き出した、本当のその工務店の強みをまとめて、
 チラシの企画を練っていきます。
 建材メーカーのパンフレットには謳っていない内容です。


 しかし、皆さんが目にする広告やチラシはどうでしょうか?
 そのほとんどが、広告代理店や企画会社が制作しているのではないでしょうか。
 建築知識もなく、現場も見ず、広告主の意向のみに沿ってつくられます。

 「今回はこんなキャッチコピーでどうでしょうか?」
 「最近の消費者は、こんなフレーズが購買意欲を掻き立てているようです!」
 「こんな特典を付けたら、多くの見込み客名簿が取れるはずです!」

 資料として渡されるパンフレットの性能に疑問も持たず、
 美辞麗句を並べて、チラシのレイアウトをしていくのです。
 消費者の琴線に触れる言葉も、もちろん心得ています。
 
 「今回、10万部ほど折り込みましょうか?」

 デメリットなどは聞き出しません。
 もし、告知の必要があれば、虫眼鏡で見るような小さな文字で書き込みます。

 「坪単価は、施工床面積で計算しており、40坪以上が対象となります。」
       ~~~~~~~~~~~~~~~~
 広告をつくる側は、『施工床』が何を意味するのか知っているのでしょうか。(-_-;)
 (賢明な読者の皆さんはお分かりでしょう・・・?)

 こうして見栄えが良く、写真とキャッチコピーが踊る
 住宅会社のイメージを高めるチラシが各家庭に配られていきます。

 「坪29.8万円でフル装備!」
 「次世代省エネ基準を超える、高性能住宅が地域限定でこの価格!」

 住宅は、広告通りのものが出来上がらなくても、誰にも分かりません。
 消費者をキャッチすることが最優先に求められているのです。
 住所・電話番号さえ聞き出せれば、役目は終わりです。

 そんなチラシやパンフレットが、毎日のように配られているのです。(>_<)

 ⇒ 次回に続く


     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
        ▼今週のワンポイント・アドバイス
     ┗□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┛


 新聞に、大手ハウスメーカーの全面広告がありました。
 日本を代表する、林業の会社です。

 キャッチコピーは、

  ▼「松を極めた○○林業の家、誕生。」
     〜スーパーナチュラル パイン 全国限定300棟〜

   「時とともに深みを増す、柾目の美しさ、無垢の手ざわり」


 なかなか、いいコピーだと思いませんか?

 一体、どこの山で取れた松を使っているのか・・・
 気になるところですよね。

 広告のコピーは続きます。

  「床は、世界でも貴重な銘木のひとつ、ラオス松の無垢柾目を贅沢に。」
                    ~~~~~~~~~~~
  「建具や造作には木目の美しい欧州赤松を採用しました。」
                ~~~~~~~~~~

 これが「松を極めた!?」日本を代表する林業の会社の出した答えです。
    ~~~~~~~~~~~~~~

 環境破壊が叫ばれ、日本の林業の再生のため、
 地元の山の木を使おうという運動さえ盛り上がっている時代です。(-_-;)

 他社と差別化するための広告テクニック以外に、
 この材料を使う必然性や合理性が考えられますか・・・?
 こんなことは、この会社に限ったことではありません。

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

 1.消費者は、チラシで価格や企業イメージを判断している。

 2.広告主は、顧客名簿を集めるためにチラシをつくっている。
   (正直に伝えることより、誇張しても売上が上がれば・・・)

 3.ウソはつけないので、大事なことは本当に小さく書いてある。
   (消費者契約法や特定商取引法などが厳しくなっている)

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆


■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/bn/vol15.htm

  ↑分譲チラシにご用心!〜あやしい不動産広告の見分け方〜
   ※過去のバックナンバーに参考情報を載せています。
   (建築条件付きなどの場合、本当に注意して下さいネ!)


【 編|集|後|記 】

 私が、前職のコンサルタント会社の退職直前、
 最後の顧客として対応していたのが、新潟県十日町市の工務店です。

 ちょうど4年前の今頃、
 越後湯沢の駅に降り立ち、六日町を経由して、十日町市に入りました。

 街並みや家々を見ていると、何か風景が違います。
 西日本では見たことのないような家ばかりです。関東にもないでしょう。

 基礎の高さが1メートル以上あり、
 窓の周辺にも変わった錺フックが縦に並んでいます。

 聞けば、フックに板を渡して、雪の重みでガラスが割れるのを防ぐのです。
 屋根に雪止めはなく、雪は早く落とすという考え方です。
 豪雪地帯なので、家づくりが全く違うのです。

 モデルハウス建築の打合せで、一級建築士と打合せをしました。

 「この屋根の納まりだと、小屋裏は結露でつららが下がるなぁ〜」

 次世代省エネ基準や公庫仕様等、この地域では絵に描いた餅のようです。
 だから、この地域の確認申請で2割近いシェアを上げていたこの工務店は、
 Sハウスも、Dハウスも、Mホームも寄せ付けない地域一番の会社でした。

 とっても人間味のある社長やスタッフの顔が浮かびます。
 新潟中越地震で、大変な状況であることは間違いないでしょう。
 地域には地域のことを熟知した建築会社を私はお勧めします。

 震災の後、「やっぱりプレハブは強かった!」と
 被災者の神経を逆なでする広告だけは打たないで欲しいと願います。

 ではまた、来週♪

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 ◇ 次回予告
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           ▼ エコロジーの勧め ▼
 
          〜本当のエコロジーな生活とは〜

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