<第52号> 景観や街並みを考えよう
2005.03.22

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.052━2005.03.22━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第52号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,589部》

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  ⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
   気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
 ・景観や街並みを考えよう
 ・今週のお勧めBooks
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 先週の臨時増刊号でもお知らせしましたが、今週末、セミナーを予定して
 います。私が代表を務める『住まいのキホン研究会』のメンバーで、デュ
 ーデリジェンスというサービスを手掛ける不動産コンサルタントの東さん
 がメインの講師です。

 彼はCFP(ファイナンシャルプランナーの国際資格)も持ち、今回私が
 相談を受けたお客様の土地取引と住宅ローンの手続きに、力を発揮してく
 れました。市街化調整区域で家を建てるという難問に応えてくれたのです。

 さまざまな難問を解決し、私とのコラボレーションで無事着工にこぎつけ
 ました。その経緯は『ブログ』でも発信していますので、ご覧ください。

  ⇒ http://blog.livedoor.jp/cms_hiroshima/

 私もセミナーの最後に、最近の事例を紹介させていただく予定です。
 (ラジオ出演も重なっており、残念ながら途中退席しますが・・・)

 ■詳しくはこちらをご覧下さい
 ⇒ http://www.sumainokihon.com/

 では、今週も最後までお付合いください。

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 ▼景観や街並みを考えよう  〜サスティナブルハウジングとは?〜
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 家を建てる場合に、「単体規定」と「集団規定」というものがあります。
 「単体規定」とは、個々の建物の安全性や耐火性などについて定めている
 ものですが、周辺の環境に影響を与えるような、建物の用途・容積率・斜
 線制限などは「集団規定」で定められています。

 都市化の進む地域で、好き勝手に建物を建ててしまうと、
 これまでそこに住んでいた人たちに悪影響を与え、資産価値を低下させる
 可能性もあるでしょう。

 だからこそ秩序ある都市形成のためにこの「規定」が定められています。
 社会通念上許容しがたいレベルの最低限の決め事で、これを守ることで、
 街並みを美しくし、資産価値を上げるというものではありません。

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          街並みが壊れる!?
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 日本全国に、小京都や宿場町が存在しています。
 多くが白壁に瓦の屋根が続き、街並みが連続していました。

 しかし、現在は一部の「街並み保存地域」を除いて、
 日本らしい街並みというのはなかなかお目にかかれません。

 日本人のDNAで、「心のふるさと」を思い浮かべたとき、
 どのような街並みや風景、住まいが思い浮かぶでしょうか・・・?


 きっと、その街並みが日本人としてもっとも心が落ち着く、
 将来にわたって飽きのこない風景ではないでしょうか?

 しかし、現実として日本の家屋は、すきま風で冬寒く、部屋の中は昼間で
 もなお暗く、火災にも弱いという宿命を負ってきました。

         ▽ ▼ ▽ 

 戦争で日本中が焼け野原となり、終戦直後はおよそ400万戸の
 住宅が不足していたといわれています。

 とにかく雨露がしのげる家を供給するため、
 街並みよりも「量」を供給することに力点がおかれました。

 そのため、大量生産やリサイクルが可能な構造材として、鉄骨による住宅が
 注目され、昭和三十年代からプレハブメーカーが台頭してきます。

 当初は、屋根にかわらも載らないような住宅だったので、
 木造住宅が建ち並ぶ街並みの中で、異様な風景を作り出しました。。
 フラットな陸屋根や2寸勾配の瓦捧葺き、カラーベストの屋根などです。

 しかし、郊外に新しい団地が開発され、全く新しい街並みが形成されました。
 プレハブや和風住宅、輸入住宅など、それぞれが個性を発揮しているものの、
 全体のまとまりがなく街並みは無個性で、ありふれた団地となったのです。

 こうなってくると、日本中の街並みはそれぞれ自分勝手な住宅が
 「自分の土地に自分たちのお金で建てるのだから文句ないでしょう?」
 と、様々な外観、色、大きさで次々建てられていきます。

 日本の風景はどこにいっても同じになってしまうのでしょうか・・・?

 例えば、この街並みをご覧下さい。

 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/saijou.htm

 この街並みは、広島から東京や大阪に向かう新幹線に乗ると、
 10分くらいで目に飛び込んでくる風景です。

 私は、こんな田園風景に、ハウスメーカーの家はおろか、
 建築家が設計した現代的な家、先鋭的な家もそぐわないだろうと考えます。
 なぜなら街並みに溶け込めず、むしろ風景を壊してしまうからです。

 私は以前から出張やプライベートな旅で日本全国をまわりました。

 四国だけを見ても、徳島の『うだつ』のある街並みや、讃岐地方に点在する
 まるで神社と見間違うような大きな入母屋の民家、松山の斎院町周辺の農家
 に特徴的に見られる納屋と一体化した門構え、高知にしか見られない独特な
 屋根の仕舞いなど、その地方独特な風景が、旅の楽しさを倍化させます。

 住宅とは、個人の家というだけでなく、
 その地域の風景や歴史まで育んでいる存在なのです。


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         サスティナブルハウス
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 いきなり、横文字の登場ですが、
 サスティナブルとは「持続可能な」という意味で使われています。

 日本の住宅の耐用年数は26年といわれており、
 これまでは『スクラップ&ビルド』が繰り返されてきました。

 「限られた資源を有効に利用し、持続可能な社会をつくっていこう」
 「リサイクル可能で、廃棄しても土に還る素材を使って住宅を建てよう」
 というのが、サスティナブルハウスの原点です。

 しかし、このようなエコロジー的な観点だけでなく、エコノミー(経済)的
 な観点からも持続可能で、街の歴史や風景も後世につなげていければ・・・


 西欧では、「様式美」というものを重視した街づくりが行われています。
 30年後も陳腐化しない、伝統様式のデザインを取り入れ、
 そこに住む人たちが街並みの美しさを維持するためにルールをつくります。

 例えば、ニューヨークのエンパイヤーステートビルは、
 アールデコの建築様式を取り入れ、築後70年以上経った今でも、
 陳腐化しない建物として存在感があります。
 (知名度は落ちますが、クライスラービルもいいですね)

 日本のビルで半分の35年以上経たビルはどうでしょうか。
 例えば霞ヶ関ビルなどです・・・

 恐らく、明治や大正時代に「建築様式」で建てられた、洋館の建物以外、
 今でも価値ある建物として「保存したい建築物」となり得るでしょうか。
 数奇屋など、和の伝統の建物は別として・・・


 イギリスの郊外などでは田園都市が広がります。
 住民共通の目的は、街並み全体の資産価値を上げることで、
 「住宅」という個人の資産価値も同時に高めることです。

 部屋の中を飾り立てるよりもむしろ、統一感ある街並みをつくるために
 窓まわりに花を飾るなど、外観を意識した演出をしていきます。

 住民が犯罪のない街づくりに積極的に取り組むのも、
 資産価値を落とさないことが大きなインセンティブになっているのでしょう。

 日本では、自然素材やエコロジー建材は割高で、
 しかも、入居した時点から資産価値が下落していくような家づくりが
 この数十年続けられています。(-_-;)

 日本の住宅の耐用年数が短いのは、物理的な耐用年数ではなく
 次の世代にも魅力に感じる、愛着の湧く住宅が少ないためと考えられます。

 「100年住宅」というのは、「100年後も住みたい」様式美と
 耐久性能、そしてしっかりとしたメンテナンスがあって初めて実現します。

 形や性能だけ、『南欧風』とか『北欧風』といった家を真似るよりも、
 街づくりの思想や経済的にも持続可能な社会の実現を学びたいものです。

 我々には本来、それだけの歴史と文化があると思いませんか・・・? 

 ⇒ 次回に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●アメリカの注文住宅が分かる本 
  サスティナブルハウス1000開発研究委員会   [本の泉社]

 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4880238279/cmshiroshima-22/250-5746502-7798649

 ↑NPO法人 住宅生産性研究会の監修。プロにお勧めしたい一冊。
  米国の住宅がなぜ資産価値が高く、建設コストが安いのか、サスティナブル
  ハウスの考え方、実例が数多く掲載されています。

  日本の文化、気候風土に合わせたこのような本がもっと欲しいところです。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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   ↓  ↓  ↓
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆

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          ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 日本の住宅は「資産」ではなく、「耐久消費財」になってきています。
 だから、住宅を建てるのに消費税を払わなければなりません。 (-_-;)
 (土地には消費税はありませんから。)

 多くは流行のデザインを追い求め、数年経つと陳腐化していきます。
 自動車や家電と同様に、買い替えを促進するためにモデルチェンジを
 繰り返していきます。そして消費者の購買意欲を刺激するのです。

 しかし、住宅にそのようなモデルチェンジが必要なのでしょうか?
 住宅設備機器も常に新しい製品が出てきます。
 廃棄するときには大量のゴミも発生し、社会問題化しています。

 例え、著名な建築家が設計した建物でも、
 10年経てば半値以下の値段になってしまうでしょう。

 「デザイナーズハウス」と呼ばれる住宅が30年後も魅力的な家として、
 その時代の生活者に受け入れられるでしょうか?

 むしろデザインは陳腐化し、使い勝手が悪く、傷みも激しければ
 スクラップにするしかないのではないかと、私は思います。
 皆さんはどう感じられますか・・・?

 だから「資産になる家」とは、今の日本では正直言って難しいでしょう。(>_<)
 「資産になる」とは、買ったときよりも高く売れるということなのですから。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 目先のコストの安さや、豪華さではなく、
 本当に資産として市場価値のある住まいがこれからは求められます。
 現実には私もまだ、日本の商業ベースの家づくりしか出来ていませんが・・

 しかし時の流れとともに、熟成された街並みが資産価値を高めていき、
 そして、そこに住んでいる住民も精神的・経済的豊かさを実感できる。
 そんな街並みが日本全国に広がっていけばと思います。

 これまでの「破壊的開発」から美しい街並みを取り戻していくには
 50年単位の時間経過が必要かも知れませんが・・・ (-_-;)

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

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 1.「集団規定」は、住民の住環境を守る最低限のルール

 2.住宅の耐用年数は、寿命ではなく愛着がなくなったときに終わる

 3.将来にわたり陳腐化しない「様式美」と街並みをつくろう!

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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_44.htm

  ↑コラム『アメリカの住宅事情』
   若本が書いたコラムに参考情報が載っています。


【 編|集|後|記 】

 来週、大阪に出張します。
 『CPM』という工程管理手法を使った家づくりを研究してきます。

 これまでの日本の家づくりの概念が変わるかも知れません。(@o@)
 日本の家づくりはまだまだ変わっていかなければなりません。
 楽しみです。
 
 ではまた、再来週♪

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 ◇ 次号予告
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          ▼ 中古住宅購入の注意点 ▼
 
          〜性能表示とインスペクション〜

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【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/

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