<第63号> 分離発注の光と影
2005.08.22

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.063━2005.08.22━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        〜第63号〜
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,893部》

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   気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
 ・分離発注の光と影
 ・今週のお勧めBooks
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。
 先週末、大阪と東京に出張してきました。
 大阪では、土台敷きから1ヶ月の工期で完成している工程管理手法の
 現場視察です。広島でも今後導入していく予定です。

 東京では新しい出会いもありました。
 また私のブログででも紹介して行きます。

 ⇒ http://esumai.livedoor.biz/

 夏休み特別号でお騒がせした話題も、またそのうち続編をお届けします。

 では、今週の本文の始まりです。 

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 ▼分離発注の光と影     〜コストと瑕疵担保責任〜
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 前回のメルマガでCM(コンストラクション・マネジメント)を書きました。
 元請不要で、設計者が分離発注のコーディネートをするという仕組みです。

 「プロの設計者が、元請を外してコストを下げてくれた分、
  高い設計料だったけど、少しばかりの功労金を追加で支払おう・・・!」

 本当に安くていい家が手に入るのであれば、問題ないでしょう。
 しかし、そのCMフィーが本当に妥当なのか・・・?

       ●------------------------
          CMの報酬額
       -------------------------●

 ここは想像でモノを言えないので、書籍からの引用です。
 この方式では著名なグループの代表者が、業界専門紙に寄稿していました。
 『建築知識』(エクスナレッジ社)2002年7月号です。

 ■その1───【業務報酬算定方式】

 設計者の業務を、作業日数と単価で計算し、技術料などを付加したもの

────────────────────────────────
 1.基本設計    23日(人) 金額  977,500円 (明細あり)

 2.実施設計・申請 22日(人) 金額  935,000円 ( 同上 )

 3.施工会社の選定  7日(人) 金額  297,500円 (  〃  )

 4.工事監理・工程の調整(← これがCMフィー)
           50日(人) 金額 2,125,000円 (  〃  )
────────────────────────────────
   合計金額             4,335,000円(消費税別途)

 180平方メートルを想定しているということなので、54坪程度の家です。


 ■その2───【床面積連動方式】

 工事金額や作業時間ではなく、床面積で計算する方式

 《業務報酬料》=150万円+床面積[m2]×2万2千円
         ~~~~~~~~~~
        ↑設計の基本料金(?)   ↑CMフィー

 上記の例で計算すると、1,500,000+(180×22,000)=546万円(税別)


         ▽ ▼ ▽ 

 算定の根拠を明快にして、不透明さをなくしています。
 その部分では、誠実さも感じ、納得も出来るかも知れません。

 しかし設計料が概ね200万円程度と想定すると、
 CMで負担する追加金額が230万円から350万円となるのです。

 分離発注を行なったコストダウン効果が、
 ほとんどCMフィーに化けているような感じがしませんか?


 私は、以前店舗の設計施工の会社にいました。
 積算や分離発注、現場管理も経験しました。

 店舗は、特注のオンパレードです。
 私がやっていた分離発注のことをブログで書いています。

 ⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/25549990.html

 私が見積をしていた頃、見積提出に時間がなく、設計の完成度が低ければ、
 「安全率」を乗せて余裕のある見積金額にしていました。
 あとで「そんなところまで見ていませんでした」と言い訳できないからです。

 店舗工事の発注者(つまり施主)は、ほとんどが素人ではありません。
 個別の単価にも目配りする商売人や店舗開発専門のセクションの人です。
 厳しいチェックで、ごまかしなどは通用しません。

 一般の施主が、CMで専門工事業者に直接見積りを取った時、
 「安全マージン」があれば、元請の上乗せ分がないといっても
 必ずしも安いとは限りません。それを見破るのは容易ではないのです。

 それでも、直接分離発注することが「安くなる」と信じますか?

       ●----------------------
          瑕疵担保責任
       -----------------------●

 瑕疵(かし)は、隠れた欠陥のことを指します。
 2000年に施行された『住宅品質確保促進法』によって、
 施工会社はお引渡し後10年間の保証を求められるようになりました。

 主要構造部や雨漏りなどに対して、無償補修を義務付けたのです。

  ※クロスの剥がれや設備機器の故障などは、別に保証期間があります。


 この保証は、工務店やハウスメーカーなど、元請が責任を負います。
 どの大工が下手な仕事をしたとか、どの業者が悪いとか関係ありません。
 すべて元請の施工会社が直さなければならないのです。

 ところが、施主が分離発注をするとなると、瑕疵は『自己責任』です。
 CMをサポートした設計事務所が補修してくれるわけではありません。
 瑕疵の要因を探し、どの業者に直させるか、施主が特定するのです。

 「瑕疵に応じた保険に入っています!」
 こんな言葉で、システムの紹介を受けるかも知れません。

 しかし、保険料が支払われれば、それでいいのでしょうか?
 最近では、某大手生命保険会社で保険金不払いの問題もありましたが、
 保険で損害額を確定させることは、容易ではないでしょう。

 そして、「免責」というものもあります。
 すべての損害がカバーできるわけではないと考えた方が賢明でしょう。
 例え、保険金が下りてもその間、かなりのストレスが生じるのも必至です。

 そんなリスクを取ってまで、分離発注をしてトータルコストは下がりますか?
 「そのリスクをプロが取る!」それが、元請の存在なのです。

 ⇒ 次回に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

 ●Q&Aで分かる 住宅技術の新常識40

  日経ホームビルダー 建築技術支援協会 著 [日経BP社]

 http://qrl.jp/?271773

 ↑こちらはプロ向けの本。

   「地盤・基礎、断熱・結露、シックハウス対策、
    防音、防火、防犯、バリアフリー・・・

    きちんと顧客に説明できますか?」

  こんな帯のついた書籍です。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆


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          ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 以前、私の知人から「四国でシロアリ駆除の業者知ってる?」と連絡を
 受けました。

 奥さんの実家のお父さんが亡くなり、葬儀のため帰省先からの連絡です。
 家がシロアリにやられていたので、この際直してから帰ろうという話で、
 2〜3日中に手配が可能であればとの相談です。

 幸い、私は四国4県で100社以上の工務店と付き合いがありました。
 すぐに、その地域で良心的と思える工務店社長の携帯に連絡しました。

 数日後、その友人のお礼の電話と、掛かった代金を聞きました。
 大きな屋敷なのでニ十数万円掛かったそうです。
 最初に金額を聞いていたので、そのくらいまでならと頼んだのです。

 しかし・・・

 「ボクがシロアリ駆除に立ち会ったら、半日少々で終わったんだ!
  あの職人さんの手間賃が2万円としても、薬剤の缶が二十万円以上
  するのかなぁ・・・。2〜3日かかるかと思ったのに。」

 私は単に連絡先を紹介しただけだったので、金額は知りませんでした。
 すぐにその工務店社長に確認の電話を入れましたが、
 すでに代金は精算し、本人たちも諦めています。

 私自身、とても申し訳ない気持ちになりました。
 スーパーゼネコン出身の技術者で、とても人の良い社長なのに・・・

 このように、工事の金額は単純化すると「材料代」と「手間賃」です。
 業者の見積金額を鵜呑みにせず、材料の単価、使用数量、
 そして工事に投入する人工を知ることが、コストダウンの秘訣です。

 友人の電話で、改めてその原点を思い知らされました。

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

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 1.建設コストの低減だけでなく、設計料も含めた総額を見よう!

 2.業者が不慣れな仕様であれば「安全マージン」が乗っている!?

 3.瑕疵担保責任は、保険だけではカバーは容易ではない!

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

■参考情報⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/28373736.html

  ↑ブログ『劇的ビフォーアフター』
  (若本が書いたブログに関連知識を載せています)


【 編|集|後|記 】

 今、世間の話題は衆議院選挙です。
 小泉自民党が、郵政民営化反対議員に「刺客」を送り込むというものです。
 ライブドアの堀江社長まで広島(6区)で出馬のようです。

 大義名分は「全国の選挙区に『郵政民営化賛成候補』を立てる!」

 確かに、民営化賛成の候補者が一人もいない選挙区があれば、
 衆議院解散の意味はなさなくなります。

 私も「全国に『住宅CMサービス』の運営候補者を立てる!」
 と叫びたいところです。多くのニーズを肌で感じています。

 しかし、現状では全国から相談が寄せられても、
 メールの助言しか出来ないのがとてももどかしいのです。

 幸い、東京・神奈川から相談のあった方には、
 私の後輩で、信頼できる設計者が実際の相談に応じています。
 でも私の運営する方式ではまだ対応できていません。従来型の方法です。


 これまで、メルマガの次週予告をしてきました。
 しかし徐々に相談が増え、メルマガ発行の時間も効率よく使う必要が出て
 来ました。数多くの相談事例だけでも、役に立つ情報がいっぱいです。

 そこで、次回より予告は取り止め、相談事例などを取り上げながら、
 皆さんに役立つ情報をお送りしていくことにしました。

 取り上げて欲しい話題・ご質問があればお気軽にお送りください。

 メルマガ読者の皆様にとって有益な情報であれば、
 了解なしに掲載させていただくことがあると思います。

 もちろん個人を特定できないよう配慮させていただきますので、
 宜しくご協力ください。

 ではまた、再来週♪

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●このメルマガでは、
 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。

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 【筆者プロフィール】
 地方私立大学の建築学科を卒業後、店舗・インテリアの施工管理に従事。
 分離発注なども数多く手掛け、企画・マーケティング部門に異動。
 アメリカのトレンド情報誌、海外デザイナーのプロデュース等も手掛け
 Jターン転職で東京から広島へ。住宅リフォームのFCチェーンの地域
 本部にて加盟工務店の指導をしながら、中小企業診断士の資格を取得。
 住宅専門のコンサルティング会社で、数多くの住宅会社、工務店、工法
 に接し、消費者不在の住宅業界の慣習を変革しようと奮闘中!

●発行者の詳しいプロフィールはこちら
  ↓  ↓  ↓
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【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/

 ▼ ブログも発信中です!!『住まいづくりコンシェルジェ出動!』
   http://esumai.livedoor.biz/

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