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土地・業者選びのポイント

2018.2.10 Vol.15_No.9

気になる土地は切土なのか盛土なのか?

平地が少ない広島市では、人口増加に伴い山を削って団地にしているところが多数あります。安佐南区伴南、佐伯区石内北の西風新都内に拡がる団地「セントラルシティこころ」や石内バイパス沿いの団地「グリーンフォートそらの」は代表的な新しい戸建て分譲地になりますね。

 

新興団地なのでまっさらな土地に新しく家を建てることにワクワクするでしょう。

しかし、同じような価格にもかかわらずその土地が切土か盛土によって、地盤の強度や将来の不安は大きく変わってきます。

 

切土?盛土?って初めて聞かれた言葉と思われますが、土地選びには重要なポイントになります。

 

切土とは、傾斜のある土地を平らな土地にするために、斜面の高いほうを削り取ることです。また盛土とは、傾斜のある土地を平らな土地にするために、高いほうの土を低いほうに移して埋めることです。

 

大規模造成の盛土の説明である。

 

切土は元々安定した地山を削って平らにします。よって、平地になって残っている土は何もいじっていない土なので強度は当初の安定したままです。ですが、盛土は元々ある土に上から新しく土をかぶせるので、圧をかけて固めても元々ある土の強さよりも劣ります。

例えば、地面を初めて掘る場合は固くて手間がかかりますが、一度掘った場所は何度固めてもたやすく掘り返せます。一度手が加わると、土の密度は緩み強度は一気に弱まります。

 

地盤の強度が弱い盛土の場合は、家を建てる時に地盤の強度を補強するか、基礎部分を深くしたりと建築コストが余分にかかります。

 

地盤の強度を調べるのが、地盤調査です。

地盤調査をするポイントは、建物の荷重のかかる四隅と中心部分になります。よって、建物のプランが決まって、初めて地盤調査をするべきポイントが分かります。

 

赤い印は地盤調査するポイントである。

地盤調査した後である。赤い印に穴があいている。

地盤が弱いと、建物の荷重に耐えきれずに基礎が沈んでしまったり、擁壁が段々崩れていきます。建てたばかりの時は気づかないのですが、年月の経過でいつの間にか傾くケースも少なくありません。

普段は気づかないのですが、地震などの災害が起きると倒壊や液状化など被害が増大する傾向にあります。

東日本大震災の際に、コマーシャルでは耐震や強い家を謳っている大手ハウスメーカーで建てた建物が液状化の被害に遭いました。同じ区域に建っている他の家は問題ありませんでした。調査の結果は、地盤が弱いと判断されているにもかかわらず、地盤補強などをすることなく建築したとのことでした。

50年先も安心して暮らす家を提供すべきハウスメーカーが見えていない部分で手を抜いていました。高額の建築費用にもかかわらず最低限のこともしていないことが、震災で発覚したのです。

 

私もこの業界に入るまでは、地盤の強度のことや切土、盛土について知りませんでした。地盤調査をしているということで、それが的を得た調査なのかどうかも分からずに専門家が保証しているなら大丈夫だろうと安心していたでしょう。まして、家を建てる専門のプロが家が倒壊するかもしれない恐れを残したまま、家を建てて売っていることにビックリしました。

 

広島市内の場合は、高低差のある高台で宅地造成された団地だけではなく、平地でも埋立地が多く造成地の可能性があります。

 

国土交通省ハザードマップポータルサイトでは、土砂災害区域や津波、洪水の浸水想定区域だけではなく、防災情報や昔の地図、大規模盛土造成地マップも提供しています。

 

https://disaportal.gsi.go.jp/index.html

 

気になる土地が見つかった時は、どんな土地なのか調べることは重要です。もちろん私たちプロ側も調べますが、プロが言う言葉だけを鵜呑みにするのではなく大きな買い物なので自分たちでも調べて土地について知ることをおススメします。

地盤調査をするための機械である。
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