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地元工務店・建設会社による競争見積事例

以下は2003年に広島市東区で実際に行った『部位別見積書』による競争入札結果です。
住宅CMサービス広島が作成した「同一プラン」と「同一書式の積算資料」を利用し、共通のフォーマットで提出。
建築知識のない個人が、複数の工務店に見積を頼んでも、このような比較しやすい形の集計は不可能でしょう。
さらに、下記の集計表だけでなく、部位別(外壁・断熱/防水等)に仕様と性能、金額の比較表を作成します。

工事グループ内訳書

工事グループ内訳書

見積書の解説

同じ間取り、共通の見積書書式ながら、各社の特色を生かした提案をもとに見積書を提出してもらいます。

A社は、自社の得意とする「2×4工法」の提案。屋外給排水工事などは、本体工事に含まれているため「付帯設備工事」はゼロ。外構工事などの「付帯工事」は別途です。「2×4」の耐震性と気密性、基礎断熱とペアガラスの採用で、基本性能は押さえたうえで、コストを抑えた分、オプションとして「外断熱」も別見積で提示しました。

B社は、構造躯体に特長を出しました。土台に樹齢百年ものの目の詰まった「豪州ヒノキ」の4寸角を採用。 二階の梁も通常の2倍のピッチで小梁を配して、木材の材積は通常の在来工法の1.5倍です。グループで共同仕入れをしているので、建材の仕入れ価格が安く収まるのもメリットです。

C社は、大工からスタートした社長が15億規模までした会社。専属で「手刻み」ができる大工4組を抱えていることが自慢で、プレカットを使わない昔ながらの「手加工」の在来軸組み工法の提案です。住宅設備機器はもう少し廉価なものでも、構造体に関しては譲れない、一本筋の通った見積でした。

D社は、断熱性能を重視して自然素材の「セルロースファイバー断熱材」や開口部に樹脂のペアサッシを提案したため、[6]の開口部・建具工事や[7]のその他工事が突出しています。事前に予算を伝えていないため、価格の競争ではなく、性能や自社の得意工法での差別化提案です。

見積書には、「金額」だけでなく、各社の「家づくりに対する姿勢」もうかがえます。どのような性能を特長としているのか、どこが他社と違うのか、各社の経験が「仕様書」に反映します。

弊社の「競争入札」は、価格競争を目的としているのではなく、価格はあくまでひとつの判断材料としています。各社の家づくり思想が反映している「見積書」と「仕様書」を比較することで、施主のパートナー選びの第一段階がようやくスタートです。

家は「人がつくる」ものです。

決して価格だけでは判断できません。価格も、性能も、施工企業も「比較できる判断材料」を提供することが「競争入札」の目的です。

平均入札坪単価の推移

平均入札坪単価の推移

注文住宅の建築は、立地条件(敷地形状や地盤強度、上下水道等のインフラの整備状況、用途地域や耐火基準等の各種規制)および施主の意向(照明器具やエアコン・アンテナ、カーテン等の付帯設備工事)等によって、総額は大きく異なります。 上記は立地条件や施主の意向に大きな影響を受けない『建築本体工事』に関して、入札された見積の平均価格を集計、その金額を2005年当時と比較することで、弊社サービス利用者の「建築費の推移」を把握してみました。

坪45万円程度で注文住宅が可能だった2005年当時と、耐震偽装が発覚し基準法が厳格化、三階建て住宅の確認申請が数か月ストップした2007年や、長期優良住宅の制度化により、耐震等級や省エネ性能のUP、構造計算資料の添付など、コストアップ要因が増え始めた2009年など、木造建築価格の推移がよく分かります。あくまで「入札価格の平均」なので、実際の発注価格とは異なります。