2004.4.05 第13号
住宅ローンに泣く人 ~ローン地獄に陥らないために~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.013━2004.04.05━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第13号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
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現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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こんにちは。発行者の若本修治です。
さぁ、では今週の本文の始まりです。
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▼住宅ローンで泣く人 ~ローン地獄に陥らないために~
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以前、編集後記で『劇的ビフォーアフター』の話を書きました。
「多分、あの施主は数ヵ月後に後悔するよ・・・」
意味深ですね~(^_-)<☆
多くの読者は、メンテナンスや光熱費の問題、
あるいは、施工技術の問題と思われたかもしれませんね。
確かに、そのような懸念を感じる事例もないとはいいません。
しかし、リフォームをしたことで、
経済的に追い込まれるような事態になったら・・・
せっかくの真新しい空間も、虚しいだけです。
私が番組を見ていて懸念を感じたのは、
1階に食堂のある店舗併用住宅のリフォームでした。
厨房の前にカウンター席が設けられた小さな洋食のレストランです。
悩みは、1階店舗奥の居住スペースが狭く、
床にも大きな段差があるため、
足の悪いお母さんには、大変障害になって何とかしたいとの希望。
「●●家の用意できる予算は○○万円!」
というものです。
さっそうと匠が登場し、工事が進んでいきます。
お引渡しでは、匠のアイディアやデザイン力に施主も大喜び!
それ自体はやはりテレビに出しても遜色のないものでした。
しかし・・・
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店のお客が激減?
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以下は、実際にその後を見たわけではないのでフィクションです。
(現実は違っていることを願いたいです・・・)
もし、リフォームをしたことでレストランの売上が落ちたらどうでしょう?
番組を見て、すぐその懸念を感じたのです。
あの客席のレイアウトと、これまでの客層を勘案したら・・・
建築家である『匠』は問題を解決し、すばらしい空間は提供しました。
売上が落ちたとしたら、経営努力が足りなかったのかも知れません。
しかし、家族がしあわせに暮らせるか?といえば
収入が確保できてこそ、しあわせを感じることが可能でしょう。
私は以前、店舗の設計・施工に携わっていました。
『商環境設計家協会』というデザイナー組織の正会員でもありました。
そこで、店舗はデザインだけでなく、「経営」こそが大切だと学びました。
商店の経営者は大変シビアなのです。店は集客のための装置であり、機能的
に働ける仕事場であり、「デザイン」よりも「儲かる」ことが評価なのです。
ですから、建築の資格よりも先に、経営のアドバイスが出来る
『中小企業診断士』という資格を取ったのです。
▽ ▼ ▽
店舗の経営は、単純化すると「客単価×客数」で売上が決まります。
飲食店では、客席数と滞在時間、そして料理の価格帯です。
その指標の一つが「客席回転率」というものです。
例えば『ドトールコーヒー』などでイメージしてみましょうか。
・
・
・
(イメージできましたか?)
コーヒー1杯180円程度です。
お客さんが何人も入れ替ってもらわなければ商売は成り立ちません。
つまり、滞在時間が短く、居心地を悪くしなければならないのです。
それが、ハイカウンターや立ち飲み用のテーブルです。
団体で長時間おしゃべりできるようなスペースは用意されていません。
『劇的ビフォーアフター』で匠が手掛けた先の物件は、
リフォーム前に、10席程度のカウンター席がありました。
ランチタイムには、恐らく1人か少人数で食事をしていたと考えられます。
「大将!ちょっと店狭くなったんじゃない?」
『安~心は○○○♪・・・』
・・・くらいの状態が、繁盛し儲かっているのです。
(どこかのコマーシャルにありましたネ)
しかし、カウンター席がなくなり、
店内が4人掛け、6人掛けのゆったりとしたテーブルだけになったら・・・
恐らく客席回転率は落ちていくと考えられます。
相席が増え、従来からのお客さんは居心地が悪く、
足が遠のいてしまうかもしれませんね。
家族的な雰囲気で親しまれていた街角のレストランが
『セレブ』な奥様方を相手にするようなオシャレな店になっても、
中身が変わっていなければ長くは続きません。
まるで、Webデザイナーに任せてかっこいいサイトを作ったのに、
全く売上につながらないホームページのようです・・・
(私も失敗しました!!) (-_-メ)
でも、どうして「●●家の用意できる予算は○○万円」といえば
判を押したように、予算目いっぱいに収まるのでしょう?
まるで、公共事業の談合情報に寄せられる「落札率98%」のように・・・
『匠』を含めて、建築業界の体質が垣間見れます。
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住宅ローンに泣く人
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少し住宅ローンとは関連のない話題から始まりました。(^_^;)
ローンだけであれば、ファイナンシャルプランナーのメルマガでも
詳しく解説があるので、切り口を変えてみました。
「予算内に収まる!」
「素敵な空間が出来た!」
「他と比べて高性能な住宅です!」
設計者や施工者はこれだけで十分役割を果たしています。
でも、リフォーム代金を現金で払っても、
その後の生活を考えた計画を立てなければ将来も明るいとはいえません。
まして、30年や35年の住宅ローンを組んだら・・・
今の決断が、老後まで大きな影響を及ぼすのです。
そのとき、設計者も施工者も、誰が責任を取ってくれるでしょうか!
家づくりは「自己責任」の事業と考えましょう!!!
では、少し住宅ローンの話を・・・
いま手元に、分譲住宅のチラシがあります。
「頭金0円/月々7万円台/ボーナス払い0円」
「銀行ローン2,580万円(年利1.4%・3年固定変動・35年返済)」
そして、小さな、本当に小さな文字で
※上記支払い例は云々・・・
4年目以降金利が変動となり支払額が異なります。
と書かれてあります。
将来の住宅ローン破産の「種」がこのようなところに蒔かれているのです。
あぁ~、もう行数がなくなったぁ~・・・
⇒次週に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●資産になる家・負債になる家 南雄三 編著 [建築技術]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4767700957/cmshiroshima-22
↑高気密・高断熱住宅の分野では第一人者の南雄三さん。
タイトルは少し「うさん臭い?」かも知れないが、内容は硬派で深い!
住宅業界で元気な論客6人が、日本の住宅業界を切っています。
実はこの本、楽天日記で知ったChika♪さん(一級建築士)のお勧め本。
三重でEハウジング倶楽部というサイトを運営されています。
http://www.e-housing.jp/ (勝手に紹介です!)
●「図解」借りた金は返すな! 八木宏之×吉田猫次郎 共著[アスコム]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776200937/cmshiroshima-22
↑住宅には直接関係ないのですが、住宅ローンの支払いに窮したら・・・
広島商工会議所で開催された吉田猫次郎さんのセミナーは
追い詰められ、金融機関、ヤミ金との壮絶な戦いの凄さを乗り越えた人
だけが知る、ホンモノのノウハウを感じました。
決して「他から借りてまで、律儀に返さなくてもよい」から自殺をするな!
著者の強いメッセージを感じます。
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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●「地震は人を殺さない。人を殺すのは構造物だ」
というショッキングな声が読者から届きました。
名古屋で公共工事の耐震補強を手掛けられている方の現場からの声です。
公共工事の古い建物のずさんさを見るにつけ
チェックが十分でない、民間、しかも個人の住宅が
どれほどひどい状況か想像に難くないというご意見です。
●阪神淡路の大震災でも、
建物が倒壊し、ローンだけ残ったという方はたくさんいました。
だから、ハードとしての建物の品質が重要なのはいうまでもありません。
自分たちの要望を満たし、
しかも、構造的にも強固で資産価値の高い家。
皆さんそんな家を求めます。
●しかし、どんなにすばらしいデザインで、
しっかりした家を造ってもらったとしても・・・
将来手放すようになっては、本末転倒です。
他の商品であれば、多少高額でも買い換えることが可能です。
人生を左右するほどの大きな打撃を受けることはあまりありません。
でも、住宅購入の失敗は大きな痛手となります。
だから「建築物」以外の視点も重要です。
●それは、将来のお金の「出」と「入り」を考えることです。
これから「入り」を増やすことは容易ではありません。
給与も土地も数年連続で下落しているのですから・・・
「ローン自体が人を苦しめるわけではない!
収入と支出のバランスが取れない投資(購入)をさせるから
後で行き詰まりのリスクが高くなるのです」
気をつけましょう!
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_49.htm
↑コラム『エンジニアとアーティスト』
(ちょっと辛口ですが、「建築家」のことを書いています)
【 編|集|後|記 】
全国の読者から、「私の住んでいるエリアで若本さんのようなサービスを
ご存じないでしょうか?」という質問が届きます。
個別には、私の知っている範囲でお答えしています。
そこで気づいたことは、
意外と全国に私自身が知っている人たちがいるということ。
それは、昔の同僚であったり、仲間であったり・・・
工務店も直接指導したのは200社あまりですが、
知っているという程度であれば、ゆうに500社を超えます。
北海道から、北陸、九州は鹿児島まで、ほぼ全国を網羅しています。
でも、直接サポートできるわけではないので、
今回は大阪の知人がやっているサービスを紹介しておきます。
(本人たちはこの紹介を知りません)
関西地区でお困りの方は、こちらに↓
●Think net(ワークス・ワン)
http://www.works-one.com/
代表の大賀さんは、アイディアと志にあふれた建築士です。
設計コンペや分離発注など、独自の発想で新しい仕組みづくりに
チャレンジしています。
(若本から紹介を受けたとお伝えくださいネ)
その他のエリアの方は、まず私のビデオでご研究ください! (^_-)<☆
■若本修治のビデオセミナー『住宅のコストを下げる8つのポイント』
↓ ↓ ↓
http://www.cms-hiroshima.com/video_mailmag.htm
では、また来週♪
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◇ 次週予告
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▼ 住宅ローン攻略法 ▼
~固定金利と変動金利どっちを選ぶ?~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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