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家づくりで泣く人・笑う人

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2004.7.26 第28号

購入者で出来る建築検査のポイント   ~大工棟梁の助言から~ 

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.028━2004.07.26━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
     ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 
                        ~第28号~
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,284部》

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 【もくじ】
 ・購入者で出来る建築検査のポイント
 ・お勧めBOOKS
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
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 こんにちは。発行者の若本です。

 ようやく全国で梅雨が明けました。
 これからますます暑くなっていきます。

 太陽が照りつける中、外に置いておくとすぐ熱くなるもの、
 なかなか熱くならないもの、熱くなると冷めにくいもの・・・。

 たぶん皆さんいくつか頭に浮かぶと思います。
 しかし、自分の家となると、想像がつかなくなってしまいます。(-_-;)

 石は、いちど温めるとなかなか冷めない典型的な物質ですね。
 西日が照りつける外壁に、石に近い材料を使ったら・・・

 例えばコンクリートなどもそうでしょう!

 太陽が沈んで、3時間経っても5時間経ってもなかなか冷めてくれません。
 断熱材を厚くしてコストをかけるか、エアコンで光熱費をかける・・・!?
 皆さんはそうされているかも知れません。

 でもどうせなら、違う素材を選ぶか、
 素材が熱くならないようにしたほうが効果的だと思いませんか?

 昔の『打ち水』や『すだれ』などは、そんな役目を果たしていました。
 日射を防ぎ、気化熱で涼しくしていたのです。

 今は、『外断熱』でしょうか・・・?
 性能や数値に目を奪われすぎないことも大切かも知れません。

 では、今週も最後までお付き合いください。

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   ▼購入者で出来る建築検査のポイント ~大工棟梁の助言~
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 少し前、『アルマゲドン』という映画がありました。
 地球に近づいてくる小惑星。
 このまま地球に激突すれば、6000万年前の恐竜絶滅と同じ
 地球の生物は絶滅の危機に瀕します。

 全人類の希望を背負って宇宙に飛び立ったのは
 石油掘削のプロフェッショナルたち・・・

 ブルース・ウィルス主演で話題になった映画です。
 ご覧になった方も多いかもしれません。

 この映画の中の、ロケットで飛び立つシーンです。

 「ハリー、この下には1800トンの燃料と核爆弾、
  誰が作ったか分からない27万個の部品・・・
  パッとしないな。」

 自称天才で奇人の地質学者がつぶやきます。

 今日、自動車でもリコール問題が大きく取り上げられています。
 誰が作ったか分からない部品と燃料。

 自動車まで突然火を噴く事態には驚いています。
 でも注文住宅はその気になれば施主が造っている過程をチェックできます。
 業者任せにせず、最低限のチェックはしたいところですネ。

 今回は、大工棟梁の話などから消費者でも出来るポイントをまとめました。

       ●———————-
          大切な基礎工事
       ———————–●

 食品や農産物の産地偽造などが相次いでいます。
 残念ながら、シックハウス症候群に関しては、
 消費者は業者を信じるしかありません。

 ☆☆☆☆(フォースター)と呼ばれる基準を
 クリアした材料を使っているということは確認できても、
 発症しないという保証はありません。

 しかし、基礎や構造については工事中に自分の目で確かめることができます。
 基礎、棟上げ前後、断熱材の施工時くらいは現場に足を運びましょう。

 まずは、基礎を打つ前の地盤の状態から確認です。
 日照が続き、表面がカチカチになっているからといって安心できません。
 「こんなに固いのだったら、大丈夫だろう・・・」

 でも表面が固いフランスパンを思い浮かべて下さい。
 これを牛乳に浸すと柔らかくなってしまいます。
 地面もこれと同様です。

 地耐力検査はもちろんのこと、
 基礎を埋め込むための穴を掘った(「根切り」といいます)後、
 こぶしより少し大きめな石と砂利を敷き(「割り栗地業」といいます)、
 ランマーと呼ばれる機械などで何度も突き固めているか確認しましょう。

 基礎の型枠を設置する前、まだ地表面が出ている段階で、
 飛び跳ねてみて、地盤の固さを実感してみるのです。
 この段階で、柔らかく沈むようだったら、
 不同沈下(ふとうちんか)を起こす可能性があります。

 基礎の鉄筋や型枠もグラグラしているようではやり直しです。
 鉄筋にコンクリートが付着しているのもダメです。
 これは、一般消費者でもすぐ確認できることです。

 「監督さん、このコンクリートのスランプはどのくらい?」

 コンクリートの固さを確認する専門用語も
 監督にぶつけてみると、きちんと監理されているかどうかも分かります。

 コンクリートが固まった後では、何も確認できません。
 せいぜい探知機で鉄筋の有無が確認できるくらいでしょう。 (-_-;)

       ●———————-
         力の伝わりを考える
       ———————–●

 柱や梁などの構造材は、力の伝わりを考えましょう。
 骨組みが見えてきたら、さまざまな荷重がかかったとき
 材料がどのように変形するか、自分なりに考えてみます。

 (以下、木造軸組を想定していますが、各構造で応用して下さい)

▼まずは、家具や人間、建物の自重など上からの荷重です。

 窓周りの開口部だけでなく、水平方向の材料(梁や桁、胴差しなど)が
 頼りなさそうな材料でないか、写真を撮っておきましょう。

▼次に、地震や風などの横からの荷重です。

 筋交いや火打ちといった斜めの材料か、構造用合板で
 横からの力に耐えられるか、建物を一周してみます。
 材料の割れや、釘の打ち忘れなども、見れば分かるでしょう。

▼忘れてはならないのが、意外にも家を押し上げる力があることです。

 何十トンもある建物を浮かせる荷重もあるのです。
 そのために、アンカーボルトやホールダウン金物といった
 基礎と建物を繋ぐ太いボルトが重要となっています。

 土台は一本の木で全て回せないので、必ず継ぎ手が出てきます。
 継ぎ手の位置とアンカーボルトの位置などが、大きな荷重が掛かっても
 浮いたり割れたりする可能性がないか、チェックして回ります。

         ▽ ▼ ▽ 

 不安があれば、必ず写真を撮って専門家に相談してみましょう。
 専門知識がなくても、そこに一気に力が加わることを想像すれば
 弱そうなところは分かると思います。

 別の工事現場で、散歩のフリをして聞いてみるのも良いかもしれません。
 自分の家の現場を良く見ておくと、他人の現場との違いも見えてくるのです。

  ⇒次週に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●「外断熱」が危ない       西方里見 著  [エクスナレッジ]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4767802555/cmshiroshima-22

 ↑建築技術者専門の出版社、エクスナレッジが出した『住宅が危ない』
  シリーズの第3弾!

  『いい家が欲しい』で本当に『いい家』が建つのか・・・?

  長年、高気密高断熱の住宅を手掛けてきた設計者が、外断熱ブームに
  警鐘を鳴らしています。外断熱自体の危険性というよりも、一方的な
  特定工法の賞賛に対する技術者の反論です。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
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 私もよく利用しています!! (^_-)<☆

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          ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 「私たちは素人だから・・・」
 そうやって他人任せにしていていいのでしょうか?

 自分が購入するもので、数少ない『製造過程』を確認できるもの
 それが、注文住宅です。しかも半端じゃなく高い!!

 ボンヤリ眺めていたのでは気づかないことが、
 目的意識を持って、ひとつひとつ確認していくと、
 「これって、大丈夫なの?」と疑問が湧いてくるのです。

 人間には、正確なセンサーがついています。
 水平や垂直も、機械やビー球に頼らなくてもある程度気づきます。
 「何か、おかしいなぁ、ちょっと傾いている・・・?」

 天然のうなぎと養殖のうなぎも食べ比べると分かります。
 国産の農産物と海外から輸入した農産物...
 根拠がなくても、何となくその違いが感じられませんか?

 食べ物に旬があるように、木材の伐採も旬があるのです。
 先人の知恵と日本人のDNAを少し信じてみましょう!

 では今週のアドバイスです。

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 1.施主が製造過程をチェックできるもの、それが注文住宅。

 2.現場に足を運んで、自分の体と五感で確かめよう。

 3.力の伝わり方を具体的にイメージし、写真を撮っておこう。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_26.htm

  ↑コラム『旬』木材にも旬がある!
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)

【 編|集|後|記 】

 先日、昨年の自殺者の発表がありました。
 前年よりも2千人以上増え、過去最悪の3万4千人強です。

 経済苦が10年前の2倍以上となり、
 自殺者の4人に1人の割合となってしまいました。
 しかし動機のトップは依然『健康問題』です。

 先日、大変痛ましいニュースを見ました。

 学校の先生が、自分の妻の自殺ほう助で逮捕されたというニュースです。
 奥さんの自殺の原因は『シックハウス症候群』でした。

 建材に含まれる揮発性物質による、化学物質過敏症です。
 新居を求めたがために、このような病気を発症しました。

 一度発症すると、どんなささいな化学物質にも体が反応します。
 呼吸するのが苦しいくらい・・・。
 体中に激痛が走るというのです。

 それから何度も引越しをしました。
 ご主人は、新幹線通勤までして、奥さんの体に良い環境を求めました。

 しかし、どんな田舎で暮らそうとも、
 化学物質のない生活にピリオドを打つことが出来ませんでした。
 自分の人生にピリオドを打つ以外には・・・。

 自殺をほのめかす奥さんを最後まで止めました。
 「今日はもう帰ろう。僕も頑張るから」
 ご主人は高いビルの屋上に上がろうとする奥さんを何度も連れ帰しました。

 でも結末は、奥さんを見送るしかなくなったのです。 (>_<)
 「お願い。私を楽にさせて・・・」 

 
 私はこのニュースを見て涙が出ました。
 ご主人の気持ちはどんなだったのだろう・・・。
 亡くなった奥さんもなぜこんな人生を送ることになったのだろう・・・。

 新しい家が凶器になり、
 自殺まで呼び起こしてしまったのです。
 決してこのような不幸は繰り返してはなりません。

 もちろん、住宅ローン破産も同様です。
 家族の幸せをはぐくんでこそ、家づくりの価値があるのです。

 では、また来週♪

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 ◇ 次回予告
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         ▼ 健康住宅について考える ▼
 
        ~シックハウス症候群に苦しむ人たち~
 
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【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/
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   http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html

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