2005.4.18 第54号
住宅コストのカラクリ ~建築本体工事で家は建つ?~
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.054━2005.04.18━
《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第54号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
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◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数2,612部》
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【もくじ】
・住宅コストのカラクリ
・今週のお勧めBooks
・今週のワンポイント・アドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは。発行者の若本です。
「事象なき欠陥住宅」ってご存じですか?
これまでマスコミなどに取り上げられた欠陥住宅は、
映像で見ても、明らかに欠陥と分かる建物ばかりでした。
しかし、最近は「雨漏り」とか「揺れ」といった、
明らかな欠陥とは判断しにくい、症状のないものが増えてきました。
集団訴訟が出た「シックハウス」マンションや、
先頃、社長が書類送検された、マンションの土壌汚染なども
「事象なき欠陥住宅」といえるかも知れません。
スーパーゼネコンに勤める友人からも、
「全国でいくつか大きな訴訟があり、建替えたケースもある」と聞き、
私自身でさえ、驚きました。ゼネコンも数十億円の損害です。
皆さんが「大手だから安心!」と思うのも無理はないでしょうが、
自分の資産は、ご自分で「守る」ということが大切です。
今の日本に「安心」や「安全神話」はもはや皆無です。(>_<)
そこで、まもなくお勧めの書籍が出版されます。
「欠陥住宅」のテレビ出演も多い、岩山健一さんが、
これまでの欠陥調査の事例を元に「事象なき欠陥住宅」をまとめました。
私のブログで紹介していますので、是非ご覧下さい。
発売開始は、4月24日からと聞いています。
アマゾン・ドット・コムでしたら、サイトから予約できます。
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/18285141.html
人気ブログ・ランキングにも参加していますので、
併せてご協力いただければ幸いです。 m(_ _)m
もちろんコメントも歓迎です! (^o^)丿
では、今週も最後までお付合いください。
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▼住宅コストのカラクリ ~建築本体工事で家は建つ?~
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最近、ローコスト系の住宅メーカーやフランチャイズの会社で
プランと見積をしてもらい、私のところに相談に来られる方が続きました。
内容を見ると、どれも「同じテクニック」を使っています。
それは、チラシなどで銘打っている「坪単価二十ウン万円」というのが、
「建築本体工事」だというものです。
もう、その手法で家を建ててしまった人は、
これから先は読まないほうがいいでしょう。
絶対、後悔してしまいますから・・・(>_<)
これからの方は、安心して続きをお読みください。
ローコスト住宅のカラクリが分かるでしょう。
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建築本体工事って?
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住宅の価格は、よく「坪単価」で判断されます。
不思議だと思いませんか・・・?
ローコスト系の住宅会社の見積書を見ると、
『施工面積』×『坪単価』で、建築本体工事の価格が記載されています。
建物の形状やどんな素材を使っているのか、全く関係なしです。
車だって、パソコンだって「大きさ」と「価格」が比例するでしょうか?
「大きさ」よりも、性能や使われている素材によって、金額が決まります。
それが「高いか」「安いか」は購入者が比較検討します。
判断基準は、「性能」と「価格」です。
そして、より使い勝手を求めて、オプションも検討します。
大きさが価格に影響するのは、液晶TVなどくらいではないでしょうか?
車であれば、車体本体の価格に陸運局への登録の費用や、
納車時の点検整備、自賠責保険、などの諸費用も必要でしょう。
しかし、少なくとも「本体の価格」で完成品としての機能は果たします。
実際に動かすためには、法的な手続きやガソリンなどは必要ですが・・・
少なくとも、
「タイヤは付いていませんから、こちらでご購入してください」
と、市価よりも高い『純正タイヤ』を別に払わせるところはないでしょう。
ところが、住宅業界は実は結構こんなことをしているのです。 (-_-;)
▽ ▼ ▽
『建築本体工事』というのは、通常、基礎から上の建物全体の価格です。
基礎、構造体、外壁やサッシ、屋根材から内部の設備機器まで入ります。
給排水の配管は、建物の外周から1メートル程度をみています。
※あくまで「通例」であって、会社によって異なります。
ですから、敷地を通って上下水道の本管までの接続には別の工事が必要です。
※下水道のない地区では、合併浄化槽などが別途必要です。
もし、地盤が悪ければ『杭打ち』などの地盤改良工事も発生するでしょう。
このように、建物の立地条件により変わる工事を
『別途工事』または『附帯工事』と呼んでいるのです。
本来は、この『建築本体工事』と『別途工事』で、
最低限の生活が可能な住宅が出来上がるはずです。
あとは、外構工事や照明、カーテンなどを購入し、
工事代金を払い込み、登記手続や税金などを納めれば「わが家」となります。
▼住宅会社に支払う上記のような費用について、
詳しくは、私が書いたコラム『別途工事と諸費用』でご確認ください。
⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_55.htm
私が見積を拝見したローコスト系フランチャイズの1社は、
「ベタ基礎仕様」がオプションとして40万円の追加金額です。
そして、真四角ではなく凹凸があれば「出隅・入隅」で金額が増加します。
少しでも基準と違う仕様をお願いすると、
すべて『オプション』として、数万円ずつ追加されています。
変更して「減額」されるものはなく「増額」されるものばかりです。
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負担は『総額』!
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私も以前は「オプション工事」で受注金額を膨らませているのだろう
というくらいの認識をローコスト系住宅会社に持っていました。
そこに「施工床面積」など、坪単価を見かけ安くするテクニックを使い、
「実際の坪数」×「坪単価」ではじかれる工事金額より
200~300万円程度増額するのは、容易なことです。
例えば、「坪単価25万円」で35坪の家を建てると、
▼『建築本体工事』 35坪×25万円=875万円
▼『オプションとテクニック分』 =300万円
▼『附帯工事』(外部給排水工事など)) = 75万円
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合計) =1150万円(税別)
つまり、消費税を含めたおよそ1200万円÷35坪=34.2万円
くらいが、ローコスト住宅の実態かと思っていたのです。
しかし、私の予想は大きく違っていました。
さらに「必要経費」や「諸経費」という項目があるのです。(-_-;)
必要経費とは、設計料や申請、検査などに掛かる費用と仮設トイレなど、
諸経費は明細もありません。(通常、事務所経費です)
これで、200~250万円工事費に上乗せです。
しかももっとビックリするようなテクニックがあったのです・・・。
⇒ 次回に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●無添加住宅! ~化学物質を使わない、世界でいちばん自然に近い家~
秋田憲司 著 [サンマーク出版]
↑久米宏の「ニュースステーション」でも取り上げられた秋田さんの活動。
たまたま数年前に、昔の上司がこの住宅の普及に取組んでいて、紹介され
たことがありました。
植物学者を夢見て、世界を漂流した筆者が、兵庫県の実家の工務店を継ぎ、
「口に入れても安全な素材」で家づくりに取組んでいます。
商業主義の『健康住宅』との違いが良く分かる一冊です。
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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ローコスト系住宅会社は「坪単価」で安さを訴えるのが販売戦略です。
そして、2~3回の打合せで契約できないお客は深追いしません。
ローコスト住宅の営業マンは、スピード契約が信条なのです。
私が昔、FC本部のスーパーバイザーをしていた時代、
スピード契約が得意な加盟店の社長がいました。
本部に問い合わせがあったお客様で、
車で1時間半くらい、少し遠くでのリフォーム工事です。
一度、現地調査と打合せをして、次回プランと見積提示です。
予算があわなかったようですが、百万円の値引きで即決です。
あまりの値引きの大きさに、お客様から本部に問い合わせがありました。
「百万円の値引きの根拠を聞かずに契約してしまいました・・・」
その社長に確認すると、
「あの日契約しないと時間が掛かりそうじゃったんじゃ!(広島弁)
往復と打合せ時間で半日費やすことを何度もするくらいなら、
まず『契約して』あとから予算組みすればええんよ!
見積に仕様も詳細も書いていないんじゃけぇ・・・」 (>_<)
実際には、予算にあわせて設備機器などのグレードを調整すれば、
百万円くらいの調整は不可能ではありません。
しかし、明細を見ず営業マンの勢いだけで契約するのはやめましょう。
私は、大手ハウスメーカーでも「基礎工事オプション」という見積を
見たことがあります。 (@_@)
大手だからといって安心は出来ません。
基礎を買い足さないと、家に住めないのですから・・・(苦笑)
家づくりは『総額』と『内訳』をきちんと確認することが大切です。
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.「建築本体工事」とは、電気も水道も接続していない建物工事費
2.ローコスト系住宅会社は、「建築本体工事」が表示価格・・・
3.住めない家なら「不当表示」?!家は『総額』で判断しよう!
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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_14.htm
↑坪単価には、いろいろなカラクリがあります。
このコラムに簡単なカラクリを紹介しています。
【 編|集|後|記 】
新年度でホームページをリニュアルしようと考えていますが、
なかなか思うように進みません。
最近始めたブログのほうが、更新も簡単でレイアウトも比較的自由です。
検索エンジンとも相性が良いようです。
会社のホームページよりもアクセス数が増えると複雑です・・・(-_-;)
住宅や不動産関連でも数多くのブログがあります。
私は、50位より少し下で低迷していますが、
ブログランキングにアクセスすると、いろんな情報を集めることが可能です。
⇒ http://blog.with2.net/link.php/67639
ではまた、再来週♪
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◇ 次号予告
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▼ ローコスト住宅に気をつけよう! ▼
~驚きのテクニックとは?~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
【発行者が携わっているサイト】
▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
http://www.cms-hiroshima.com/
▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
http://www.sumainokihon.com/
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