2005.4.25 第55号
ローコスト住宅に気をつけよう! ~驚きのテクニックとは?~
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.055━2005.04.25━
《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第55号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数2,613部》
【バックナンバータイトル一覧】
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⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
・ローコスト住宅に気をつけよう!
・今週のお勧めBooks
・今週のワンポイント・アドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは。発行者の若本です。
来週発行予定でしたが、ゴールデンウィークに入るので、
前倒しして今週発行することにしました。
先月より本格的にブログに取組んでいますが、
人気ブログランキングでも、新しいご縁を頂き
様々なネットワークがさらに広がりつつあります。
先週50位圏外だった私のブログも、
皆様のお陰で10位台までランクインしてきました。(^o^)丿
ブログのタイトルも『住まいづくりコンシェルジェ出動!』と、
少し動きを感じるような、また私と分かるようなタイトルに変更しました。
画像もあるので、よりイメージがしやすくなったと思っています。
人気ブログランキングにてご確認ください。
⇒ http://blog.with2.net/link.php/67639
先週は、テレビ取材やプロ向けの研修会などもありました。
テレビは地元『RCC中国放送』で4月28日放映だそうです。
詳しくは、ブログにて発信していきます。
では、今週も最後までお付合いください。
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▼ローコスト住宅に気をつけよう! ~驚きのテクニックとは?~
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前回のメルマガに引き続き、ローコスト系住宅についてのお話です。
ここで「ローコスト系」と書いているのは、ローコストを「販売戦略」に
利用している住宅会社のことを指しています。
品質が確かで、支払いの総額を抑えられる「ロープライス」であれば、
私も皆さんも納得いくのでしょうが、ちょっと違うようです。
まずは先週のおさらいをしてみましょう!
<先週号より>
例えば、「坪単価25万円」で35坪の家を建てると、
▼『建築本体工事』 35坪×25万円=875万円
▼『オプションとテクニック分』 =300万円
▼『附帯工事』(外部給排水工事など)) = 75万円
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合計) =1150万円(税別)
つまり、消費税を含めたおよそ1200万円÷35坪=34.2万円
くらいが、ローコスト住宅の実態かと思っていたのです。
しかし、私の予想は大きく違っていました。
さらに「必要経費」や「諸経費」という項目があるのです。(-_-;)
必要経費とは、設計料や申請、検査などに掛かる費用と仮設トイレなど、
諸経費は明細もありません。(通常、事務所経費です。)
これで、200~250万円を工事費に上乗せです。
しかももっとビックリするようなテクニックがあったのです・・・。(@_@)
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メーターモデュール
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上記の1200万円程度なら、いわゆる「想定の範囲内」でしょう。
「テクニック」というのは、ポーチやバルコニー、吹き抜けの一部まで、
床面積に入れて、坪単価計算するということです。
これだけで、3~5坪、75~125万円上乗せできます。
その次の経費類まで別立てされてくると少し怪しくなってきます。
う~ん、厳しいけど・・・「想定内」にしておこう。
だって、1500万円以内に収まりそうだから・・・
広告で謳っている金額との差額に少し戸惑いが出てきます。
でも、この予算で出来る会社はまだ多くありません。
この段階で、坪単価に直すと40万円台でしょう。
「私たちの家族構成から考えて、35坪あれば十分です!」
雑誌や分譲チラシなどで間取りを検討し、限られた予算から
ほぼ自分たちの家の規模を計算しています。
ローコスト系住宅会社でプランをしてもらうと、アラ不思議!
ここで『延床面積』が40坪を超えています。
この裏技が『メーターモデュール』というものです。
通常、日本の住宅は未だに尺貫法が残っており、1間(けん)=6尺、
6尺=1.82メートルで、1間×1間が1坪という計算です。
※ちなみに、私の身丈はちょうど6尺です。(笑)
これがメーターモデュールになると、同じ和室6帖でも面積が違います。
▼910mmモデュールの和室6帖
2.73m×3.64m=9.94平方メートル(=3坪)
▼メーターモデュールの和室6帖
3m×4m=12平方メートル(=3.63坪)
単純におよそ2割面積が広くなります。
広くなって「施主が喜ぶ!」のではなく「営業マンが喜ぶ!」のです。
910モデュールのプランをそのままメーターモデュールにしただけで、
35坪のご要望がおよそ42坪に出来るのです。
この7坪分は、坪単価25万円で175万円を稼ぎ出します (-_-;)
ここで、およそ1600万円程度になってきました。わおっ~!
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標準仕様!
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施主もこの頃になると「想定外」に気付いてきます。
でも部屋数を減らすわけにも行かず、出来るだけ廊下を減らし床面積を・・・
ようやく、我に還って床面積を40坪以下にするよう考え始めます。
4坪で100万円のコストが削減できるわけですから・・・
しかし、ここで営業マンが標準仕様書を提示するのです。
「弊社のこのシリーズは、床面積が45坪以上になるとお得です!
それ未満ではオプション仕様だった設備が、標準仕様となります!!」
内装ドアや仕上がグレードアップし、食洗器も標準搭載です。
まるで、安いグレードの車で、カーナビを別途購入するよりも、
カーナビ付きの上位グレードのほうが、割安な感じがするようなものです。
「でも、私たちはそこまで面積は必要ありませんから・・・」
ちょっと後ろ髪を引かれながらも、面積の差が少しありあきらめかけます。
すると、営業マンは得意げに言います。
「この面積は『施工床面積』なので、バルコニーなども含まれます!」(^o^)
今のままでしたら、45坪を越えているのでいいグレードの設備が入ります。
少し面積を抑えるだけで、コストダウンだけでなく、
グレードさえも安普請の建物になってしまうのです。
「どうしよう~・・・・・」
・
・
・
「まっ、いいか!
ここまで相談に乗ってもらったのだし、これから他社への相談も面倒だ!
どうせこの金額だと少なくとも他社よりいい設備がつくだろうし・・・」
こうして、自分自身で納得させることで、不安をぬぐおうとします。
間髪いれず「取りあえず、お申し込みだけいただけますか?」
ローコスト系の営業マンは、契約のタイミングが命です。
じっくり考える機会も、まわりに相談する時間も与えません。
まずは既成事実だけ作ることが先決なのです。
本当は35坪しかいらないのに、「施工」床面積で45坪の契約です。
まるで、衣を大量につけて膨らませたエビフライのようではありませんか。
食べてみると、中はスカスカで美味しくありません。
しかも、不要な床面積が増えた分、
翌年からしっかり固定資産税も割増されてしまいます。 (>_<)
⇒ 次回に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●サツキとメイの家のつくり方
スタジオジブリ 責任編集 [ぴあ出版]
http://esumai.livedoor.biz/archives/19545799.html
↑宮崎アニメ「となりのトトロ」で主人公が引越しする民家の再生。
ネット書店では取扱っていないようなので、ブログで紹介しました。
ちょうど私の世代にはとっても懐かしい建物です。
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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ちまたでは、「ローコスト住宅」の品質が問題にされています。
私は経営努力や現場の知恵による「コストダウン」は賛成です。
しかし問題は、「ローコスト系」という販売テクニックだろうと思います。
35坪しか不要であれば、坪単価45万円でも総額1575万円です。
それがローコスト系に相談すると、最初の坪単価は25万円なのに、
最終的には45坪の契約で1600万円になっているのです。(-_-;)
10坪分を25万円で買ったんだ!という気休めもあるかも知れません。
しかし、本当は25万円安く自分たちの家を手に入れられたのです。
しかも、もっといい材料、いい性能だったかも知れません。
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.メーターモデュールは、ローコスト系住宅会社の裏技!?
2.面積に応じて、オプションが次第に標準工事に含まれていく
3.エビフライは、外の大きさよりも身の詰まり具合と味で選ぼう!
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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_13.htm
↑コラム『ダウンサイジング』
若本が書いたコラムに参考情報が載っています。
【 編|集|後|記 】
先週、知恵と仕組みでコストダウンする『CPM』(限界工程管理手法)の
工務店向け研修会を開催しました。
一般消費者には縁のない話題ですが、これが本当の「コストダウン」です。
業界専門紙の専務と、コストダウンに取組む青森の工務店が、10年以上
研究しながら、全国で10社に満たない工務店しか学んでいないのです。
売るテクニックを勉強する「ローコスト系」は、あれほどの加盟金を支払い、
全国にフランチャイズや直営店が広がっているのに!
今回は、大阪でこの手法を実践している工務店の社長や、
これから取組もうとしている、群馬県の工務店社長も広島に駆けつけました。
そのときの様子は以下のブログで紹介しています。
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/19932436.html
本当に消費者の経済的負担を和らげる「ローコスト化」が望まれます。
ではまた、再来週♪
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◇ 次号予告
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▼ 設計事務所に気をつけよう! ▼
~設計監理料の根拠とは?~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
【発行者が携わっているサイト】
▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
http://www.cms-hiroshima.com/
▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
http://www.sumainokihon.com/
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