2006.2.13 第74号
施主支給のススメ ~少しでもコストを抑える工夫~
【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.074━2006.02.13━
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~第74号~
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《発行部数4,283部》
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【今週のテーマ】
・施主支給のススメ
・今週のワンポイント・アドバイス
・編集後記
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現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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こんにちは、発行者の若本です。
今年の冬は記録的な雪に見舞われましたね。
私が住む広島でも、昨年12月からかなりの積雪がありました。
驚くべきことに、広島市のすぐ北に位置する「北広島町」で、
この冬「ダイヤモンドダスト」が見られたという記事もありました。
ダイヤモンドダストは、北海道のような寒い地域で、
厳しい冷え込みのあった早朝に見られるような珍しい現象です。
先週の寒波では、広島県庄原市でも150センチを越える積雪がありました。
広島のほうは瀬戸内海気候で暖かいというイメージがあるかも知れません。
しかし、庄原市などは『次世代省エネ基準』で「3地域」となっています。
次世代省エネ基準の詳しい説明は、別の機会に譲りますが、
3地域というと、県庁所在地では「秋田市」や「仙台市」と同じです。
東北でも、福島県のいわき市はもう一段暖かい「4地域」となっています。
新潟市でさえ「4地域」だそうです。 (@_@)
広島市の隣町が新潟市よりも寒いの・・・!?
先週、自宅の近所で、こんな現象を見ました。
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/50332947.html
耐震偽造問題は、予想通り「非姉歯物件」にも飛び火していますが、
住まいの快適性は、耐震強度だけではありません。
断熱や結露対策も住み心地だけでなく、建物の耐久性にも影響を与えるのです。
詳しくは次号のメルマガで書きたいと思います。
では、今週の本文の始まりです。
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▼施主支給のススメ ~少しでもコストを抑える工夫~
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最近、インターネットで建材を販売するサイトが増えてきています。
家づくりのプランが決まり、仕様を決めていく段階になると、
コストとの戦いが始まります。
そうなると、ついついネットで価格を調べたくなります。
「自分たちが選ぼうとしている玄関ポーチの輸入タイルの坪単価は?」
「照明器具をネットで購入すると安くなるのだろうか・・・?」
せっかくの注文住宅なので、できれば自分たちの希望を取り入れ、
しかも、少しでも価格を抑えて建てたいというのが、大多数の意見でしょう。
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施主支給とは
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家づくりがスタートすると、多くの人は
ハウスメーカーや工務店にプランをつくってもらい見積を受け取ります。
この段階で詳細の仕様が記入され、
数量拾いをした見積書を受け取るケースは少ないと思います。
建築本体工事=坪単価○○円×床面積、付帯工事、諸費用・・・
標準工事と、希望したオプションのみ数量と単価が書かれた見積書。
初めて家づくりをする人には、内容がさっぱり分かりません。(-_-;)
営業主体の住宅会社では、この段階で契約を迫ります。
「契約を結んでもらったら、明細を出します」という会社さえあります。
大手でもそんなことをするというからビックリです! (+_+)
▽ ▼ ▽
正式な契約をする前に、必ず「仕上げ表」をつくってもらい、
それに基づいた見積明細書を添付してもらいましょう。
明細見積は、既製品であれば「商品の品番」と「数量」を明記したものです。
あなたは、住宅の「購入者」ではなく「発注者」です。
どんな材料を、どこにどれだけ使うか、まずはしっかり把握しましょう。
こうしておけば、もしその会社で自分の希望の仕様が標準外で高かったら、
自らインターネットや別の手段で、気に入る仕様を探すことが出来ます。
気をつけたいのは、建築材料は「材料価格」だけではありません。
当然「送料」もかかりますし、取付け施工代もかかります。
現場での保管や、材料の検品など、施主の負担やリスクも増えます。
しかし、本当に満足いく家を手に入れたいのであれば、
準備だけでもしておけば、施工段階でいろいろなことが見えてきます。
このように、自分たちが希望するものを、
自分たちで調達して取り付けてもらうのを「施主支給」といいます。
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施主支給と分離発注
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施主支給は、あくまで「標準仕様では不満」で、
自分たちで調達することで安くなるものが対象です。
見積書の中でいえば「オプション」や「別途工事」に当たるものです。
一方「分離発注」は、建築工事の一部を、
施主が直接発注して別業者にさせることを指します。
例えば、「実家が『設備工事屋』だから、
給排水工事は契約から外して、別工事にする」ということもあるでしょう。
一般の施主が「分離発注」を行なうのは、
身内に仕事をしてもらい、現場での対応も柔軟に出来るか、
元請施工会社以外にしっかりしたプロの調整役がいる時だけにしましょう。
(施工の分かるプロです!)
でなければ、責任の所在が不明確で、
トラブルが起こったときに、施主に多くの負担がかかります。
しかし、「施主支給」の場合は、元請業者との交渉次第です。
大工さんや経師屋さん、タイル職人、電気屋さんなど、
専門工事の職人が現場に入っているときに、取付けだけを頼むのです。
あるいは下地施工だけをお願いするケースもあるでしょう。
本来、注文住宅を建てる業者さんは『請負業』です。
メーカーでも販売店でもなく、完成を請け負う「施工業」なのです。
材料が、一般消費者が建築金物の小売店で購入するよりも、
問屋から仕入れて安くなった分、少し手数料を上乗せするのはいいでしょう。
しかし、本来「施工手間」と「機械損料」、
そして「会社経費」の合計を計算したものが請負代金です。
プロとしての「手間賃」をしっかり支払えば、
資材は「施主支給」でも、彼らの手取りが減るわけではありません。
▽ ▼ ▽
ハウスメーカーや工務店は、施主支給を嫌がるかもしれません。
しかし、あなた自身が家づくりプロジェクトの「発注者」で、
彼らはあくまで「請負人」なのです。指示は「発注者」がするものです。
「分離発注」は、施工者の責任外の工事が発生します。
もし引渡し後、欠陥が発覚しても、施工者は責任逃れをするかもしれません。
施主の「自己責任」で発注をしなければなりません。
「施主支給」は、単に「資材のマージンが入らない」というだけで、
現場に来ている職人さんに「ついで」に付けてもらうだけです。
「分離発注」と「施主支給」の違いを明確にし、
ちょとだけ、グレードアップした満足度の高い家を取得してくださいね!
ちなみに私のサービスでも、あまりにも高い電気工事の追加に対して、
照明器具などを「施主支給」に切り替えてコストを下げたケースもあります。
見積明細があれば、工事途中でも施工側が資材発注前なら可能です。
(そのような柔軟対応の出来る会社と契約することが前提ですけどね・・・)
⇒ 次回に続く
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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施主の立場として、性能や品質が同じであれば
1円でも安く手に入れたいという気持ちはあるでしょう。
特に、カタログを出している既製品メーカーの同じ商品だとしたら・・・
家電製品の購入と変わらないのです。
ハウスメーカーであれば、自社の部材を売ることも本業ですが、
工務店やビルダーは、既製品を調達して組み立て加工するのが本業です。
利益の源泉は、設計や、資材調達、職人手配、現場のマネジメントなどです。
製造業や小売流通業ではないので、「部材」は原価公開でもいいはずです。
施主の意向を踏んで、出来るだけ安い調達ルートを探し、
それでもインターネットなどで「施主が決済する」ことで安ければ、
請負をさせていただく「施工業者」が余計な仕入れをする必要はないのです。
施主は「発注者」として、堂々と自分たちの希望を伝えましょう!
「この機器は私たちが直接仕入れるので、取付けだけお願いします!」
工事に取り合いの少ないものであれば、了承しない会社は「要注意」です。
工事費の中に不透明で割高の建材が含まれているかも知れません。
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.契約前には必ず「仕上げ表」と「見積明細」を入手しよう。
2.オンリーワンの家を手にするために「施主支給」も一考!
3.「分離発注」と「施主支給」の違いを明確にしよう!
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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_19.htm
↑コラム『下請け業者と原価公開』
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
【 編|集|後|記 】
最近デジカメを買い換えました。
広角レンズの本体に、コンバージョンレンズも購入です。
これで、ようやく工事中の室内も全体が撮れます。
カメラの大手チェーンや家電量販店で価格の比較をしました。
ネット上でも『価格ドットコム』で対象商品を調べました。
結果、送料や代引き手数料を足しても、
ネットショップがおよそ2割安かったのです。
家電量販店で、手にとって商品を確認し、ネットで購入しました。
(小売店の読者の方には申し訳ありませんが・・・m(_ _)m)
お陰で、工事中の写真記録も施主にも好評です。
特に大きな吹き抜けのある建物は「広角」だとスケールが分かります。
2月末と3月初めに、見学会を開催予定です。
2棟とも大きな吹き抜けと断熱性能が自慢の「お客様の家」です。
お一人の方は、弊社サービスを利用された感想をいただきました。
⇒ http://www.cms-hiroshima.com/reason/reason-004.html
見学会のご案内は臨時増刊号でお知らせします。
ではまた、再来週お会いしましょう♪
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