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若本修治の住宅コラム

2003.12.08 第55話

別途工事と諸費用

注文住宅を建てようとした場合、「坪単価どのくらいで建つのか?」といったことがまず気になるだろう。以前も坪単価のからくりを解説(→コラム14話参照)したが、建設コストだけでなく住宅取得に掛かる『別途工事』『諸費用』に関しても十分知識が必要だ。

住宅は、いわずと知れた『不動産』なので、車や家電製品のように、単体で購入してガソリン代や電気代だけですぐ利用できるといったものではない。当然、建てる場所によってさまざま費用が異なってくる。チラシなどに載っている『坪単価』は、住宅単体の価格でしかない。

住宅単体の価格を『建築本体価格』といっている。ローコスト住宅で「坪単価24.8万円~」などと謳っているのは、例えば「50坪を標準とした一切オプションをつけない総二階の規格プランで、基礎から上の建物」ということになる。(もちろん面積が少なければこの金額では納まらないし、少しでもプランや仕様を変えると坪単価が急激にアップする。)

そして『建築本体工事』以外に、その住宅で生活するために最低限必要な工事として『別途工事』という追加費用が発生する。ガソリンを入れなければ車が走らないのと同様、それ以上に『追加工事』がなければ生活は出来ない。追加工事の一例を見ていこう。

杭打ちなどを含む地盤改良工事、屋外給排水工事(これがないと上下水道が接続されない)、屋外電気工事、水道負担金、外構・門扉など・・・。多くの会社は、照明、カーテン、エアコンまで『別途工事』となっており、網戸や雨戸はオプション、物件によっては浄化槽工事も必要で、自分で新規に購入する家具類や家電製品などを考えると、『建築本体工事』以外に相当な資金を用意しなければ、普通の生活さえ営めない。

さらに『諸費用』というお金が必要だ。

住宅を建設する会社に支払うものもあるが、ほとんどは住宅会社に入らない金額なので、チラシなどにも金額は謳っていない。しかし、これがバカにならない金額となる。
諸費用の一例も見てみよう。

多くの場合、住宅ローンを組むので、ローン設定するための費用が発生する。これは、金融機関の融資手数料のほか、印紙税、保証料、抵当権設定費用、団体信用保険、火災保険などがある。それに、地鎮祭や近隣挨拶、引越費用などがかかり、お引渡しを受ける段階で登記費用や不動産取得税、翌年から固定資産税や都市計画税などの税金も掛かってくる。

このように坪単価で表示される『建築本体工事』以外の金額がどれほど掛かるものか、初めて家を建てる人にはイメージが湧かないだろう。もっとやっかいなのが、この諸費用を他人任せ(例えば住宅メーカーの営業マンなど)にしていると、
とんでもなく高い諸費用を消費者が負担しているというケースも少なくない。

なぜなら、諸費用を少しでも安くするために情報を集め、手配をすることに彼らは何のメリットもなく、逆に消費者には負担増になっても、手続が簡単で自分たちが手数料を得られるもののほうがはるかにメリットが多いからだ。

施主自ら勉強し、自分で手続をすることで数十万円も負担が減るケースも意外と多い。
それは、入居後のローンの借り換えや繰上げ返済など、多岐にわたり、とても一般の消費者が身に付けるのは大変だ。しかし工事を請負うことが目的の住宅会社や自分の作品を残すことが目的の設計事務所では、まずこのようなアドバイスを期待するのは無理であろう。

だから、住宅に関連した中立の専門家がこれから必要な時代となっている。

1年間続けてきましたコラムですが、今回で終了です。
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住宅CMサービス広島 Webマスター 若本 修治

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