2004.2.23 第7号
家づくりで泣く業者~あなたの発注は正しいか?~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.007━2004.02.23━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                         ~第7号~
   ◆家づくりは人生最大の「事業」
   ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
   ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
 http://www.cms-hiroshima.com/       《発行部数1,479部》
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  このメルマガでは、
  現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
  200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
  家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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 こんにちは。発行者の若本修治です。
  最近、急に暖かくなってきました。新しい季節はもうすぐです。
  では、今週の本文の始まりです。 
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          ▼家づくりで泣く業者
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  「春」といえば、引越シーズンです。
  皆さんはこれまで引越業者さんはどのように決めましたか?
 多くの方は、NTTのタウンページで調べたのではないでしょうか?
  それともインターネットで検索し、安いところを探しましたか?
 では、住宅の場合はどうでしょう???
  新築だけでなく、リフォームをお願いする時、皆さんはどうされますか?
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          そろそろ塗り替え時?
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 私は、以前住宅リフォームのFCチェーンの地域本部に勤務していました。
  今、住宅リフォームの市場も拡大しており、多くの業者が参入しています。
  大手から、地元の家族経営の小さな専門工事業者までさまざまです。
 私自身、職人の家に育ち、職人さんたちにも親近感を持っているので、
  工務店に限らず、サッシ屋さんや塗装屋さんなど業者さんからも、
  いろいろと現場の状況を聞いています。
その中で、こんな話があります。
 私の知り合いの塗装屋さんが、
  地元のA様から外壁の吹き替えの相談を受けました。
 元請の住宅メーカーからの仕事が減り、自分たちで営業活動をした結果です。
  慣れないチラシ作成や営業活動で、近所の人が声を掛けてくれました。
 A様の住宅は、昔多かった「モルタル リシン吹付け」という仕上げです。
  この仕上げは外壁にひび割れが出やすいこともあり、少しグレードの高い
  「弾性塗料」(引っ張ると伸びるような柔軟性のある塗装)を提案しました。
 お客様から、おおまかな予算も聞いていたので予算内に収まる提案です。
  それから数日たった頃、お客様から電話がありました。
  A様:「先日は見積ありがとうございます。いろいろと検討したのですが
       知人の紹介で他の会社にお願いすることになりました。」
    
   塗装屋さん:「えっ、そ、そうですか・・・。残念です。」
      
  営業マンのように即日再訪問したり、切り返しのトークのノウハウも持たない
  人のいいその塗装屋さんは、すぐにあきらめてしまいました。
▽ ▼ ▽
 それから数週間後、これまで長らく下請けをさせてもらっていた大手ハウス
  メーカーの現場監督から、久しぶりに塗装屋さんに電話がありました。
 「新築の受注棟数が落ちているので、リフォームにも力を入れるように
   なりました。早速、外壁の吹き替えの仕事が決まったのでお願いしたい。」
  との依頼です。
 まあ、職人を遊ばせるわけにはいかないし、
  ずいぶん世話になった監督なので、予算は厳しいが請けようか・・・。
 そして、口頭で発注。
  監督から指示を受けた現場地図を見て塗装屋の社長は愕然としました。
  あれっ!ここはAさんのお宅では・・・???
  しかも、仕様は自分が提案したものよりかなりグレードが下です。
  予算がないから、下塗りも1回だけ。
 現場にお断りしたはずの塗装屋さんが来てAさんもビックリ!
  「メーカーの方が保証付きで安心そうだったから」との理由です。
  ■塗装屋さんが出した見積・・・・・・・・『約90万円』
                  (塗装屋さんの良心的仕様!)
  ■大手メーカーの見積額・・・・・・・・・『約95万円』
                  (でも、かなり安い仕様!)
   ※大手メーカーから塗装屋さんが請けた金額は、○○万円
     (すみません。これは非公開とさせていただきます。)
     でも施主も塗装屋さんもあまりにも可哀想です!!!(>_<)
  塗装屋さんは、高いグレードの仕様を良心的な価格で出して断られ・・・
  Aさん(施主)は、多少高いくらいなら、安心と思って大手で・・・
 結局、腕は同じで、安い仕上げをより高い金額を払って工事してもらって
  いるのです。
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         お客さまの発注は正しい?
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 昨年、私が開催したセミナーに参加されたB様ご夫婦。
  ご主人の実家の敷地の一部を分筆して、小さな家を計画していました。
 すでに住宅展示場に行ってアンケートにも記名をしたので、
  何社も自宅まで営業に来ているようです。
  無料のプランも出来上がっています。
 でも、あまり予算がないので、競争見積で安くならないだろうかとの相談です。
  予算を聞くと本当にローコスト住宅。(・_・);
  (坪○○万円というチラシの影響か?)
  プランからやり直さなければとても実現しそうにありません。
 シンプルな切妻屋根で総二階、
  水回りを除きほとんど間仕切りのないローコストのプランが出来ました。
 私はお客さまから事務所に来ていただくのを基本としています。
  弁護士だって建築士だって、専門家は自宅に訪問して契約は迫りません。
  訪問して契約を迫るのは、そのコストに見合う利益(暴利?)のある
  業者と相場は決まっています。(って、気付きませんか?)
 B様にも事務所にお越しいただき、プランや弊社の業務を説明しました。
  2種類提示したプランで、新しい要望が出てきました。
  じゃあ、次回の打合せでそれを反映させたプランを作りましょう・・・。
そして数週間後・・・
 B様は、熱心に通ってくるY社に決められたようです。
  どうしてY社に決められたのか、尋ねてみました。
  そうすると・・・
⇒次週に続く・・・
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           ▼今週のお勧めBOOKS
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  若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●安くていい家         [オーエス出版社]  平 秀信 著
  今まで不当に高かったカラクリ教えます
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757301642/cmshiroshima-22
 ↑「行列の出来るスーパー工務店」経営者が書いた住宅業界裏話。
   中立な立場とは言えないが、似た書名の「外断熱」の本よりはるかにお勧め
   実は知る人ぞ知る「○○実践会」コンサルタントで、商売もうまい!?
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   ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 引越だったら、どの業者さんに頼んでも「こんなはずでは・・・」
  ということはほとんどありませんね。
 せいぜい家具を傷つけないことや、金額の差くらいです。
  お任せにすると高くつくし、
  予算に応じて自分で出来ることはすれば安くなります。(選択可能!)
 しかし、住宅の場合は予算に収まったから安心しているだけで、
  本当はもっと安く出来ていたかも知れないし、
  もっといい材料を使えていたかも知れないのです。
  (分かっていない状態で契約してしまっているのです!)
 あなたが、大手に頼んだことにより、泣く泣く本来の手間を減らし、
  いい腕を発揮できない職人たちがいるのも事実です。
  (数奇屋大工がボードの釘打をしないと食べていけない時代です)
日本の建築の技能は果たして継承されるのか?・・・不安です。
では、今週のまとめです。
1.同じ予算であれば、大手よりも地元業者の方がいい仕様になる。
2.依頼内容が決まっていれば、地元業者の方が安く出来る。
3.でも、信頼できる地元の業者探しは難しい。(-_-;)
 ■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_7.htm
 (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
↑リフォームで『多能工』という考え方があります。
  小さな工事は単独で完結できるような業者さんをお勧めします。
【編集後記】
 先週、私が手掛けているCM(=コンストラクション・マネジメント)に興味
  を持っている経営者がわざわざ新幹線に乗って広島までお越しになりました。
 お一人は、その昔10年ほど住宅の営業をされていたコンサルタントの方。
  翌日は、建材販売店の経営者でCMの事業化を考えているという相談。
 「どうして、これまでこのようなサービスがなかったのだろう!?」
  「でも、こんなサービスを本気でやっている人がいるなんて・・・」
長年業界で矛盾を感じながら、皆同じことを繰り返してきたようです。
 しかし、最近メルマガやインターネットでも新しいうねりを感じています。
  住宅の生産方式でもパラダイムシフトが起ころうとしています。
  (つまり、これまでの常識が崩れ、新しい枠組みができることです。)
 次週、メルマガ読者だけに新しい生産方式の住宅をご紹介いたします。
  (これは、マジで凄い!要チェックです!!)
では、また来週♪
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  ◇ 次週予告
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           ▼下請けと元請の関係▼
~あなたが負担すべき本当のコストとは~
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