2004.3.08 第9号
ハウスメーカーの光と影 ~私も驚いた内部の実態~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.009━2004.03.08━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第9号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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こんにちは。発行者の若本修治です。
楽天日記でこのメルマガの購読者と出会ったり、頭に浮かんでいた人から
突然電話がかかってきたり・・・。
最近、「シンクロ」といわれる偶然がよくおきます・・・何だか不思議。
では、今週の本文の始まりです。
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▼ハウスメーカーの光と影
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日本には売上高が1兆円を超えるハウスメーカーが2社あります。
大手ゼネコンと肩を並べるほどの企業規模になっています。
(想像してみてくださいね。)
でも、皆さんはハウスメーカーにもいろいろなタイプがあるのを
ご存知ですか?
在来工法や2×4工法、軽量鉄骨やユニット工法等の工法別解説は、
書籍や情報誌、インターネットなどたくさん世に溢れています。
つい、工法などを知ると知識を得たような気になります。
しかしそのような解説を見てもあまり意味がないと思いませんか?
なぜなら、完成すれば業界通でもない限り、工法の差は分からないからです。
まず、工法で選ぶ以外の基礎知識が必要と、私は考えています。
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ハウスメーカーとは?
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実は、業界の人たちも「ハウスメーカー」という定義に混乱しています。
プレハブ住宅を手掛けているのがハウスメーカー・・・?
だったら、2×4のMホームや在来工法のS林業は?
住宅展示場に出展しているのがハウスメーカーでしょうか?
そうすると、展示場に出展している地元の建設会社もメーカー?
ローコスト系FCチェーンのAホームは?Uホームは・・・???
「もう、どっちでもいい!」と言いたくなりますよね!
でも、この際だから、一応分類をしておきましょうか。
(あくまで、若本の私見ですよ!)
■住宅会社の分類■
1.ハウスメーカー(狭義)—–<製造業として工場を持っている企業>
部材自体を開発・工場生産し、現地で組み立てる住宅(=プレハブ住宅)
工場での生産比率が高く、木質系パネルやユニット、鉄骨系などがあり。
(年間5千棟以上施工が目安)
2.ハウスメーカー(広義)—–<建設業で住宅に特化した企業>
全国に支店・営業所、販社(代理店)を持つ住宅会社
ほとんどが総合展示場に出展している会社。在来木造や2×4工法も含む。
(年間1千棟以上施工が目安)
3.ビルダー
1箇所以上のモデルハウスを持ち、専任の営業マンのいる地域の住宅会社
ハウスメーカーとほぼ同じ活動を行っている。
(年間50~500棟程度施工が目安)
4.工務店
地域密着型で、主に技術系の施工集団
社長が営業をし、職人や現場監督が工事を担当する。
(年間5~50棟程度施工が目安)
そのほか、不動産会社や公共事業中心の建設会社などで
戸建て住宅を手掛けているところもありますが、
正確に分類することがこのメルマガの主旨ではないので省略します。
★。、:*:。.:*:・’゜☆。.:*:・’゜★
チラシなどを見ると、1~3までをハウスメーカーと呼んでいるようです。
しかし、実態としては2や3は、4の工務店が大きくなっただけです。
(竹中工務店という巨大ゼネコンの「工務店」もありますが・・・)
資本力が違うだけで「他社から建築資材を調達し、職人が現地で組み立てる」
というビジネスなので、「メーカー(=製造業)」ではなく「請負業」です。
ですから2~4の建設現場では、企業規模の格差はあまりないと考えます。
今回のお話は、狭義のハウスメーカー(上記1)について書いています。
(※ちなみに、2001年のプレハブ住宅のシェアは、13.9%)
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ディーラー制の光と影
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「カーディーラー(自動車販売会社)」といえばイメージが湧くでしょうか?
「メーカー」ではなく「ディーラー」ですよ。
例えば、「トヨタオート」や「日産プリンス」「ホンダクリオ」・・・etc。
おっと、「マツダ」を忘れていると広島では怒られます! ヨロシク(^_-)<☆
「ディーラー」は、
各地にショールームを構え、特定メーカーの車を販売しています。例えば、
「トヨタ自動車」などのメーカーと販売代理店契約をし、系列販売店として
社名にメーカー名を付けていますが、多くは地元出資の独立企業です。
プレハブ住宅メーカーも、当初はほとんど、自動車と同じディーラー制を
採用していました。業界最大手のSハウスも、家電メーカー系のPホームも
昔は、地域に代理店網をつくって、地元企業が経営を行なっていたのです。
(現在でもハウスメーカーと販売代理店契約をしているディーラーはあります)
ここには、
メーカー ⇒ 販社(ディーラー) ⇒ 消費者
という構図があります。
しかし、この構図が、ここ10年くらいで大きく変わってきているのです。
近年、メーカー名の前後に地名の付く会社が減ってきていると思いませんか?
(東京Mホーム、北海道Sハイム等、まだ少しは頑張っているようですが。)
なぜここにきて、このような大きな変化が現れてきたのでしょうか?
その裏には一体何があるのか・・・
それが、家を建てようとする消費者に影響を及ぼすものなのか・・・
▽ ▼ ▽
ここで、お二人の証言者に登場していただきましょう。
まず、メーカーで営業をやっていたCさん。
Cさんは、8年近く勤めたハウスメーカーを一昨年退職しました。
その理由のひとつに、「プロパー社員」の哀しさ・・・
というのがありました。
「プロパー社員」とは、その会社で採用された生え抜き社員のことです。
(それ以外にも中途採用や出向社員などがあります。)
テレビCMをやっている大手ハウスメーカーに入社したCさん。
とはいえ、そこは地方ディーラーの会社でした。(中小企業です)
入社後、住宅の営業マンとして夜遅くまで働き、実績を出していきました。
住宅の営業マンは、基本給が少なく歩合で働いているような印象があるかも
しれませんが、実は、会社によってかなり違いがあるのです。
Cさんの勤めていた会社は、比較的固定給の比率が高かったそうです。
つまり、「売っても売らなくてもあまり収入に差がでない。」
おまけに、メーカー本社からの出向者と地元採用のプロパー社員では、
同じ仕事をし同様な実績をあげていても、賃金体系が違うことに、
彼は気付いたのです。
事務系で管理部門の人間はメーカーからの出向者が多く、実際に前線で
ノルマを課せられ、東奔西走する営業マンは、ディーラーのプロパー社員。
(まるでキャリアとノン・キャリアの世界を垣間見るようです。)
営業に自信のあったCさんはほどなく退社しました。
さらに高い給与を求めて保険会社に移籍する営業マンも増えています。
今、メーカーに残っている営業マンはもしかしたら、やる気を失いながらも
転職後の生活に自信のない中堅クラスか、新人ばかりかも・・・?
>> 営業マンと会社は選びましょう <<
もうお一人は、メーカー系ディーラーのトップだったA社長。
数年前までは、メーカーの名前の付いた住宅会社の社長として陣頭指揮
をとっていました。
しかし、メーカー側から、販社を統合し、メーカー本社直轄の支社として
再出発することを告げられました。
「支社長として引き続き指揮をとってくれないか」との打診です。
A社長は、雇われの支社長になることを断りました。
そして、ご自分で小さな住宅会社を創ったのです。
なぜ、大手の名前を捨て、
工務店ともいえる小さな住宅会社としての道を選んだのか・・・
それは・・・
⇒次週に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●[図解]欠陥住宅の見抜き方 小野寺範男・林直樹・中村幸安 共著
自分で出来る欠陥住宅の予防と対策 [東洋経済新報社]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492089608/cmshiroshima-22
↑大学で教鞭をとるかたわら「建築Gメン」として活躍する中村幸安先生。
2人のライターが、技術や法律など難しい欠陥住宅の問題を分かりやすく
まとめています。工事中の方から、欠陥に悩んでいる入居済みの方まで!
▼中村幸安先生の指導で私も昔、欠陥住宅の調査をしました。(師匠です)
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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家づくりをどこに頼むか。
これは、初めて家づくりを経験する方には大変難しい問題です。
なぜなら、
>> 家の良し悪しは企業規模や業歴に全く相関関係がない <<
からです。
たとえ売上1兆円を超える企業でも、
あなたのために、世界にたった一つの住まいを造ってくれます。
過疎の進む小さな町の家族経営の工務店でも、
あなたとあなたの家族のために、木の香りのする
本当に心地よい住まいを造ることは可能なのです。
では、
どちらの建てる家が自分たちにとって『いい家』なのでしょうか?
▽ ▼ ▽
プラズマテレビやDVD、自動車などは、地域の有力企業であっても、
「完成品」を手頃な価格で継続的に製造することは容易ではありません。
大きな資本と、全国津々浦々まで届けることができる販売・流通網、
そして商品開発力やマーケティング力も必要です。
(だから中小企業ではとても出来ず、下請け部品メーカーとなります)
しかし、住宅は地元にある材料と、地元の職人で、
住人も参加しながら建てていくことも可能なのです。
実際、昔はそういう家づくりが当たり前だったのですから・・・
では、もしも大手メーカーで欠陥住宅が見つかったら、
自動車や家電のように、同じ部品全てを無償で交換する「リコール」
を実施するほど製品に責任を持っているでしょうか?
残念ながら、私はこれまで聞いたことがありません。(>_<)
だったら、大手メーカーの安心・保証って一体何なのでしょう・・・?
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_18.htm
↑コラム『ブランド住宅』
建物にブランド名が必要か? 業界に投げ掛けた素朴な疑問・・・
▼もし、あなたがハウスメーカーから営業攻勢をかけれらていたら?
以下のひと言が「決め手」になるかも知れません!
>> 御社の社長は、どの製品(ブランド)にお住まいですか・・・?<<
自社の製品に住んでいないとしたら、あなたは安心して購入できますか?
日産のゴーン社長も、自分で自社の車のハンドルを握っているそうです。
住宅も自社の製品を本当に愛する社長のいる会社から買いましょう!
【編集後記】
先週は、ついに臨時増刊号まで出してしまいました。
これからも、お知らせしたいネタがあればまた発行するかも知れません。
「こんな情報を載せて欲しい」というご要望も大歓迎です。
でもあまり裏話ばかりになると、困っちゃうな~・・・(^^ゞ
では、また来週♪
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◇ 次週予告
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▼もうこんな家は売りたくない!▼
~元ディーラー社長の告白~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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