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家づくりで泣く人・笑う人

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2004.5.17 第18号

業者選びの鉄則!   ~本当に仕事を依頼できる業者とは~

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.018━2004.05.17━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        ~第18号~
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,244部》
【バックナンバータイトル一覧】
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 【もくじ】
 ・業者選びの鉄則!
 ・オランダゆめ風景
 ・今週のお勧めサイト
 ・お勧めBOOKS
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
 ■発行者のプロフィールはこちら
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 こんにちは。『住まいづくり専門コンシェルジェ』の若本です。

 最近の私のメルマガは「家づくりに泣く人・笑う人」というより、
 「住宅業界に怒る人」(私のこと)になっていたかも知れませんネ(笑)

 私の意見は、ご自身の経験や一般社会の常識と照らしあわせて
 判断材料のひとつとしてもらえれば結構です。
 あくまで、セカンドオピニオン(第三者の専門家の意見)です。

 そして、「お陰で泣かずに済んだ!」といっていただければ
 発行者としてはこの上ない喜びです。

 さて、今月に入り、大手企業の決算の発表が相次いでいます。
 なんと、30年ぶりに住宅業界のトップが入れ替わりました!
 単体の売上高で「大和ハウス工業」が「積水ハウス」を抜いたのです!!

 「やまとハウス」や、「つみきハウス」と、本気で読み間違えられていた
 時代からすると、隔世の感があります。(笑)
 
 両社とも鉄骨系プレハブメーカーで営業力には定評があります。

  「木造は火や地震に弱いのです!」
  「鉄はリサイクル可能な素材です!」
 
 さまざまなセールストークで、まずは地場の工務店との競合を避けます。
 なぜなら、商談が長引くほどプレハブ住宅は不利になるのです。
 それは・・・おっと、続きは本文でお楽しみ下さい。

 でも、大和ハウス工業は数年前、木造住宅を扱う子会社の「大和団地」を
 併合しました。(単体売上が増えた要因のひとつでしょう)
 積水ハウスも「シャーウッド」という木の家を造っています。

 「木造は、火や地震に弱い・・・」のに、造っているのでしょうか…??
 営業マンに聞いてみたいですネ。(笑)

 では、今週の本文の始まりです。 

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    ▼業者選びの鉄則!  ~本当に仕事を依頼できる業者とは~
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 今回、少し私の実家の話をしましょう。

 私の生まれた家は、瀬戸内海に浮かぶ島のなかにあります。。
 今秋の町村合併を控え、4つの町からなる比較的大きな島です。
 高校生までこの島で育ちました。

 家は、6年程前に92歳で亡くなった私の祖父のお母さん(つまり曾祖母)
 が物心ついたときには建っていたという、年代物の木造住宅です。
 少なく見積っても百十年以上は経っているでしょう。

 私が子供の頃は、まだ五右衛門風呂で、かまどのある生活でした。
 宮崎駿監督の『となりのトトロ』を見たときに
 「昔のわが家にそっくりだ!」と、大変懐かしく感じたものです。

 現在も、少しずつ改装しながら両親が住んでいます。

 ちなみに、この島の中にある『東和町』は、
 昭和50年の総務省の統計が始まって以来、
 25年以上、高齢化率全国1位でした。
 なんと、65歳以上人口が、5割を超えているのです。(*_*;)

 積水ハウスの首位陥落ではないのですが、
 この島は暮らしやすく、今では、都会で定年退職した人たちが
 60歳前後でUターンしてきます。
 (住民の中で60歳は若いほうになるのです)

 『老人』一歩手前のこの人たちが、高齢化率を下げ、
 三重県の紀和町に「統計史上初めて首位を明渡した」のは最近のことです。

 定年退職者が、「若いもんが帰ってきた!」と歓迎される島です。(^o^)丿

       ●———————-
         地震や台風に強い家?
        ———————-●

 日本は地震の多い国です。
 広島でも、3年前に安芸灘地震があり2人の方が亡くなりました。

 この10年間でも、台風19号や集中豪雨による土石流、がけ崩れなどで
 多くの家屋と人命が失われているのです。

 住宅は、快適性や使い勝手だけでなく、
 自然の猛威や外敵から家族や財産を守る器でなければなりません。

 そこで、メーカー各社は様々な工法を開発し、
 「耐震設計の出来た高規格住宅です!」
 と、懸命にPRしています。

 特に、阪神淡路大震災で、在来工法の木造家屋が数多く倒壊したので
 大手ハウスメーカーは、こぞって

      「木造住宅は地震に弱い」

                  と喧伝していきました。

 しかし、ビルや橋げたなどが倒壊しているのを見ても、
 「鉄筋コンクリートだから地震に強い」と言いきれるのでしょうか?

 倒壊したのは、
 耐震基準が緩やかで、ハウスメーカーの家が少なかった昭和四十年代以前に
 建てられた家や、違法な増築、建築基準法違反の建物がほとんどでした。
 (私も現地に行きました)

         ▽ ▼ ▽ 

 住宅業界では、全国に知られている小さな工務店(というより建設会社)が
 私の実家の近く、山口県の岩国市にあります。

 このY社の会長は私が独立以前に大変お世話になりました。m(_ _)m
 人口10万人ほどの岩国市で、知らない人がいないといわれるほどの
 建設会社です。

 平成3年に、西日本から東北にかけて、
 台風19号が大きな爪あとを残しました。
 死者62名、住宅の全壊・流失506棟という記録が残っています。

 この台風が大分の豊後水道から広島に上陸した頃、
 Y社の会長は、すぐに建築金物店や資材業者に連絡を取りました。

 「ブルーシートをあるだけ用意しておいてくれ!」

 怒涛のような風雨の中、この会長はトラックで走り回り、
 ブルーシートを持って、これまで建てさせていただいた施主の家を
 1軒1軒まわっていったそうです。

 台風は、上陸すると直に風雨もおさまります。
 Y社の社員は、手分けして施主の屋根にブルーシートをかけていきます。

             ・
             ・
             ・

 「ブルーシートを買い占めて、儲けたんだろう」・・・って?
 確かに、需給バランスが崩れた時、必ずそのような商売人は出てきます。

 でも、Y社は数日間、恐らく数百棟の家にブルーシートをかけてまわり、
 1円のお金もお客さまからいただいていません。

 阪神淡路大震災のときも、広島から瓦職人やリフォーム業者など
 多くの仲間が応急手当のために、現地に乗り込みました。
 「日当いくらくれるの?」ではなく、人道的な参加でした。

 災害から一週間以上経って落ち着いた頃・・・
 倒壊や焼失を免れた建物の写真を撮りに、数名のスタッフが現れます。

 「阪神淡路の震災で実証された、○○ハウスの耐震性!!」(-_-;)

        彼らが撮影した写真は衝撃的なカタログとなります。

 あなたは、

 ▼自宅が自然災害に遭っている最中に
  自分の家族や自宅にわき目も振らず駆けつけてくれる地元の業者

  と、

 ▼片付けが終わって、虚脱感に襲われた後に
  証拠写真を撮りに来る企業

 のどちらに、大切な家を建ててもらいたいと思うのでしょうか・・・?
 科学で実証された耐震性能!?

 私の実家は、木造で百年以上自然災害に耐えて建ち続けています!
 百年以上、現に使われているプレハブ住宅があるでしょうか・・・?

       ●——————-
          職人賛歌!!
        ——————-●

 私の実家は祖父の時代から、石工の職人です。
 昔は、段々畑の石垣や石積みの護岸工事などをしていました。
 今は兄が土木工事の請負業をやっています。

 私は、近頃話題復活(?)の「3兄弟」の末っ子で、
 高校生の頃から、現場のアルバイトを随分させられました。
 私たちが手を出せるのは、「石」ではなく「コンクリート」でした。

 鉄筋を組んだり、型枠づくりの補助、コンクリートの打設などです。

 大工さんと同様に、「木」や「石」などの自然素材を扱うのは、
 熟練した職人でなければいい仕事は決して出来ません。
 だって、見る人がみれば、すぐに分かるのですから。

…………‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・‥‥‥‥…………

 私が、独立前に京都の工務店の何社かに出入りしていた頃・・・
 プライド高き京都の工務店の社長たちが一目を置く、棟梁がいました。

 今はお亡くなりになりましたが、中村外二さんという方です。

 北陸出身で、すごい技能と材料を扱い、
 坪単価300万円以下の仕事はしない・・・(◎_◎;)
 知る人ぞ知る棟梁だったそうです。

 彼が、宮崎県のリゾートホテルの離れとして和風建築を請負った時、
 ちょうど台風19号が直撃しました。

 棟梁は設計者との打合せをしています。

 現場で作業していた大工達は、一目散で現場を上がり
 旅館で風呂にでも入りくつろごうとしていた矢先・・・

 「お前たちは、何をやっているんだぁ~!!!」

 中村棟梁の怒鳴り声が、旅館中に響いたそうです。

 「こんな台風は何十年に一回しか拝めないんだぞ!
  お前たちがやった仕事が、この風速でどの位の『たわみ』になるのか
  自分の目で見る絶好の機会だというのが分からないのか!!!」

 私の親父も、台風のときは深夜でも私たち兄弟を叩き起していました。
 数多くの現場を見ることで、地すべりの前兆も肌で感じ、
 その対応策も分かるようになるのです。

 実験室で行なう試験は、予測可能な力を分析しているのでしょう。
 しかし自然の猛威の前では、不測の事態が起こりがちです。

 関東大震災でも1棟も倒壊しなかった
 『五重塔』をつくる木造住宅の技術が失われつつあるとして、
 木造という構造が地震に弱いと考えますか?

 私は、「工法」よりも誰に(どこに)頼むかが重要だと知っています。

 ⇒次週に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●宮大工千年の知恵       松浦昭次  [祥伝社] 
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4396611099/cmshiroshima-22

 ↑全国各地の国宝や重要文化財建造物の修理工事を行なっている現役の棟梁
  が書いた珠玉の一冊。「江戸時代以降、大工の腕が落ちた」と語る宮大工
  の目には、今の住宅産業はどう映っているのだろうか?

  木造建築の大工棟梁としては、故西岡常一氏についで二人目となる「技術
  者の人間国宝」に認定されているそうです。日本の建築は中世が一番いい。
  しかも、畿内ではなく瀬戸内海地域にいい建造物が多いそうです。

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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   ↓  ↓  ↓
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆

     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
        ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 静岡に「菊池建設」という、桧づくりの家で有名な住宅会社があります。
 亡くなった先代社長が情熱を傾け、
 富士のすそ野に大工養成の専門学校をつくっています。

 この学校では、毎年『耐力壁コンテスト』を行なっているそうです。
 180センチ四方の枠(柱と梁を想定)をつくって
 筋交いや合板張りなどで、補強します。

 柱の頭同士をロープで結び、綱引きです。
 耐力の弱い壁は、変形し勝負が決まります。

 私の独立前の上司は、この会社の元設計室長で静岡支店長兼務でした。
 法隆寺の棟梁で知られる故西岡常一さんにも弟子入りしたそうです。
 木造住宅が大好きなその方が、自慢そうに語ってくれました。

 「一体、どんな耐力壁が勝ったと思う?」

 指導員をしている熟練大工が、手刻みで加工し、
 貫き(横材)を通した枠が優勝したそうです。
 伝統的な、仕口や継ぎ手は強いのです。

 筋交いをクロス(ダブル)に入れたものや、
 壁倍率3倍といわれる2×4工法と同様な
 合板張りの壁たちを破って・・・すごい!ですよね。

 では、今週のまとめです。

 1.業者選びは、
   「災害があったときにスグ駆けつけてくれるか?」で判断したい。

  ⇒クレームでさえ「担当者は転勤しました」と対応する企業がいいですか?

 2.工法ではなく、施主が直接社長と話ができ、
   本当に家づくりが好きな社長が運営している企業にしたい。
   (企業規模には関係なく)

  ⇒日産も、車好きの外国人社長になって、企業が変わりました(^_-)<☆

 3.社長の乗っている車でも判断できる。

  ⇒外車に乗って運転手付きの社長と、
    国産の中級車で現場を飛び回っている社長のどちらを選びます・・?
 
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_11.htm

  ↑コラム『クレームは天の声』
   クレームに正直に立ち向かう企業が施主の支持を集める!
  (若本が書いたコラムに関連知識を載せています)

【 編|集|後|記 】

 今回は、実家の話をしました。

 山口県の岩国市は『錦帯橋』でも有名です。
 木造でつくった、五連のアーチ橋が、美しい風景をつくっています。

 その『錦帯橋』が今年、
 3年の歳月をかけ半世紀ぶりに架け替えられました。

 ■完成した錦帯橋を写真に撮ってきました!(^o^)丿
 http://www.cms-hiroshima.com/kintai_brg.htm
 (是非ご覧下さい。凄い技術と構造美です。)

 図面も残っていないこの名橋は、地元大工のカンと経験で造られて来ました。
 今回は、東京大学と早稲田大学が共同の研究チームを組み、
 「技術の伝承」と「匠の技」の解明に挑んだのです。

 1999年、地元の大工31人が架け替えのための組合を設立しています。

 ▼「岩国伝統建築協同組合」
  http://www.axis.or.jp/~daiku/

 専務理事の中村雅一さん(46歳)の新聞記事が気になりました。

=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=

 架橋は三年度にわたる大事業。
 かかりっきりになる半面、稼ぎにはならない。
「ぜいたくしなければ(生活は)何とかなるだろう」。
 自分の仕事はひとまず置いた。
 妻も働き始めた
 《中国新聞 平成16年3月6日朝刊》 ※一部抜粋

=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=…=

 どうして・・・?

 15歳から大工の世界に入った熟練の職人が
 世紀のプロジェクトに参加したがために、
 妻をパートに行かせなければ生活が苦しい・・・?

 この事業の総事業費は、26億円。
 新潟のマツや長野のヒノキなどの購入費が約12億7千万円。

 一体誰の手元にお金が渡ったのでしょう・・・?
 このお金がもし、あなた自身が自宅を建てる資金だったとしたら・・・
 
 未だに、給料払込ではなく手渡しをすることで、
 社員のモチベーションを高めている中小企業もあると聞きます。

 あなたは、腕のいい職人たちと現場で話をしながら
 きちんとお金を渡したいとは思いませんか?
 だって、家づくりは「事業」なのですから。
 では、また来週♪

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 ◇ 次回予告
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          ▼ 担当者の見分け方! ▼

         ~信頼できる担当者を探そう~

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 『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
 住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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