2004.9.09 第33号
ローコスト住宅の本質 ~坪30万円と50万円の差とは~
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.033━2004.09.09━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第33号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数2,354》
【バックナンバータイトル一覧】
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⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
・ローコスト住宅の本質
・今週のお勧めサイト
・お勧めBOOKS
・今週のワンポイント・アドバイス
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは。発行者の若本です。
先日来より吹き荒れた台風で、夏の暑さもオリンピックの熱気も
あっという間に吹き飛んでいってしまったようです。
アテネオリンピックでは、日本人の活躍が目立ちました。
日本人のメダル数は過去最高となり、北京でも活躍が期待できそうです。
高校野球も、真紅の優勝旗が初めて津軽海峡を渡りました。
どちらも、選手の頑張りはもちろんのこと、
指導者によってもずいぶん結果が変わることが再確認できました。
優秀な監督やコーチによって、潜在能力は大きく引き出されるのですね。
家づくりも「発注者」つまり施主によってずいぶん出来る家が変わります。
采配ひとつでやる気になったり、能力が発揮できなかったり・・・
いい家が欲しければ、家の研究もさることながら、
家づくりに携わるプロの人たちの能力を引き出す研究も必要です。
発注者だからと「我」を張りすぎると、ちぐはぐな家が出来てしまいます。
要望はきちんと伝え、しっかり信頼することで、
プロは自分の持っている以上の力を発揮するようになります。
ご自分だけでは難しければ、優秀な「コーチ」を付けましょう!
お近くの方でしたら、私もコーチに名乗りを上げます。(笑)
では、今週も最後までお付き合いください。
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▼ローコスト住宅の本質 ~坪30万円と50万円の差とは~
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最近、相談の中でよく話題に出るのが、坪単価に関するものです。
「ローコスト住宅の坪単価はなぜあんなに安いのですか?」
「坪25万円と、坪50万円の価格の差はどこにあるのですか?」
「若本さんに相談すると、坪単価どのくらいの家になるのでしょうか?」
普通、住宅会社(ハウスメーカーや工務店)に聞くと、
「坪25万円でまともに住める家なんかできやしない。
結局は坪45万円くらいにはなるんだ!ローコスト住宅はまやかしだ!」
というような回答が返って来るでしょう。
でも、あまり説得力が無いですよね?
実は、ローコスト住宅には一般にはあまり知られていない本質があるのです。
業界通の私としては(笑)、読者限定でその本質を探ってみたいと思います。
ゲリラ的に価格競争を仕掛ける、変な業者は別として
ローコスト住宅には、大きくふたつの隠された秘密があるのです。
※ ゲリラ的な業者とは、利益を度外視して受注し手抜きをする業者です。
(くれぐれもゲリラ的ローコスト住宅につかまらないように!)
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「業態」を考える
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ちょっと難しい言葉が出ましたが、
家づくりが多様化し、新しい「業態」としてローコスト住宅が増えています。
例えば、小売業というと昔は多くが「パパママストア」でした。
八百屋さんやタバコ屋さん、呉服屋さんなどです。
それが、消費が多様化して、食品スーパーや百貨店、コンビニエンスストア
やディスカウントストア、百円ショップなど、多種多彩になってきました。
この、「コンビニ」とか「食品スーパー」というのが業態です。
業種は「小売業」で業態が「コンビニ」
つまり売り方、サービス提供方法、価格設定などが従来とは違うのです。
同じモノでも安く買えるのは、「セルフサービス」の多いところです。
スーパーも、ファミレスも、ガソリンスタンドも・・・
皆さんにも想像つきますね!?
ローコスト住宅も、訳あって安い価格を提示できているのです。
▽ ▼ ▽
近畿や東海地方にお住まいの方は、
「ザ・めしや」というレストランをご存知の方も多いでしょう。
私も出張の折りには時々お世話になっていました。
カフェテリア形式のファミリーレストランで、
数十種類のおかずを自分で選んで、レジで精算してもらうというお店です。
最近、増えている「さぬきうどん」のお店も、似たコンセプトです。
簡単にいうと・・・
はじめにトレーを手にして、
「ふむふむ、さばの煮付けもいいな、冷奴も欲しいし、
ミニうどんもあるのか・・・、野菜も取らないといけないし
デザートにショートケーキもいいなぁ・・・
ごはんは、炊き込みもいいけど、あっ!寿司もあるんだ」
それぞれは、普通のお店の単品の価格よりも安く、
料金も明快なので、お客さんも安心です。
レジに行って、精算すると・・・
「ありがとうございます。920円でございます!」 m(_ _)m
表の看板の安さに釣られ、中に入って豊富な種類のおかずに心が動き、
そして、〆てみたら他のレストランのほうがもしかして安かった??(-_-;)
私も随分経験がありますが、
結局自分自身が食べたいと思って、価格を見てトレーに乗せたものです。
少し高くついても、自分が選び、自分の胃袋に入ったのです。
ごはんと味噌汁とたくあんだけなら、例えば200円で食べられます。
200円だけで昼食を済ませてもお店の人は何も言いませんし、
特に無理やりおかずを買わせようともしません。
だから看板には、200円で食べられるように書いています。
でもレジに行くと、別に安くないんですねぇ・・・(^^ゞ
これを住宅業界で新しい「業態」として考えてみて下さい・・・
どうです、分かりましたか? (^_-)<☆
坪25万円でも建つが、ついついあれもこれもと選んでしまう。
そんな顧客心理をついたビジネスの「業態」です。
※ 実際には必ず別途附帯工事などは発生します。
車でも車体価格以外に諸費用やガソリンなどが必要でしょう?
これは百円ショップでたくさん買い込むのも同じ顧客心理です。
ひとつひとつが安いので、ついいろいろ買ってしまうのです。
結果として、出費がかさんでも、お客さんに不満はありません。
飲食店でも、和食レストランやフランス料理などの専門店や、
時間制限で「いくら食べても料金いっしょ!」のバイキング料理、
街角の定食屋やファーストフードのお店があるように、
これまで同じに見えていた住宅会社も、それぞれの特長があるのです。
味のうまさや素材の良し悪し、サービスの質に必ずしも価格が比例せず、
これまでの常識を破るのが、新しく登場してきた「新業態」のお店です。
古い業態の企業は、必ず新しい価格戦略を打ち出す企業を否定します。
皆さんは「ローコスト」というだけで、うがった見方をせず、
その業態の本質を見極めたいところです。
だって、回転寿司を否定していた老舗の寿司屋さんは、
素材の良さで消費者の支持を集めて繁盛していますか・・・?
腕や素材が良いからではなく、お客さんが少ないから、
料金を高くしないとお店を維持できないのかも知れません。
「時価」よりも「一皿100円」が支持を集めるのも顧客の要望なのです。
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労働生産性
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またまた難しい言葉が出てきましたネ。
ローコストというと、材料を落とし手抜きするというイメージがありました。
確かに建売り業者を中心として、そんな会社もまだたくさんあります。
しかし最も効果があるのが、この「労働生産性」なのです。
労働生産性が上がれば、住宅のコストは下がっていくのです。
そのためには大変な努力と裏付けが必要なので、
普通の会社は圧倒的に手を抜くほうに流れてしまいます。
信念を持って「ローコスト住宅」を手掛けているところは
この「労働生産性」に対して指標を持っています。
自動車でも家電でも、日本企業が国際競争力を持ったのは
この指標をしっかり持って、日々改善努力をしてきたからです。
残念ながら、住宅業界はあまりこの努力はしてきていませんでした。
自動車業界や家電業界のトップが参入しても、状況は同じです。 (-_-;)
(閑話休題....)
製造業では、生産現場(工場)の労働生産性を高めていきます。
だから、製品1個あたりの単価は下がり、しかも品質に影響しません。
住宅は、建材メーカーが工場での生産性を高めても、
販売の現場や建築現場では、生産性がかなり低いのです。
▼『販売の現場』つまり、お客さんと工事の契約に至るまで、
どれだけのお金と人間を投入しているかということと、
▼『建築現場』で職人さんが手を休めることなく、
次々と仕事をこなして、年間どれだけ棟数を上げられるか・・・
このようなところに『指標』を設けて、改善していくことが必要です。
これが出来ていないところに、ローコストになる根拠はありません。
『ローコスト住宅』の本質は企業の『ローコスト・オペレーション』です。
まず、次回は『販売の現場』の労働生産性を考えます。
(ちょっと難しくなりそう・・・?)
⇒ 次週に続く
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▼今週のお勧めサイト
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今週は、他のメルマガで知った、欠陥住宅に苦しむ消費者のサイトです。
以前にもお勧めメルマガで紹介させていただいた菅原さんのメルマガ
『住宅で欠陥に遭いたくない人マガジン』の読者投稿欄を読んでいて、
欠陥住宅被害者が手記をホームページで公開していることを知りました。
●『住宅で欠陥に遭いたくない人マガジン』
⇒ http://www.melma.com/mag/02/m00069002/
※ 8月26日のバックナンバーで紹介されています。
私もそのホームページを見て、このメルマガでも紹介したいと、
投稿された九州の笠松さんに連絡を取ってみました。
以下、私が笠松さんにお送りしたメールです。
===<ここから>======================================================
> 笠松さま
>
> はじめまして、こんばんは。
> ハウスプラスワンの菅原さんが発行されている『住宅を欠陥から防御する
> マガジン』を購読していて、笠松さんのメッセージを拝見しました。
>
> 私も菅原さんと同様、住宅関係のメルマガを発行している業界人です。菅原
> さんとはメルマガ相互紹介も行い、彼の小冊子も購入させていただきました。
> 私のメルマガは欠陥住宅だけがテーマではありませんが、家づくりに一般消
> 費者が陥りやすい間違いやリスクなどを、専門家の立場でより多くの方に知
> らせることが出来ればと、毎週メルマガを発行しています。
>
> 【メルマガ バックナンバータイトル一覧】
> http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/melmaga_bn.htm
>
> 業務として欠陥住宅の調査も幾度か行なった経験もあり、購入者の精神的負
> 担・経済的負担は、経験した方でなければ決して分からないということも理
> 解しているつもりです。
>
> 病気や事故も「予防」をしていれば、何ら気づくことなく平穏な生活を続け
> られていたのでしょうが、発症または発生してしまったら、原状回復だけで
> も容易ではありません。
> だから、何よりも「予防」に力を入れるべきだろうと私は考えています。
>
> 「予防」のためには「危険予知」も必要で、事例を示すことは大変効果のあ
> る方法のひとつだと思います。
>
> しかし、「あなただって、このような欠陥住宅をつかむ可能性がある」とい
> うことを、これから家を建てようとしている、夢が膨らんでいる状態の方は
> あまり考えていません。
>
> 今回、笠松さんのホームページを拝見して大変勇気ある行動に敬意を払うと
> 同時に、私のメルマガでも是非ご紹介させていただければと思いご連絡させ
> ていただいた次第です。
>
> 私は、家は『購入』するものではなく、人生最大の『事業』だと考えていま
> す。事業だから施主は資金調達をして、さまざまな外部のスタッフを動かす
> 発注者・プロジェクトリーダーです。
>
> 会社を興す、新規事業をはじめるということと似たところがあり、多くは失
> 敗します。ビジネスの場合は、軌道修正してやり直すことができますが、建
> 物の場合はそうはいきません。
>
> だから発注者自身も十分勉強してもらうことも必要ですし、ビジネスでも助
> 言を行なうコンサルタントがいるように、家づくりでも「請負をする業者
> (設計も請負です)以外の中立的な専門家」がコンサルタントとして助言や
> チェックを担うという仕組みがあってしかるべきだと私は考えています。
>
> 下記署名に私のメルマガのURLを記載しておきます。
> 現在、複数のメルマガ発行サイトから2300部強の発行部数です。
> 笠松さんの「痛み」が、私の読者のみならず、これから家を建てようとする
> 人たちへの「危険予知」として発信できればと存じます。主旨に共感いただ
> けるようでしたら、是非返信のコメントをいただければ幸甚です。
>
> 突然のメール失礼いたしました。
===<ここまで>======================================================
翌日には笠松さんより、掲載了解のメールが届きました。
私がメルマガを発行している舞台裏では、
このように日常的に有益な情報を求めてアンテナを張り、
読者やこれから家づくりをする人たちに自分自身の時間を費やしています。
(メルマガを書く労力だけではないのです・・・) (^^ゞ
それだけ、消費者がにわか勉強したくらいでは追いつかないほど
家づくりは奥が深く、私自身も日々勉強しなければならないのです。
笠松さんの欠陥住宅は、ある特定工法で起こったものです。
私もよく知っていて、研究熱心でイメージの良いグループの工法です。
笠松さん自身も、この工法の熱烈なファンで、
セミナーに参加したり、自身が講演会を主催したこともあったそうです。
そして、ようやくわが家も、憧れのその工法で家を建てました。
その結果がホームページに詳しく書かれています。
■ソーラーハウスとシロアリ
⇒ http://www.ccn2.aitai.ne.jp/~kiyomi-k/
私は、特定工法に対して否定や肯定をする立場ではありせん。
今回ご紹介したのが、たまたま特定工法のグループの家でした。
私もいいイメージを持っていたグループなので、
驚いたというのが正直なところです。
しかし、欠陥住宅というのは、どの工法、どの家庭でも
遭遇する可能性があることを知っていて欲しいのです。
決してつくる側も欠陥住宅を予期せず、
悪意がなくても発生することがあるのです。
(若本)
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●宮脇檀の「いい家」の本 宮脇檀 著 [PHP文庫]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/456966248X/cmshiroshima-22
↑とうとう宮脇さんの本を紹介することになりました。(^o^)丿
住宅設計をしている建築士で知らない人がいない、建築家の故宮脇檀さん。
私も憧れ、学生時代、代官山の事務所でひとときお世話になりました。
-わたしの華々しい登場作―――石津謙介さんの別荘「モウビイディック」
のあの美しい局面屋根は、十三年間雨漏りが止まらぬ、言ってみれば
決定的な欠陥住宅であったのだ。 <序章より抜粋>
そんな本音を書き綴った宮脇さんの軽快な文章は、故人となった今でも
家づくりの『本質』を生き生きと感じることが出来るでしょう。(若本)
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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ローコスト住宅には賛否両論があります。
同じ品質や機能であれば、安い方がいいのでしょうが、
安い根拠が不透明で、品質や性能にも疑問が多いからです。
その多くは小手先だけのテクニックでお客さんを集めようとしています。
価格設定だけでなく、床面積の算定やら何やらで、ごまかしもあるのです。
このメルマガでは手口までは紹介できませんが、お客さんが『坪単価』に
こだわる限り、このような手口は次々と研究され世に出てきます。
いい加減「お宅の会社は坪単価いくらでできるの?」
というのはやめましょう。実は相手の思うツボなのです。(>_<)
▼こんな『ローコスト住宅』の会社は危険です。
・他社の犠牲で自社だけ儲けようとする住宅会社
(⇒手抜き欠陥住宅に・・・)
・広告に安く表示するためのテクニックを研究する会社
(⇒結局、最終価格は同じ?)
自社の身を削ってでも、信念を持ってコストダウンに取組む会社が
本物の『ローコスト住宅』を建てることが可能です。
それは利益を削るのではなく、創意工夫をするということです。
そもそも、『ローコスト住宅』という売り方が誤解を生んでいます。
耐久消費財で、ローコストをうたい文句にした製品はあまりありません。
まずは、機能やスペックがあって、価格の判断基準とします。
この仕様や性能で、他と比較して高いのか、安いのか・・・
多額のお金を使うもので「ローコスト」や「ロープライス」とPRされても、
購入する本人もあまり「買い得!」と誇らしくは思えませんよネ。(-_-;)
まずは、「ハイクオリティ」を求め、「意外と安ければ」お買い得です!
安く買ったことをおおっぴらに知られないから価値があるのです。
「大量に購入するから、弊社の住宅は他社より安く建てられます!」
「メーカー直の仕入れだから、どこにも負けません!」
そんなセールストークを聞くケースがあるかも知れません。
しかしそんな幻想は、住宅業界にはほとんどありません。
私はフランチャイズの本部にもいたから実態が分かります。
ダイエーが苦しんでいるのは、有利子負債の大きさだけではありません。
昔のように圧倒的な安さも豊富な品揃えもないからです。
あれだけの仕入れの量と売上高を誇っていても、
オペレーション・コストが高く、収益が出ない構造になっているのです。
そして従業員の士気があまり高いと思えない・・・?
(ダイエーの関係者がいたらスミマセン) m(_ _)m
規模が大きくなればなるほど、間接経費が膨らみ、
安く仕入れた分が、社内のコストに消えていきます。
もし、あなたがハウスメーカーの営業担当者から
「弊社は部材を大量に買い付けているから、コスト競争力があります」
と、心を動かされたら、仕入れが安くても安くは販売できない背景を知る
必要があるでしょう。
詳しくは私のビデオセミナーで語っています! (^_-)<☆
■住宅のコストを下げる8つのポイント
http://www.cms-hiroshima.com/video_mailmag.htm
では、今週のワンポイントアドバイスです。
☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆
1.『ローコスト住宅』の本質には大きく2つある
2.1つは、価格の表示方法を考えた「新業態」ビジネスである
3.もう1つは、「労働生産性」を高める経営努力をしているか
⇒ 3が重要なのはいうまでもないですね! (^_-)<☆
☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_23.htm
↑コラム『適正規模』
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
【 編|集|後|記 】
「若本さんに相談したら、坪どのくらいの家ができるのですか?」
やはり時々こんな質問を受けます。
最近は少なくなりましたが、回答に納得いかなければ
同じ質問を住宅メーカーにも工務店にも聞いて回ります。
設計事務所に行ってまで聞いている人もいます。
このようにして自らワナにかかる消費者は結構いるのです。
自動車を買おうとして、あるいはパソコンを購入しようとして、
いきなり「お宅はいくらで売ってくれるの?」という人はいないでしょう。
ご自分の要望を伝えるから、あるいは自分が買える価格帯を知っているから
その予算で買えるものをプロが助言してくれるのです。
坪単価ではなく、支払い総額を自分なりにつかんでおくことが必要なのです。
家電製品で、「大きいから部品点数が多くて高くなる」というものは
製造の難易度の高い、液晶画面やプラズマテレビくらいでしょう??
普通の製品は大きさに価格は比例しません。乗用車だってしかりです。
7人乗りのシートだから、一人当たり単価が・・・
車でこんな計算をしません。
5人乗りのセダンでも、グレードによって違うのです。
自分自身が欲しい(または買える)価格帯やグレードがあって、
そのグレードを実物で見て、見極める「目」を持っていること。
これが、高額なものを買うときに消費者にも必要な能力です。
それを持たずに「私たちは素人ですから・・・」というと
坪単価だけで、家づくりが決定してしまいます。
くれぐれも『坪単価』を一番の判断基準にしないことです。
ではまた来週♪
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◇ 次回予告
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▼ 労働生産性を見よう!(販売編) ▼
~住宅を高くしている元凶とは~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
【発行者が携わっているサイト】
▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
http://www.cms-hiroshima.com/
▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
http://www.sumainokihon.com/
▼ 住宅にユニクロ方式の生産システム『セルフ・ビルド・プロジェクト』
http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html
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無断転載を禁じます。
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