2004.11.22 第42号
敷地を選ぼう! ~土地選びの基礎知識~
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.042━2004.11.22━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第42号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数2,472部》
【バックナンバータイトル一覧】
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⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
・敷地を選ぼう!
・今週のお勧めBOOKS
・今週のワンポイント・アドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは。発行者の若本です。
今、広島発の新しいビジネス情報誌発行にタッチしています。
クーポンつきのフリーペーパーは増えていますが、
今回の情報誌は企業向けのビジネス系フリーペーパーです。
月刊『ナレッジひろしま』
⇒ http://www.knowledge-hiroshima.jp/
ここでは『中小企業診断士』として、コラムを担当しています。
住宅関連だと話題がたくさんあるのですが、ビジネス向けとなると、
守秘義務のある相談内容を書くわけもいかず・・・(^_^;)
来年2月から毎月発行となるので、先週編集会議に参加してきました。
住宅業界だけでなく、閉塞した地方経済を変えるために、
新しい情報発信をしていきたいと思います。
広島在住の方は、無料で企業に直接送付されるようです。
是非、社内で回覧くださいネ。(^^ゞ
では、今週も最後までお付合いください。
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▼敷地を選ぼう! ~土地選びの基礎知識~
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住宅は他の製品と違い、土地と切り離しては考えられません。
どこに建てるかによって、生活環境だけでなく建設コストも変わってきます。
今年、全国各地で台風や豪雨、地震など自然災害が多発しました。
被害にあった家屋の多くは、建物の構造や性能よりも、
立地によって被害の差が出たのではないかと思われます。
集中豪雨で床上浸水してしまった家屋や、
地震の地すべりによって押し流された家屋、
新潟県山古志村で天然ダムにより水没してしまった民家など・・・
私の住む広島でも、夜景の綺麗な高台の新興団地では、
台風18号(最大瞬間風速が広島で70m超)の影響で、
窓ガラスが割れたり、サッシやシャッターが壊されたりしました。
土地選びは、単に周辺の利便施設や坪単価だけで決めないことが肝要です。
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外壁にクラック?
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もし、皆さんが数十年もの住宅ローンを組んだ新築住宅で、
入居後数年しか経たないのに、外壁にひび割れが出てきたらどうしますか?
すぐに施工した業者さんを呼び、原因を聞いてみることでしょう。
その時、業者さんは何というでしょうか・・・?
下記のような説明を受けるかも知れません。
「このクラックは構造には特に問題はありません。
材料の収縮で出てしまうものなのです。」
まずは、自社の非ではなく、素材の特性によるものだと説明します。
なぜなら、仕上がった外壁を直すのは大変なコストが掛かるからです。
できれば何とか口だけでごまかしたい、最悪の場合でも、
弾性塗装かコーキング施工くらいで逃げておきたいと考えます。
大手ハウスメーカーの軽量鉄骨で3階建ての家を建てたAさんは、
補修くらいでは納得しませんでした。
外壁のサイディングを張り直してもらったのです。
恐らくメーカーの現場担当者も非を認めたのでしょう。
しかし、Aさんの建物それだけで済みませんでした。
数ヵ月後、また外壁にクラックが入りました。
今度は、駐車場のモルタルに亀甲状のクラックです。
異変に気づいたAさんは、ハウスメーカーの責任者を呼んだところ、
そこで、『不同沈下』という耳慣れないことばを聞かされました。
ごまかせないと思ったメーカーが、ようやく本当の原因を説明したのです。
▽ ▼ ▽
不同沈下とは、敷地の地盤が軟弱で、場所によって固さが違うため、
建物が均等に沈まず、ねじれが生じる沈み方です。
外壁のクラックの原因は、外装材や構造材の問題ではなく、
基礎が動いていたのです。
だから、外壁を補修してもすぐに新たなクラックが発生します。
こうなると、地盤改良や杭打ちなど、大変な作業が必要となります。
補修するとなると、業者側も大変な負担を強いられます。
もし、外壁にクラックが見つかったら、
建物をぐるりと回り、基礎にクラックがないか、確認してみましょう。
もし、基礎にクラックがきているようでしたら、不同沈下の疑いがあります。
2000年に、欠陥住宅を防ぐための新しい法律が施行されました。
『住宅品質確保促進法』(略して『品確法』)です。
この法律により、基礎や構造などに重大な瑕疵が見つかった場合、
業者側に10年間、無償で補修するように義務付けられたのです。
昔のように地盤調査もせず、住宅を建てる業者は少なくなりました。
しかし、地盤によって基礎のグレードが変わる場合もあり、
見積時に基礎工事が別途になっている業者もいるので気を付けましょう。
「そんなバカな!」 と思うかも知れません。
しかし、大手ハウスメーカーの作成した資金計画書で
私自身がそのような記載を見つけてビックリしたことがあります! (*_*)
「地盤調査をしてみなければ、布基礎かベタ基礎か決められません!」
確かに、そういう屁理屈はあるかも知れませんが・・・
最近の価格競争の中で、大手ハウスメーカーでさえ
建築本体工事を安く見せるテクニックが横行しています。 (-_-;)
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接道義務!?
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私の事務所で土地に関する相談を受けることも増えてきました。
ご自分で捜して来た割安な土地で、
家を建てることが可能だろうかというご相談です。
土地が周辺相場よりも極端に安い場合は注意が必要です。
それがたとえ不動産情報に出ている物件でも・・・
多くは狭い路地を入ったような中古住宅を土地付きで販売しています。
中には更地にして、新築住宅が建てられるようなイメージの物件もあります。
小さく、「再建築不可」とか「建築審査会の同意を要する」
といった特記事項が書かれています。
何を意味するのか分かりませんよね!?
でも、不動産屋さんが売っているのだから大丈夫だろうって・・・?
このような土地は例え安くても買ってしまうと大変です。
新築の住宅を建てるには、『接道義務』というものがあります。
簡単にいうと、4m以上の道路に
敷地が2m以上接している必要があるということです。
接道義務違反の土地で、基本的に住宅を建てることは出来ません。
狭い袋小路のような路地では、
消防車や救急車などの緊急車両がなかなか入って行けません。
だから、新しく建てる住宅では、
車が離合できる道路に面していることが求められているのです。
安いからといって、そんな土地を買ってしまったら、
資材置き場などにしか使えないでしょう。
あるいは、確認申請の不要なリフォームをして住むかです。
土地選びは、さまざまな落とし穴があります。
不動産屋さんが本当に消費者の立場で土地選びをサポートしてくれたら、
土地に関するトラブルはなくなるのでしょうが、
そんな不動産業者が少ないため、私たちも困っているのです。 (-_-;)
⇒ 次回に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●誰も教えてくれなかった宅地・地盤の話 橋本光則 著 [ザメディアジョン]
↑以前紹介しましたが、先日ご本人からメールをいただきました。
検索サイトで、私のメルマガを見つけられたようです。
このたび、見本誌として10冊提供いただきました。
下記読者感想をいただいた方、先着で10名様にご提供いたします。
ふるってご応募ください!
▼ご応募はこちら⇒ http://www.cms-hiroshima.com/present_book1611.htm
☆★ 著者の橋本さんが所属する会社ホームページも参考になります ☆★
■三友土質エンジニアリング(株) 本社:岡山県
⇒ http://www.sanyu-doshitsu.com
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アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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バブル崩壊までは、土地神話によって土地は上がり続けていました。
その影にあって、建物の品質はしばらく目を向けられていませんでした。
従来は宅地には不向きとされた沼地やがけ地でも
どんどん開発され、昔の面影を残さない住宅地となっていきました。
平野の少ない広島でも、ずいぶん山を切り開いて団地開発が進みました。
昔は海岸線だった埋立地にも、マンションや戸建て住宅が建っています。
土地を購入しようとする場合は、
まず昔の地図を入手することをお勧めします。
山を切り開いた団地でも、宅地造成前の地形図があります。
宅地販売業者に言えば用意してくれるはずです。
地耐力検査ももちろん大切ですが、
昔、水害にあったとか、がけ崩れがあったという
地元の人の話も聞いておきたいところです。
建物だけをいくら立派なものにしても、
自然の力の前には「安全神話」は存在しません。
自然災害にも安心できる立地を選びたいものです。
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.建物の耐久性には地盤や基礎が重要な役割を果たしている!
2.相場より安い土地は、道路に接しているか確認しよう!
3.土地選びは利便施設と価格だけではなく、慎重に決めよう!
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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_28.htm
↑コラム『建築条件付き』
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
【 編|集|後|記 】
私の住まいの近所で、ローコスト住宅のモデル展示場が出来ています。
以前は、プレハブメーカーが多数出展していた住宅総合展示場の跡地です。
広大な敷地に、単独で5つのモデルハウスを建てて、
いよいよ来週オープンの予定です。
そのモデルハウスは、基礎工事から完成まで、
およそ1ヶ月で内覧会を開催できるまで仕上げています。
本当に正味1ヶ月で完成しました・・・! (@_@)
十社を超える大手プレハブメーカーが分担して、
出展料(賃料含む)を払ってもペイできなかった展示場です。
その立地と賃料で、5棟もモデルハウスを建てて広告宣伝をし、
坪20万円台の注文住宅を建て続けることが出来るのか・・・?
実際の施主の声を聞いてみたいところです。
ではまた、来週♪
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◇ 次回予告
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▼ よい不動産屋の選び方 ▼
~不動産購入の基礎知識~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
【発行者が携わっているサイト】
▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
http://www.cms-hiroshima.com/
▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
http://www.sumainokihon.com/
▼ 住宅にユニクロ方式の生産システム『セルフ・ビルド・プロジェクト』
http://www.koukoku-ya.com/sbp/index.html
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