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家づくりで泣く人・笑う人

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2006.1.30 第73号

コンシェルジェの仕事   ~メルマガ読者からの感想~ 

     【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.073━2006.01.30━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
      ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 
                         ~第73号~
   ◆家づくりは人生最大の「事業」
   ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
   ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                     《発行部数4,173部》

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 【今週のテーマ】

  ・コンシェルジェの仕事
  ・編集後記  
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

 ■発行者のプロフィールはこちら
  ↓  ↓  ↓
  http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/profile.htm
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 こんにちは、発行者の若本です。

 耐震強度偽造に続き、大手のビジネスホテルチェーンでも、
 完了検査後の不正な改造が発覚しました。

 駐車場をテナントに改造したり、身障者用の客室をなくしたり・・・

 ホテルの経営者の意向とはいえ、確認申請用の設計図書と、
 実際施工した設計図書の2種類の図面が存在したということです。
 こちらも、明らかに設計事務所が加担したと考えられます。

 実は、私もこのホテルチェーンを利用したことがあります。
 東京からお客さんを迎えたときに間違って予約したのがこのホテルです。

 インターネットで「東急イン」と検索したところ、
 グーグルのトップ表示が「東急ホテルズ-渋谷東急イン」でした。

 広島の東急インに予約する予定だったので、
 2番目に表示された「東●イン ホテルチェーン」をクリックし、
 広島平和大通りの予約をしたのです。

 事前に宿泊代金を支払うためにホテルまで出向き、
 初めて「東急イン」と「東●イン」を間違っていたのに気づいたのです。
 事務所に帰り、ネットで調べても、やはり上位表示は「東●イン!」

 ホリエモンではありませんが、
 儲けるためには、検索エンジン対策でもズルをするという
 このホテルチェーンの体質をこのとき感じました。

 今日現在でも、恐らくグーグルで「東急イン」と入力すると、
 本家よりも上位表示されるでしょう。

 「坪単価××万円!正直価格!!」などと、
  とても正直とは思えないような広告をする住宅会社なども、
 「儲けた奴が勝ち!」という企業体質を感じるのは私だけでしょうか?

 まあ、建築基準法違反などは、施主も容認するケースが結構あり、
 「お宅でできへんのやったら他で頼むでぇ」と言われ困るんだと、
 関西地区の工務店は結構嘆いていたのを思い出します。

 行政も含め、違反を黙認するという時代があったのも確かです。
 ほとんどスピード違反のような感覚です。・・・ (^_^;)
 タクシー運転手に「飛ばしてくれ!」というのと同じかも・・・?

 でも時代は確実に変わりつつあります。
 では、今週の本文の始まりです。 

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  ▼コンシェルジェの仕事   ~メルマガ読者からの感想~
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 ようやくホームページのリニュアルが終わりました。
 以前のものより、サービスの内容が分かりやすくなったと思います。

 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/

 そこで今回は、ホームページリニュアルを記念して、
 メルマガ読者の感想への回答で、私の仕事内容をご紹介します。
 少し、お付き合いください。

 【メルマガ読者の方の感想と若本のお返事】

 —–[↓ここから↓]———————————————–

 こんばんは
 感想いただきありがとうございます。

>会社の同僚もちょうど家づくりを考えている人が多くて、その
>うちの1人に若本様のメルマガを紹介したところ、面白くてバ
>ックナンバーまで一気に読んでしまったそうです。
>ただ、「若本さんが目指している姿はなんなんだろう?」とい
>う素朴な疑問が残ったそうです。

 私は元々中小企業向けの経営コンサルタントです。
 ここ10年以上、住宅業界専門の仕事をしてきたので、本来は地元の中小建設
 会社の競争力をつけさせることが業務です。

 競争力をつけるということは、コストや品質、デザイン力も付けていかなけれ
 ばなりません。しかしそのような力を付けたとしても、得てして営業力やマー
 ケティング力が劣っているため、一般消費者の目に触れることなく、せっかく
 の技術やノウハウを活かせていない中小企業も少なくないのです。

 一方、一般消費者が家づくりを考えたときも、本当は技術的にも信頼できて、
 コストを抑えた家を入手したいというニーズがあります。しかし、広告宣伝に
 力を入れているところしか目につかないため、私たちから見ると消費者と施工
 者の『ミスマッチ』がおきています。

 『無印良品』というコンセプトのお店をご存知かと思います。
 大手メーカーの下請けの町工場で、従来OEMで自社ブランドを出せずに売っ
 ていた会社に、『良品計画』が独自のテイストで味付けし、ノーブランドで販
 売しています。品質や価格設定、デザインテイストが消費者のニーズにマッチ
 していれば、何も大手ブランドは必要ありません。

 私がやろうとしているのは、住宅業界で将来的にこのようなノーブランドの家
 づくりのネットワークをつくっていこうと考えています。ですから、設計事務
 所のスタンスとは全く異なります。(設計事務所は、無印良品のデザインをし
 ているデザイナーの位置付けで、プロデュースする側とはポジションが違うの
 です)

 住宅業界は、たいへん効率の低い業界です。
 営業の効率も、現場の作業効率も低く、それが消費者に転嫁されています。

 私が目指している姿は、一般消費者が「品質の確かな家を、無理することなく
 買える」ことですが、現状の延長では実現できないことを長年の業界のウォッ
 チングで身にしみています。

 だから、私が考える最適解が今私が運営しているサービスです。全くゼロベー
 スから考え、将来的にも効率化・高度化できるようにイメージしています。
 その実現のためには、施工者の育成も欠かせませんが、幸いそこのノウハウと
 人脈を持っているのが私の強みです。設計事務所では決して持ち得ないと自負
 しています。

>私は既に建ててしまったので、深く考えた事は無かったのです
>が、言われてみれば気になります。
>メルマガでは大手ハウスメーカーやフランチャイズシステムに
>否定的な事は分かるのですが・・・。
>
>ホームページのCM図を見ると、工務店や設計事務所とは独立
>した存在に見えますが、サービス内容を見ると設計事務所の内
>容も含まれているようにも見えます。(提携事務所とかあるの
>でしょうか?)

 提携事務所はあります。
 しかし、基本的には施主が主役なので、設計事務所も黒子というスタンスです。
 これは広告業界には良くみられる形態です。著名なグラフィックデザイナーも
 中にはいますが、通常、広告代理店がクライアントのニーズに応え、社内やフ
 リーのデザイナーに仕事をしてもらいます。広告主が求めるクオリティや効果
 を提供するのが彼らの役割で、デザイナーの名前を売ることではありません。
 これが、最近増えている『建築家コンペ』サービスと本質的に違うところです。

 ●既存の設計事務所=グラフィックデザイン事務所

 ●弊社サービス=広告代理店

 こんなイメージの方が分かりやすいでしょう。
 広告代理店であれば、電通や博報堂のように、大きな組織とすることが可能で
 す。デザイン事務所では無理でしょう。組織の大きさを求めるわけではありま
 せんが、この住宅業界を変革しようと思ったら、やはり組織力は必要です。

 設計事務所も、グラフィックデザイン事務所もどちらも、ものづくりに没頭し、
 クリエイティブな仕事をしたい人種ですが、逆にマネジメントが不得手な人種
 でもあります。体外的には、『監理』と称して設計事務所がマネジメントをし
 ているように見えますが、実態はマネジメントとデザインの職能は別にしなけ
 ればならないと私は考えているのです。

 車などのデザインも、広告のデザインも建築デザインも、マネジメントは別の
 人間がしなければ、制作の難易度やコストを考えない作品ができてしまいます。

>あと、工務店は入札で選ぶ事になるのでしょうか?施主として
>は安ければ良い訳では無いと思うのでちょっと不安かも。それ
>とも若本様が信頼している工務店の中から選ぶことになるので
>しょうか?
>ページを熟読した訳では無いので、「ちゃんと書いてある!」
>かも知れませんね。
>毎度、商売に結びつかないメールで申し訳ございません。
>家づくりを考えている人たちに、若本様の考え方が分かりやす
>く届くといいなと思い、僭越ながらメールさせていただきまし
>た。

 ホームページなどには一応書いています。
 昨日も知人の不動産コンサルタント(一級建築士・宅建主任)が、「若本さん
 のサービスは、難しすぎて私や知人の一級建築士でも最初分からなかった」と
 言っていました。

 その時私は「これまでは、わざと難しくしていたのです。だって、このサービ
 スの仕組みを私自身がきちんとビジネスとして動かしてみて、先駆者としてあ
 る程度安定するまでは、マネされないようにガードする必要があったから」と
 言いました。私のサービスを実際利用した方は、上記の心配は全くないことを
 理解されます。

 もうじき、分かりやすいホームページにリニュアルする予定です。

>寒い日が続きますが、お体ご自愛下さい。

 ありがとうございます。

 —–[↑ここまで↑]———————————————–

 ようやく、新しいホームページでコンセプトをまとめました。

 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/concept/index.html

 住宅業界も新しいサービスが生まれてきました。
 消費者も、どこが信頼できるのか余計に混乱してしまいますよね。

 判断基準は、知名度や広告などのイメージではなく、
 「儲け主義ではないか」と疑ってみることかもしれません。

 儲け主義の会社は不正スレスレの仕事でも平気でやります。
 私のメルマガ仲間のブログに面白いことが書かれていました。

 ⇒ http://kentikuya.com/modules/weblog/details.php?blog_id=53

 タイトルは「ハウスメーカーの『偽装』について」
 元自分の職場のことを赤裸々に書いています。
 皆さんもよく知る「大手ハウスメーカー」です。

 彼のメルマガも含め、昨年11月に登録していたメルマガのほとんどは、
 まぐまぐのシステムによって勝手に解除されたようです。
 私の個人のアドレスはニフティなので、解除の理由はないのですが・・・

 「金儲け」は度が過ぎると倫理観を鈍らせるようです。
 ネット上でも情報起業家など、度が過ぎるケースも散見されます。
 私も、半分だまされて情報商材を買ったこともあります。 (>_<)

 皆さんはお気をつけくださいね♪

 ⇒ 次回に続く

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【 編|集|後|記 】

 昔、東京で店舗の仕事をしていたときのこと。
 スポーツクラブをリニューアルする仕事が来ました。

 3階に25mプールがあり、2階にフィットネスクラブやジム、
 そしてトイレの位置を変更し、スポーツショップをつくる仕事です。

 クライアントは大手チェーンで、お抱えの設計事務所がついています。
 私の上司たちは「先生!」と事務所の所長を持ち上げます。

 プールの真下にある男子トイレ・女子トイレをすべて撤去し、
 そこにサービスカウンターやショップをつくる計画です。
 設計図には、まったく柱のない空間が描かれています。

 このとき、私はプールの床が抜けて店が壊れる夢を何度も見ました。
 上司に確認しましたが「先生の指示だ!」の一点張りです。

 まあ、トイレはコンクリートブロックで間仕切られていたので、
 上階の加重を受けているわけではなく、ハツリ解体で撤去しました。
 しかし、プールの水の加重を考えると、気持ちのよいものではありませ
 んでした。

 皆さんが訪れる施設でも、こんな危険な空間はたくさんあるでしょう。
 当時、六本木で「トゥーリア」というディスコの大型ミラーボールが落下し、
 数名の観客に直撃して、死傷者が出たのを今でも忘れられません。

 施工者が設計者に逆らえないというのも、分かるような気がします。
 「先生が言うんだから、そうしておけ!」
 「うちがやらなくても、他社がやる!」

 私も、昔は設計者やデザイナーに結構振り回されました。
 上司に抑えられるので、下の人間は黙認するか辞めるかしかありません。
 そうして徐々にずぶとい神経になって「業界人」の出来上がる・・・

 耐震偽造問題はどこまで広がるでしょうか・・・?
 政界の問題ではなく、建築業界の問題として捉えたいですね。

 ではまた、再来週お会いしましょう♪

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