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家づくりで泣く人・笑う人

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2006.9.25 第86号

土地価格上昇の背景  ~土地バブルの再燃か?~ 

【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.086━2006.09.25━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                         ~第86号~
   ◆家づくりは人生最大の「事業」
   ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
   ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                     《発行部数5,267部》

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 【今週のテーマ】

 ・土地価格上昇の背景
 ・今週のお勧めBOOKS
 ・今週のワンポイントアドバイス
 ・編集後記  
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは、発行者の若本です。

 いよいよ安倍内閣がスタートです。
 私も安倍さんと同じ山口県人ですが、国政は地域に偏りなく
 地方でも豊かさを感じられる社会を作ってもらいたいものです。

 小泉内閣では据え置かれていた消費税もいよいよ上がってくるでしょう。
 原油の値上がりが、物価や建築コストも押し上げてきました。

 土地価格も場所によって上昇に転じ、住宅取得コストも上がってきます。

 今回のメルマガでは、住宅取得には切り離せない、
 土地の価格について考えていきたいと思います。
 
 では、今週の本文の始まりです。 

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  ▼土地価格上昇の背景   ~土地バブルの再燃か?~
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 前回の土地バブルは、「プラザ合意」が引き金となりました。
 急激な円高と低金利が続き、土地や株式投資へとお金が流れたのです。

 現在、土地は15年連続で値下がりしていますが、
 一部の地域では、値下がりから反転し、二桁の上昇もあるようです。

 景気も回復したとして、不動産業者や地主も強気です。
 地方の住宅地でも、中心市街地では下げ止まりや上昇が見られます。

 私たちがこれから「終の棲家」を求めるのに、
 土地価格や立地条件をどのように考えればいいのでしょうか?

 郊外の住宅地よりも、利便性の高い中心部のほうがいいのでしょうか?

       ●———————-
         マンションの林立
       ———————–●

 首都圏だけでなく、全国の地方都市でマンションの供給が拡大しています。

 中心市街地に、空き地や建て替えが必要な建物が増え、
 マンションディベロッパーが、条件のいい場所を買い漁っています。

 バブルのころから比べると、相対的に地価が下がりました。
 建設コストも、公共事業が減ったゼネコンの競争激化で、
 以前よりもかなりダウンしています。
 (構造計算偽造問題も、こんな背景から起こりました)

 1980年代から90年代にかけて、住宅は郊外へと広がっていきました。
 働き盛りの三十~四十代で手の届く物件が、郊外で開発されていったのです。
 夢のマイホームを、こぞって購入していきました。
 (サラリーマンでは郊外しか買えなかったというのが正直なところでしょう)

 その人たちが、定年や子供の独立の時期を迎え、
 郊外に住宅を構えている理由がなくなってきました。

 そこに、都心部にマンションの供給ラッシュです。
 利便性が高く、床面積も広くなりました。
 価格も手ごろで、駐車場も確保されています。

 都市部では、高層の「タワーマンション」が売り出され、
 マンション人気に拍車が掛かります。

          ▽ ▼ ▽ 

 こうして、「ヒュー○ー」を始めとした中堅の不動産会社も
 次々とマンション事業に参入し、次第にマンション用地が少なくなりました。
 中途半端な土地は、次々と「コインパーキング」に化けていきます。

 マンションディベロッパーは、土地の仕入れがなければ死活問題です。
 しかも、利便性がよく「売れる」立地でなければ、大量の在庫になります。

 増えすぎたマンションディベロッパーが、
 限られた優良な立地を求めて、土地を買い求めます。

 

 当然、地主は強気になりますねぇ!

 

 この動きは、戸建用のミニ分譲地にも影響を与えてきます。
 建売業者も土地仕入れがない限り、事業が行き詰るからです。

 こうして、プロの業者が土地価格をあげています。
 景気の回復と、建設コストの下落を追い風に・・・
 (現在、建設コストは、原油高で上がってきています)

 そこに『まちづくり三法』という法律もバックアップしました。

 「改正都市計画法」と「大規模小売店舗立地法」そして、
 「中心市街地活性化法」という3つの法律です。

 大規模小売店舗法(旧法)などの規制緩和により、
 郊外に大型のショッピングセンターなどが出来過ぎました。
 家電量販店やホームセンターなども巨大化しました。

 その結果、中心市街地の商店街は、シャッターが下りたままの通りが増え、
 郊外も、道路渋滞などの環境悪化を引き起こしてきたのです。

 郊外に大型店舗の出店を規制し、
 中心市街地に人を呼び戻そうというのが『まちづくり三法』です。

 ダイエーを始め、大型の品揃えをしていた大規模店舗が、
 食品スーパーを中心とした、中規模に業態を変え、都心の立地を探します。
 ちょうど、マンション用地探しと同じように・・・

 当然いい場所は、品薄状態になっていきます。

       ●————————
          都心VS郊外
       ————————-●

 ヒルズ族などが、職住近接のかっこ良さを見せつけました。
 都心のマンションも安くなり、中心部への回帰が増えています。

 郊外の土地は、さらに下がり続けていくでしょう。
 昭和40年代に開発された大規模団地では、高齢化が直撃しています。

 「無理してでも、都心の便利な土地を買って家を建てたほうがいいよ!」
 「郊外なんか住んで、将来どうするんだい?」

 そんな声もあちこちで聞かれます。
 都心の土地は、これ以上値下がりはないだろうという判断でしょう。

 日本は、戦後急速な高度成長を遂げ、また急激な高齢化を迎えています。
 だからこれまでの常識は通用しません。

 中心市街地にあった大規模工場は、郊外へ、海外へ移転しています。
 少子化が進展し、600万戸以上の住宅が余っている時代です。

 東京など、一部の大都市を除いて、まだ値下がり圧力が強そうです。
 土地の価格に見合う『高度利用』をしなければ、採算が合いません。

 マンションディベロッパーや食品スーパーなどは、
 「事業のため」に市街地の土地を買っています。
 供給過多であっても、生き残るために投資をしているのです。
 しかも、土地代を十分回収できるだけの「収益事業」です。
 オフィスビルも同じでしょう。

 そんな立地に「一家族」(ひとり)が土地代金を負担して、
 戸建住宅を建てることに、本来「経済合理性」はありません。
 個人の自宅だから、合理性は求めないにしても・・・

          ▽ ▼ ▽ 

 日本よりもはるか昔に経済成長や高齢化を経験した
 ヨーロッパの国々をみると、少し日本の将来が見えるかもしれません。

 今は小さな国ですが、ポルトガルやスペイン、オランダなど、
 世界を又にかけて、この世を謳歌していた時代があります。

 イギリスでは、人口千人あたりの住宅着工戸数は日本の約1/3です。
 住宅が余っている日本が、未だにイギリスより3倍も家を建てているのです。
 (英国は日本の約半分の人口なので、実際の着工戸数は1/6)

 長い目で見ると、日本のこの異常さはそんなに長くは続かないでしょう。
 住宅建築はいまだにバブルの状態なのです。

 イギリスなどは、郊外の田園地帯に家を構えることが憧れです。
 イングリッシュガーデンや古い家具を揃えて、人生を愉しみます。

 インターネットの普及で、郊外でも不自由なく仕事も出来ます。
 今、都心の生活が良くても、30年後はどうでしょうか・・・?

 30年前に郊外に分譲住宅を買った人が今を予測できたでしょうか?

 それでも、高くても都心の土地を買ってまで、
 戸建住宅を建てたほうがいいのか、郊外の広い敷地のほうがいいのか・・・

 皆さんの価値観はそれぞれですが、まずは冷静に考えてくださいね!
 今の決断が、将来の生活にも大きな影響を与えるのが住宅取得です。

 成長から成熟社会になったとき、
 海外の事例が参考になるかもしれません。

 ⇒ 次回発行に続く
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             ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●間取りのいろは

                 若井修子 著  [ニューハウス出版]

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 ↑ダメな間取り、すみやすい間取りのコツがひと目で分かります。
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  私の名前と2文字が一緒です!!(「若」と「修」)

  出版プロジェクトもあとわずか・・・

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  私もよく利用しています!! (^_-)<☆

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          ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 不動産は、売主と買主との合意で価格が決まります。
 立地条件があまり変わらなくても、かなり価格差が出ることがあります。

 客観的に言えば『需給関係』です。
 不動産の価格は、売主の「希望価格」なのです。

 今、不動産ディベロッパーは、消費税の「駆け込み需要」を狙い、
 土地の仕入れに躍起になっていることでしょう。
 団塊ジュニアの住宅購入が一巡すると、住宅業界は冬の時代です。

 一時的な需給関係の崩れが、今の土地価格の上昇だと私は考えます。
 10年単位で考えていくと、住宅の需要自体が減っていきます。

 その前兆として、すでに建材メーカーは自己防衛し始めました。
 多くの企業が、都心のショールームから郊外に移りました。
 企業の合併や共同化も進んでいます。

 資金力や人海戦術で、「シロウト」に売り込める企業だけが、
 半ば強引に、土地購入や住宅販売を続けているように私には思えます。

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

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 1.今の土地の値上がりには訳がある
      ⇒ マンションディベロッパーなどの仕入れ意欲

 2.長期で考えると、土地は下がる要素のほうが大
      ⇒ 土地の価格は『需給バランス』

 3.低成長時代には、ヨーロッパなどから学ぼう!
      ⇒ 都心部の土地の有効利用と、郊外の田園都市

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■参考情報 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_44.htm

   ↑コラム『アメリカの住宅事情』
    (若本が以前書いたコラムに、参考情報があります。)

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【 編|集|後|記 】

 今月は、3件の地鎮祭に参加しました。
 西日本に大きな傷跡を残した台風13号直撃の日にも地鎮祭がありました。

 幸いなことに、用意していたテントが不要で撤去したほど、
 すがすがしい天候の中で地鎮祭を執り行うことが出来ました。

 私が運営しているサービスに対して「お客様の声」をいただきました。
 地鎮祭が終わった段階で公開しています。

 3人の方を一度に更新したので、ご覧下さい。

 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/reason/index.html

 しかし、同日、同じ区内(広島市安佐北区)で、
 集中豪雨により、地元新聞社の記者が行方不明にもなりました。

 自然の猛威を思い知らされます。
 被害に遭われた方には、お悔やみ申し上げます。

 自然災害に強い家、家族をしっかりと守れる家が一番ですね。
 新居で健康被害を出さないことも、住宅業界の責務です。
 8月に入居されたお客様からも、入居後の感想として声をいただきました。
 以前のものを更新しましたが、下の2つの設問の回答が新しくなりました。

 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/reason/reason-005.html

 入居後の評価が、何よりの喜びですね!

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