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土地・業者選びのポイント

2018.12.10 Vol.15_No.16

土地購入にストップがかかる可能性が!?

土地を選ぶ際に、せっかく「ここだ!!」という土地が見つかったのに、購入にストップがかかる可能性があります。今回は、そんな事例を実際に私が担当した案件でご紹介します。

通常の土地探しでは、土地の形状や土地の場所、広さ、前面道路などは一般の方でも分かりやすいポイントですね。ここだという土地が見つかり、買受申込書→契約→決済という流れで購入に至ります。

候補地が見つかると、買主側は住宅ローンの融資先を決め、家を建てる業者も決めて、家のプランも考えながら審査が通るように融資の準備をしていきます。(当社の場合はプランが先行して、入札の上で業者を決めていきます)

売主側も滞りなく土地を引き渡せるように準備をしていきますが、双方が合意していても、想定していなかった問題が発生して、取引がストップするケースが過去何度かありました。

その原因をいくつか挙げてみます。

 

①隣住民の協力が得られない

昔の建物の場合、隣地との境界にブロック塀を設置している場合があります。また傾斜地の宅地造成地や高台の住宅地では、擁壁が当たり前のようにあります。ブロック塀を新しくしたり、擁壁が危険で修復が必要な場合、共有物のため隣地の所有者の許可や隣地への立ち入りが必須です。

土地に接道している道路が「私道」の場合、持分がない場合は融資の審査が通らない場合もあるので、持分を分けてもらえるように交渉します。また私道だからと我が物顔のように車を駐車している人や、あえて花壇などを置いている人もいます。その場合、購入予定の土地への通行が出来ないので、車や障害物を他の場所に移動してもらえる様に交渉が必要です。

上記のような場合に、私たち仲介業者が近隣との交渉を行いますが、過去の人間関係などのもつれなどもあって近隣住民の協力が得られないケースも少なくありません。

そんな時は新しい住民になる方が、誠意をもって仲介業者と一緒にお願いすることで、時間が掛かっても理解を得ることで打開は可能です。しかし、すぐには結論が出ないので、商談の難航は必至です。

 

②土地の所有者が複数いて、承諾が得られない

土地購入する時には、土地の所有権の移転が必須です。

そのため土地の所有者全員の承諾、印鑑が必要です。
所有者が一人や二人だと所在も明確で承諾を得る時間もそんなにかかりません。しかし複数いる場合は、全員の所在を明確にして承諾を得なければなりませんので、とても時間がかかります。一人でも所在が分からない場合は、所有権移転が出来ませんので、購入は困難を極めます。

以前、広島市西区で実家の建替えを検討されていたお客様が、実家だけだと面積が狭いので、駐車場として借りている隣地の購入も検討し、近隣で管理されている所有者家族の一人の承諾が得られました。しかし詳しく調べてみると隣地の所有者はなんと17人もいたのです。

管理されている所有者が全員のことを把握しているので問題ないと、購入する準備を進めていきましたが、ある日、所有者の一人が行方不明であると伝えてきました。

いつ見つかるか分かりません。裁判所で行方不明者の後見人として申請手続きしましたが、許可が下りるのも時間がかかります。

その間も駐車場として賃貸しているので、賃貸料は発生します。賃料の問題と何かしら目途がつくまで待てないという事で、結局購入を断念しました。

 

③所有権以外の権利がある場合

土地の検討に入ると、所有者や権利関係を把握するために、その土地の登記簿謄本を入手します。

登記簿謄本の記載事項を確認すると、所有権以外にも賃借権、地上権、借地権、抵当権など土地に関する権利はたくさんあります。所有権移転と同時に、その他の権利についても売主側によって抹消されなければなりません。

賃借権や地上権、借地権は第三者がその土地を借りているという権利であり、第三者が拒否したら交渉は長引きます。

抵当権は、土地の所有者が土地を担保にお金を借りているという事です。借入金が土地の売買代金によってゼロになるのであれば抵当権は抹消できますが、まだ残金がある場合は、抵当権の抹消が不可能ですので購入は難しいです。

 

④取引前に大きな災害が発生した場合

昨今ゲリラ豪雨や季節外れの台風、地震による災害があらゆる地域で頻繁に起きています。
当社では情報提供する場合、ハザードマップ等で調査した上災害が起きてもなるべく被害に遭わないと思われる場所を提供しています。

広島県安芸郡で土地を探されていたお客様に土地をご紹介して契約日も決まりました。が、契約日の1週間前に大雨により土砂災害が起きました。

契約予定の土地は、災害警戒区域ではない坂の上に位置して何事もありませんでしたが、土地の近くの峠の麓にあるバス通りに土砂が流れ出ました。

お客様は動揺されて、契約の延期を申し出ました。

その土地はむしろ坂の上にあることで安全であり、今回でも被害に遭わなかった事で問題ない土地であると証明されたのですが、近くで土砂が流れ出た事が避難出来ないのではないかという心配、不安へとつながりました。

早く売りたいと思っていた売主側にとって、契約の延期は不都合となり、契約は白紙になりました。

準備をしていても、災害という想定外のことが起きることで購入に至らないケースもあります。

 

 

以上のように、どの状況になっても、解決するまでに時間がかかるか、時間をかけたけども解決できなかったという場合もあります。表面ではわからない土地に関連する問題はたくさんありますので、きちんと教えてくれて話をまとめることが出来る業者を選ぶ事が大事です。

私道の所有者が障害物を置くことで、通行が制限される
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