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家づくりで泣く人・笑う人

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2006.3.13 第76号

風向きと住まい   ~住まいに風を取り込む工夫~ 


 

       【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.076━2006.03.13━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                         ~第76号~
   ◆家づくりは人生最大の「事業」
   ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
   ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                     《発行部数4,450部》

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 【今週のテーマ】

 ・風向きと住まい
 ・今週のお勧めBook
 ・読者からのQ&A
 ・編集後記  
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

 ■発行者のプロフィールはこちら
  ↓  ↓  ↓
  http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/profile.htm
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 こんにちは、発行者の若本です。

 私の住む広島でも、日中はずいぶん暖かくなってきました。
 車に乗っていると汗ばむほどの陽気です。

 一年経つのは早いものですね。
 昨年5月に東京に出張したときに、3名のメルマガ読者の相談に乗りました。

 うち2名の方は、自由が丘に事務所を構える私の後輩の設計者を紹介し、
 いよいよ家づくりがスタートしました。(工務店も決定!)
 川崎市の方と、練馬区の方です。

 今月も23~24日で東京出張します。
 平日ですが、ご相談のある方は事前にメール下さい。
 2名程度まででしたら、時間を調整します。
 mailto:info@cms-hiroshima.com

 関東地区でもパートナーができ始めました。
 地元の専門家と連携して、目の届く範囲のサポートをしていきます。
 今回の出張でも、着工した川崎の現場を見てきます。

 今年は東京事務所を出すかも知れません・・・(半分本気!笑)
 
 では、今週の本文の始まりです。 

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  ▼風向きと住まい   ~住まいに風を取り込む工夫~
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 冬はできるだけすきま風のない家が求められますが、
 暖かくなってくると、自然の風が家の中を吹き抜けると気持ちいいものです。

 設計事務所や住宅会社の中には、気象庁のデータや
 実際に敷地で日照や風向きを確かめて設計する人たちもいます。

 今回のメルマガでは、住まいと風について考えて行きます。

       ●———————-
         風向きを考えた設計
       ———————–●

 「君は風を考慮したプランを提案しているのかい?」

 私が、消費者の家づくりのサポートを行なっていることを、
 以前からお世話になっているコンサルタントに報告したところ、
 上記のような質問が返ってきました。

 この業界で30年以上住宅会社の経営指導を行なっている
 大ベテランの経営コンサルタントの先生です。

 この質問の返答にはちょっと困ってしまいました。

 気象庁のデータをもとに、その地域の風の方向や風速をまとめ、
 設計に生かすように施主に提案をしている会社もいくつか知っています。

 言われれば、敷地周辺に吹く風を取り入れた設計をしたほうが、
 気候風土に適した住まいを提案してくれそうなイメージがします。
 きっと、そう聞かされた消費者は、他社よりも信頼をおいてくれるでしょう。

 「他社ではそんなこと聞かないわ!きっといい設計をしてくれそう」

 そう、各社「差別化」に必死です。
 普段気にしていないことを専門家から指摘されると「さすが!」と思います。
 気象庁のデータなどがあればなおさらです。

 しかし、私自身はイメージで「優位性」を演出するのは好きではありません。
 今の住宅地の現状で、自然の風を計算できると考えるのは現実的でしょうか?

         ▽ ▼ ▽ 

 小学校の長男の教科書に、海風と陸風、
 そして凪(なぎ)のことが書かれていました。

 コンビナートなどの煙突の煙が、
 朝と夕方にどちらになびくかという解説です。

 一般的に天気のいい時は、日中は陸側が気温の上昇が激しく、
 上昇気流が発生し、海側から陸に風が吸い寄せられます。
 だから、海側から風(「海風」)が吹くのです。

 一方、夜になると陸は放射冷却で冷えてきて、
 海側のほうが相対的に暖かくなってきます。
 昼間の風と逆転して、陸側から海に向かって風(「陸風」)が吹きます。

 この夜と昼の風が交替する時間帯に一時的に無風状態になるのが「凪」です。

 私が生まれた瀬戸内海の島のように、
 まわりにほとんど家も風をさえぎるようなものもなければ、
 その地域独特の風を住まいに取り入れることは可能かもしれません。

 しかし、住宅が密集している地域で、気象庁のデータを分析し、
 その地域で自然に吹く風を、個別の住まいに取り入れることは困難でしょう。

 まわりに何もないゴルフ場でさえ、
 フォローの風かアゲインストになるか、刻一刻と風向きは変わるのです。

 マラソンやスキーのジャンプを見ても、
 いかに風が計算できないものか、お分かりだと思います。

       ●————————
          風をつくる住まい
       ————————-●

 その地域に自然に吹く風は、自由にコントロールできません。
 しかし、家の中に風の流れをつくることは可能です。

 「それって、機械換気の事・・・?」

 するどい読者のツッコミがありそうですが、そうではありません。

 海風や陸風も、気温や気圧の差によって風が生じていました。
 住まいの中や敷地の中で、気温差を利用すれば「気流」が出来るのです。

 例えば、昔の家には縁側があり、庭には小さな池がよくありました。
 庭には木が植えられ、夏には日陰をつくります。

 庭の前の道路が真夏の太陽で熱せられると、上昇気流が発生します。
 一方、池や植栽のある庭は「気化熱」が奪われ、比較的涼しい場所です。
 庭から道路に向かって風が吹きそうですよね。

 次は建物の内部です。

 暖かい空気は上昇し、冷たい空気は沈殿します。
 つまり、涼しい風は下から入れて、温まった空気は上から抜くと、
 風の流れが出来そうです。

 例えば、一日中直射日光の当たらない北側に「地窓」を設け、
 吹抜け部分やトップライトに風の流れを作ります。
 開放が出来れば、風が吹かなくても風の流れは出来ていきます。

 裏庭から表の庭に風の流れが出来れば、
 道路で発生した上昇気流が風を運んでくれるかも知れません。

 庭は打ち水や芝生を植えるなど、気化熱で涼しくなるようにしましょう。
 くれぐれもコンクリートなどの蓄熱容量の大きな材料を敷き詰めて、
 夜になっても輻射熱で暑くなることは避けてくださいね (^_-)<☆

  (昔から「焼け石に水」というように、
   コンクリートに打ち水しても、なかなか冷えてくれません。)

 いかに気密や断熱性能が高くなっても、エアコンばかりに頼らず、
 これからのいい季節には、気持ちのいい外気を取り入れたいですね!

 ⇒ 次回に続く

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             ▼今週のお勧めBook
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●さらば欠陥マンション   岩山健一 著    [情報センター出版局]

 ⇒ http://tinyurl.com/pumqy

 ↑欠陥住宅の番組では必ずといっていいほどTV出演される岩山さん
  今回は耐震偽造問題に切り込みました。

  -聞けば、マンションを購入したじつに半数近くの人たちが、建築士
   による内覧会のサービスを利用し、購入前に建物を見てもらってい
   たそうです。
   なかには50万円もの内覧会同行費用を支払い、なおかつ構造図面
   にまで目を通してもらっている人や、問題なしどころか「高水準の
   ものである」との評価まで受けている人もいました。
   <「はじめに」より抜粋>

  テレビ局の取材で、ヒューザーのマンションを購入された人たちの生
  の声を聞き、今回の事件の核心に鋭く切り込んでいます。

  一年前の私のメルマガでも、内覧会同行サービスに関して警鐘を鳴ら
  しています。事件発覚前でも、私たちには想像がつきました。
  とても残念なことですが、これが実態です。

  ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/bn/vol49.htm (若本)

     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
              ▼読者からのQ&A
     ┗□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┛

 読者からの問合せを結構いただきます。
 個別にお答えしていますが、皆さんと共有したい情報は公開いたします。
 今回は先月の臨時増刊号に関連して、ローンの相談です。
 日銀の量的緩和が解除されたので、今後金利の動向には注意が必要です!

【質問】

>住宅ローンについておたずねします。
>今年、土地と新築を購入する予定なのですが、銀行から3500万~4000
>万ほど融資していただこうと思っています。今35年で考えているのですが、
>3年固定、5年固定、10年固定と選べるのですが、これからの事を考えると、
>10年固定で借り入れしたほうがいいのでしょうか?
>繰上げしてなるべく早く返済していこうと思っているのですが、一番お勧めの
>方法を教えていただけますでしょうか。
>
>銀行で働いていた上司が言うには、3年か、5年で借りたほうがいいのでは?
>とアドバイスいただいたのですが、このめるまがを読んだら、将来の金利に不
>安を抱えてきたので長期の固定のほうがいいような気になってきました。
>
>アドバイス宜しくお願いいたします。

【回答】

 おはようございます。
 いつもメルマガをお読みいただきありがとうございます。

 住宅金融公庫の金利も、長期金利に連動し少し上がり始めました。
 これから30年を考えても、今よりも金利が下がることよりも上がるリスク
 のほうがはるかに高いでしょう。まず、現在が底に近い金利といってもいい
 と思います。

 住宅ローンは、他のどのローンよりも長期で低利の融資が可能です。低金利、
 のときは出来るだけ長期で安定した(固定の)融資を利用するのが基本です。
 もし、途中で余裕資金が生まれれば、繰上げ返済してもいいですし、他に高
 金利の運用が可能であれば借り入れ金利よりも上回る利息や収入を得ること
 が可能です。

 30年の期間には、金利上昇の局面も出てくるでしょう。過去30年を見て
 も、定期預金が10%近くの利息がついていた時代がありますし、将来株式
 や不動産などにも分散投資して、住宅ローン金利以上の運用益を出せるチャ
 ンスもあるかも知れません。
 その時代に精神的余裕を持って「自分の判断」で資金運用が出来るのです。

 一方、短期固定で借りると、当初は楽かもしれませんが、将来は「景気任せ
 ・金利任せ」で、自分でコントロールすることは不能となります。将来ほぼ
 確実に現在の金利よりも高くなります。しかも、3年固定などの金利商品は
 「キャンペーン金利」などもセットになっていることが多く、キャンペーン
 分だけでも将来負担が多くなります。

 銀行にいた方は、自分たちも会社から短期固定のローン販売に関してさまざ
 まな教育を受けて「利用者にとってもメリットがある」と洗脳させられた人
 たちが多いのではないかと思います。「ノルマ達成」を会社から課せられ、
 会社にとって都合のいい商品を「いいローンだ」と信じ込まなければ売れな
 いのです。

 住宅メーカーの営業マンも同様に、自社の住宅がどれほどいいのか「洗脳」
 させられます。社内の皆が同じベクトルで「販売していく」のですから、そ
 のときは疑問の余地もありません。後から冷静になって後悔します。

 独立系のファイナンシャルプランナーは、恐らく誰も「3年固定」のローン
 などは勧めないでしょう。十数年前、住宅金融公庫が出していた「ステップ
 返済」の悲劇を知っている人は、どれほど恐ろしいものか良く知っています。

 お近くに信頼できるファイナンシャルプランナーがいらっしゃれば、相談さ
 れることをお勧めします。ローンのことだけでなく、家計のムダ(保険など)
 や資金運用なども含めてトータルに助言してもらえるでしょう。

 取り急ぎ回答まで

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【 編|集|後|記 】

 福岡の建築士に続いて、今度は札幌の二級建築士の耐震偽造が発覚しました。
 元請の設計事務所は「二級建築士」とは気づかずに構造計算を依頼していた
 そうです。驚くべき実態です!!

 今回お勧めBookでご紹介した通り、ヒューザーのマンション入居者でも、
 多数の方が、一級建築士に内覧会の同行を依頼してチェックをしてもらって
 いるという事実を聞くと、この業界の信頼性は地に落ちたような気がします。

 私が運営しているサービスでも、正直に言えば細かなミスは発生しています。
 問題は、それをごまかすことなく適切に直すかどうかです。
 私のブログでも日々の活動をごまかすことなく紹介しています。

 ■ブログ『住まいづくりコンシェルジェ出動!』

 ⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/50369782.html

 誰でもミスを犯す可能性はあります。そのヒューマンエラーを回避すること
 や回復させることが、設計監理者や私たちのような代理人の役目です。

 3月23日(木)に、東京で住宅関連のエージェントサービスを手掛けている
 専門家が集まる会合があるようです。私にも参加の打診がありました。

 消費者が安心して住宅を手に入れられる社会実現のため、私も微力ながら、
 自分の経験や提案をしてきたいと思います。

 ではまた、再来週お会いしましょう♪

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