2007.1.09 第90号
アフターメンテナンスの不安 ~工務店との家づくりを考える~
【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.090━2007.01.09━
《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第90号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数4,743部》
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【今週のテーマ】
・アフターメンテナンス
・今週のお勧めBOOKS
・今週のワンポイントアドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。
昨年後半は、出版もあってメルマガ配信が滞りました。
今年は他地域のメンバーも増え、さらに内容を充実させたいと思います。
引き続き宜しくご購読くださいね!
年末、28日から本屋さんの店頭で私の本が並び始めました。
年末年始に掛けて、広島の主要書店を回りましたが、
かなりいい場所に置いていただいています。
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/50653724.html
出版社の『ニューハウス出版』さんで
「立ち読みシステム」もあるようです。
西日本地区を中心に配本されたと聞いていますので、
お近くの書店にない方は、まずはネットで立ち読みし、
アマゾンなどのネットか取り寄せにてお買い求め下さい。
立ち読みシステムは「ペラペラ」とめくれて、
なかなかリアルで面白いシステムですよ!
⇒ http://www.newhouse.co.jp/books/book/index.html
今回の本には、読者プレゼントの特典もつけました!
詳しくは、本書184ページ『付録』のコーナーをご覧下さい。
まだ、お気づきの方は数名のようです!(笑)
では、今週の本文の始まりです。
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▼アフターメンテナンスの不安 ~工務店との家づくりを考える~
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私は、地域に密着した優良工務店との家づくりを推奨しています。
なぜなら、新築住宅のほとんどが、
地元工務店や建設会社が建てているからです。
建築家やハウスメーカーもあるでしょうって・・・?
建築家は「設計する人」、ハウスメーカーは「販売する人」です。
では、「建てて(つくって)いる人」は・・・?
>> 最終的には、地元の職人や工務店が建てているのです。 <<
私のところに相談に来られる方でよく質問されるのが、
「アフターメンテナンスはどうなっていますか?」ということです。
ハウスメーカーに比べて、工務店はアフターに不安があるようです。
今週のメルマガは、メンテナンスについて考えていきます。
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アフターのいいメーカー?
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最近、大手ハウスメーカーも
メンテナンスやリフォームに力を入れ始めました。
これから新築需要が減っていくのは間違いなく、
また「リピート率や紹介受注」が指標になっている企業も増えています。
他の業界では、一度商品購入やサービス利用されたお客様に
再度ご来店いただき、リピート購入していただくことに腐心します。
お店のファンになってくれると、
それ以降も利用していただける確率が高くなるからです。
広告宣伝費も掛からず、友人を紹介していただけるかも知れません。
だから「顧客満足度を高めること」が、企業の優先課題です。
しかし、残念ながら住宅業界は違いました。
なぜなら、リピートが望めないからです。
満足してもらっても、それ以上利益を生みません。
手直しが続くと、利益を吐き出してしまいます。
「相手はシロウトだから分かりゃしないよ!」
「この程度は当社では許容範囲だと説明しておけ!」
施工ミスをごまかし、口でいいくるめる人間も少なくありません。
利益を生み出さず、リピートも期待できない既存の建て主より、
新しく利益をもたらしてくれる見込み客に時間とお金を注ぎ込みます。
そんな企業のほうが大きくなった時代もありました。
▽ ▼ ▽
工務店で家を建てて入居後、外壁にクラックが見つかった方から、
私のほうに相談のメールが届きました。
部分補修だけで済ませるということに納得がいかないという相談です。
友人は大手ハウスメーカーで建てて、
「アフターは最高だ!」という話に、少し後悔の念もありそうです。
大手メーカーは、引渡し後の不具合にもきちんと対応しているようです。
(本来、不具合なく引き渡すのが当然なのですが・・・)
「やっぱりハウスメーカーに頼むべきだったのかなぁ・・・」
ちょうど、そのメーカーで商談中の別の方から
契約段階のトラブルの相談も受けていたので、メールで返信しました。
——<若本の返信メール>————————————
Aハウスなどはアフターはいいと聞いています。しかし、契約段階や施工の
納まりなどは、内部の声を聞いても「外にはいえない」ということなので、
私自身は大手は勧めません。
アフターサービスの対応に掛かるお金以上に、工事代金を負担しています。
アフターは社員教育でカバーできます。なぜならあまり業界のシェアや業績
に影響しないからです。
アフターがしっかりしているという評価が広がれば、簡単にイメージをあげ
ることが出来、掛かる費用は限定的です。
しかし、営業段階は「受注してナンボ」の世界なので、生保の保険金不払い
同様、一流企業でも営業の前線では多少の行き過ぎにも目をつむります。
悪く言えば、騙してでも「取ったが勝ち!」です。
まずは、業界のシェアや決算数字が優先されるのです。
一般消費者はそれに気づかない方が大半なので、アフターさえ良ければ
「やっぱりいい会社だった」と思います。
それは、大手の幹部も気づいていることなので、アフターには力を入れてい
るということだとご理解下さい。補修は「下請けを行かせば」済むのです。
(きちんと正規の補修費用を支払うかどうかも分かりません)
ちなみに、今回の大阪出張で相談を受けた方は、Aハウス奈良支店との契約
段階のトラブルでした。担当者では話にならず、支店長まで出てきているに
も関わらず、ごまかされようとしているといった話でした。
残念ながら住宅業界はどこでもトラブルやクレームを抱えています。
(以下省略)
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アフター保証?
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家電量販店などは、価格競争が激化しています。
同じ商品なら、どの店で買っても品質や機能は変わりません。
ネットで価格の比較も出来るようになって来ました。
価格だけの競争では、企業は疲弊してしまいます。
そこで、メーカー保証とは別に、家電量販店独自の保証がついています。
アフターメンテナンスをしっかりすることで、
一度他社に浮気したお客さんも戻ってくることを期待しています。
>> そうです!家電の場合はお客さんが戻ってくるのです! <<
売りっ放しで「安いだけ」のところは、淘汰されていきます。
広島では、パソコン量販店もかなり熾烈な競争から撤退が相次ぎました。
家電製品の場合は、明らかな故障は分かります。
事故に繋がる危険なトラブルは、リコール制度もあります。
PL法(製造物責任)も負っているので、消費者も強く言えます!
しかし、住宅の場合は少し様子が違います。
明らかな不具合は、お引渡しまでにほとんど気づくでしょう。
気づかない瑕疵(隠れた欠陥)のほうが多いのです。
入居後、明らかな不具合が見つかるのはさらに問題です・・・(-_-;)
面白いことに、この問題の対処によって天と地ほどの差が出ます。
小手先でごまかそうとすると「火に油」を注いだような騒ぎとなります。
でも、誠意を見せて全てを取り替えると、評価が高まります。
「あ・た・り・ま・え」なのに、施主が感激するのです!\(~o~)/
「あの会社はここまでやってくれて、アフターは凄くいいわよ!」
「やっぱり、大手に頼んでよかったわ!」
クレームやトラブルは吹き飛び、顧客満足度は高まります。
トラブルがなければ「満足止まり」が、
トラブルを真摯に解決すれば「感激!」にランクアップされるのです。
工事中や引渡しの検査を厳密にして、トラブルのない会社より、
不具合を起こした会社のほうが、評価が高くなる「おかしな現象」です。
私は前者の会社を評価しますが、
後者を計算しているような(?)会社も業界にはたくさんあります。
感激のテープカットや社員総出の「上棟式」など・・・
感動を演出するテクニックに心動かされる人は後を絶ちません。
そういえば、耐震強度偽装の中心企業だった地方ゼネコンの社長は、
すべての地鎮祭に参加し、施主の評価は高かったそうですね・・・(-_-;)
経営コンサルタント企業などは、そんな指導を行なうところもあります。
耐震強度偽装にも、コンサル会社が関与していました。(>_<)
住宅業界の「アフター保証」や「CS(顧客満足度)」には、
そんな裏側もあるのです。
じゃあ、本当に必要なアフターとは・・・
⇒ 次回発行に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●自分でわが家を作る本 氏家誠悟 著 [山海堂]
http://www.amazon.co.jp/dp/4381086325/ref=nosim/?tag=cmshiroshima-22
↑書店に自分の本を探しに行ったら、この本を見つけました。
以前メルマガの相互紹介もした、岩手の氏家さんの本です。
在来木造の住宅を基礎工事から電気工事まで自分で手掛け、
その記録を写真や図解入りで詳細に紹介しています。
素人でも「ここまで出来る!」と感心(感嘆!)させる本です。
★ホームページ「DIY日曜大工で家をつくる」も豊富な情報です。
⇒ http://tezukuri-uchi.hp.infoseek.co.jp/index.html
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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↓ ↓ ↓
http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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住宅はクレーム業界といわれます。
企業側は、クレームがあって当たり前だと思っています。
クレームに対してどう向き合うか・・・
「うちは、クレームがあるから顧客満足度が高いんです。」
こう話す住宅会社のトップもいらっしゃいました。
当たり前のことを当たり前にやっても、満足や感動は得られません。
トラブルがあるほど、解決できた喜びは大きいのです。
男女の関係も同じですね?!
普段だらしない人が、意外にモテたりします。
人の心理は不思議です。
営業系の人や会社は、そのことに気づいているかも知れません。
しかし、本来はトラブルを未然に防ぐのがプロの仕事です。
不安を解消し、それが顕在化しないことが重要だと思いますが、
そうじゃないところに、住宅業界の複雑さがあります。(^^ゞ
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■参考情報 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_11.htm
↑コラム『クレームは天の声』
(若本が以前書いたコラムに、参考情報があります。)
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【 編|集|後|記 】
年が明けて、ようやく広島にも雪が降りました。
しかし、日中日差しが当たると車の中は暖かくなってきます。
暖房を切っても汗ばむほど暖かい時もあります。
信号で止まり、ふと考えてしまいます。
「車はペアガラスでもないし、断熱も大したことないよなぁ・・・」
車を走らせれば、外気の冷たい風が吹き付けます。
人が直接風に当たれば、凍えるような寒さです。
私はむかし自動二輪に乗っていたので良く分かります。
でも、不思議に寒くないんですね・・・
住宅業界の人たちがいう「ヒートブリッジ」だらけで、
車体の下も「スゥースゥー」しています。
基礎断熱も太陽熱利用もありません。
戸外の温度と車内の温度差は十数度はあるでしょう。
しかし、暖房をしていなければ「シングルガラス」に結露もありません。
エンジンが暖かくなっているからでしょうか・・・?
それとも車内の容積が小さいから、
逃げる熱よりも人の発する熱が勝っているのでしょうか?
自然のメカニズムは不思議ですね。
住宅業界だけの常識に囚われないことも必要だと思います。
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