2019.2.10 Vol.15_No.17
意外と見落としがちな生活インフラ【ガス編】
土地を選ぶ際に、意外と見逃してしまうポイントがあります。
それは「生活インフラ」です。
生活インフラとは、生活に欠かせない電気・ガス・水道・通信関係・交通関係のことをいいます。
使用できる設備は、地域や団地などの特性によって異なり、建築時にかかる費用や月々に発生する費用、日々の生活にも影響がでるため、土地購入の段階で必ずチェックしましょう。
電気は基本的にどこでも電線が通っているので不便はありません。
その中で、今回はガスに限定してお伝えします。
ガスの種類は、都市ガスもしくはプロパンガス(LPガス)があります。
都市ガスとプロパンガス(LPガス)の違いは主に以下のとおりです。
広島市の市街地の多くは本管が整備されているため、ほとんどが都市ガスです。
敷地内にガス管が配置されていない場合は、前面道路に埋設されている本管から引き込む管を設置する必要があります。
ただし、前面道路に本管がありながらプロパンガスを使用している住宅もあります。とくに集合住宅に多いのですが、「設置コストが都市ガスに比べてかからないから」という理由からだそうです。
前面道路に都市ガスの本管が整備されていない場合は、プロパンガスの使用になります。プロパンガスの場合は、「個別プロパンガス」か「集中プロパンガス」に分かれます。
「個別プロパンガス」の場合は、各家庭でガスボンベを屋外に設置して使用します。
以前、エアコン設置をされていた業者さんから、「エアコンの室外機は基本的にガスボンベから2m離さないといけない」と教えていただきました。
ガスボンベの設置場所はスペースがある場所ならどこでもいいというワケではなく、建築の際にエアコンの室外機をどこに置くのかも考慮しておく必要があります。
「集中プロパンガス」の場合は、団地などで使用されていることが多く、広島市では安佐南区内でよく見かけます。団地の一角に容器収納庫を設置し、複数のガスボンベもしくはガスタンクを設置して、地中にガス管を埋め込み各家庭に供給するシステムです。設置や配達が1箇所で済むため、個別よりも比較的安く提供されるのが特長です。
一般的に都市ガスよりもプロパンガス(LPガス)の方が設置コストはかかりませんが、月々の利用料金は高いと言われています。(都市ガスが公共料金であるのに対し、プロパンガスは自由料金だからです。)
ただし、災害時に復旧が早いのは、各家庭の配管や設備の点検で済むプロパンガスです。
住宅密集地や狭小地の場合は、ガスボンベの設置場所の確保や定期的に行われるガスボンベの交換や検査・運搬が難しいため、オール電化がオススメです。
ガスの使い道は、主に「調理」と「給湯」、「冷暖房」です。
「調理」に向いているのは、一気に熱量を多く放出するプロパンガスです。強い火力が必要な飲食店でもよく使われています。本格的な「調理」がお好きな方にはオススメです♪
ただし、ガスコンロには、都市ガス用とプロパンガス用があるので、間違って購入しないように注意しましょう。
お風呂やキッチンでお湯を出す「給湯」。一般的にはガス給湯器が主ですが、オール電化住宅では電気給湯器、その他に石油(灯油)給湯器があります。
都市ガスの給湯器は、本体価格が比較的安くランニングコストも安いため、多く使われています。プロパンガスの給湯器は、ランニングコストがどのタイプよりも高くなります。
電気給湯器は、電気料金の安い深夜に稼働してお湯をためる安全性の高いシステムです。ただし、本体価格もランニングコストも高く、使えるお湯の量に制限があるデメリットも持ち合わせています。
水道からの水をタンク内に貯め温める「貯湯式」やタンク内で加圧して温める「真空式」、水道水が管で本体を通過するときに温める「直圧式」等、様々なタイプがあり、タイプによって、省エネであったり、光熱費が安くなったりします。
石油(灯油)給湯器は、ランニングコストがいちばん安くパワフルにお湯を供給するので、寒冷地でよく使われています。自ら給油するデメリットもありますが、その分災害時に復旧が早いのも特長です。
地域によって場所によって団地によって、生活インフラの整備は異なります。しっかりとチェックしましょう。
次回は【水道編】をお届けします。