2019.5.10 Vol.15_No.18
意外と見落としがちな生活インフラ【水道編】
前回の記事から1年以上過ぎてしまいました。
引き続きよろしくお願い致します。
前回はガスについて記しましたが、今回は水道について説明いたします。
飲み水や生活に必要な水など浄化された水を供給する上水道と、お風呂や洗濯、台所で使われた雑排水、トイレなどから流れる汚水や雨水などが流れていく下水道に分かれます。
上下水道とも敷地内に配管がない場合、前面道路からの引込が必要になるため、その分費用がかかります。
ガスの配管の場合、前面道路から宅地までの配管はガス会社が費用を負担して、宅地内の引き込みはその所有者の負担になります。
ですが、水道管の場合は、上下水道共に前面道路に引き込まれている本管から宅地内までのすべての費用が所有者負担となります。
下の画像の下水道を例にしてみた場合、公道の下にある公共汚水ます、公共雨水ます(公共下水道)からの引き込みはすべて所有者が負担します。
古い家の場合は給水管の口径が13ミリと小さく現在の生活スタイルには合わないため、建替える場合は世帯人数により20ミリもしくは25ミリなど変更が必要になります。その分水道メーターの変更も必要になります。
上下水道の整備がされている地域がほとんどですが、整備されていない地域では、上水は井戸水(地下水)の利用、下水は浄化槽を使用しているケースが多いです。
2018年7月に起きた広島の豪雨災害により広島県の各地で断水が起きました。
知り合いが住む因島でも断水が起きましたが、上水道と併用して井戸水を使用していたため、水に困ることはありませんでした。
災害が多く発生している昨今、災害時は水道管の損傷により断水が発生しやすいため、井戸水の重要性が増しています。
井戸水の場合は、上水道料金がかかりませんが、水質チェックや掘削に係る費用、許可申請(地域による)等が必要になります。
浄化槽は基本的に公共下水道の整備がされている場合は設置できません。
設置には初期費用がかかりますが、自治体で補助金を出している場合があります。
ちなみに広島市では補助金はありませんが、安芸郡熊野町では補助金があります。
下水道料金はかかりませんが、定期的な掃除や点検などのメンテナンス費用がかかります。
公共下水道が整備された場合、受益者負担金などの支払いや浄化槽の処理、下水道料金が発生する場合がありますので、ご注意ください。
土地や中古住宅の物件概要には、「設備」としてガスや上下水道の状況を記しています。
記していない場合、気になる方は日常生活に係わることですので業者に聞いてみることをおススメします。
また昔のように広い敷地は不要で、一つの土地を分割して販売している土地には「設備」が何もない場合があります。
「設備」については見落としがちになりやすく、建築する際に想定外の費用がかかることで後悔することがない様に、重要事項説明などで知る前に事前にチェックしましょう。