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家づくりで泣く人・笑う人

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2004.1.26 第3号

ローコスト住宅が危ない! ~ローコスト住宅を契約したお客様からのSOS~

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.003━2004.01.26━

《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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                        ~第3号~
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  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
 200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
 家づくりという大きな「事業」を成功に導くノウハウを提供していきます。
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こんにちは。発行者の若本修治です。
 今週も家づくりに関する有益な情報を提供していきます。
 どうぞ最後までお付合いください。
   
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  ▼ローコスト住宅が危ない!? 価格だけに惑わされるな!

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 私が住宅業界に詳しいということから、お客様だけでなく知人からも
 「ローコスト住宅ってどうなの?」
 と尋ねられることが少なくありません。

 消費者のイメージとして、

 TVコマーシャルやカラーのオリコミ広告を入れる業者に対し、
 「まさか、消費者を騙すことまでしないだろう」

 と考えるのが普通でしょう。
 (悪いクチコミで自分の首を締めるようなことはしないと思いますよね?)

       ●————————–
         お客さまからのSOS
        —————————●

 仕事上の付き合いのあるMさんとの雑談で
 「実はローコスト住宅メーカーで家を建てることになったのですが・・・」
 という相談を受けました。

 話を聞くと、その会社は坪単価二十ウン万円という全国チェーンの加盟店。
 冷やかし半分展示場で記名したら、自宅まで何度も訪問され、
 いい土地まで見つけてくれたので。その熱心さに心が動いたようです。

 「で、何か不安なことでも?」と私。
 「実は、今週末にも契約なんですが、不安だらけで・・・」

 初めは対応の良さに感心していたものの、設計が具体的になり契約が近づく
 に連れ、話が食い違い、とうとう担当者が退社してしまったのです。
 「この調子だと、本当にちゃんとした家が建つのだろうか・・・?」
 Mさんは仕事で見せる顔とは明らかに表情が違っていました。

 そこで、私はある提案をしました。
  私 :「よほどのことがない限り大丈夫でしょうが、実はインスペクショ
      ンという工事中の検査をするところがあります。実は弊社も最近
      始めました。」
 Mさん:「何ですか?それ」

 彼は、私を法人専門の経営コンサルタントだと思い込んでいたのです。
 (実際以前はそうでした)
 そこでインスペクションの説明を行ない、
 業者側にも「第三者の検査」が入ることを伝えてもらいました。

“”””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””
 (ここで注意!)
 工事期間中の建築物は元請業者の管理下にあります。
 工事金額の決済をし、お引渡しを受けて初めて施主の住宅となるのです。

 だから、元請施工業者の承諾なしに、第三者が勝手に検査は出来ません。

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         ▽ ▼ ▽

 施主のMさんからの連絡に驚いた施工会社の担当者。
 「すぐにでも打合せをしたいので、必要な資料を教えて下さい・・・」
 初めてのことでもあり、彼は緊張気味です。

 私:「インスペクションというのは、業者いじめの検査ではありません。
    お客様に第三者の検査で安心していただくと同時に、
    業者側も第三者の検査を受けることで、
    品質レベルの向上を図ってもらおうというものです。」

 私の説明で、担当者も少しほっとしたようです。

 これまでの住宅業界は、
 「品質」での競争力強化はおざなりになっていたのが現状です。
 (日本の製造業の強さは、世界に誇れる「品質」なのに!!!)
 
 そのため、欠陥住宅の問題で、業者はほっとくと手を抜くというイメージが
 世間に広がりました。

 しかし、
 業者を「性悪説」で見ず
    「プロとして育成する」
        という考えも必要です。

 設計事務所や検査機関だけでは家は建ちません!
 施工会社に「品質重視」が競争力の源泉になることを教えたいのです!

 実際『ISO』という「品質に関する国際基準」を
 企業の競争力強化のために取得する企業が増えているのですから!!!
 (残念ながら住宅の施工会社では、取得企業は多くありません)

       ●————————–
         インスペクション実施
       —————————●

 工事中、後からでは確認できない重要な場面として2回だけ
 現場検査を実施しました。

 まず第一回目は、「基礎の配筋検査」。
 基礎のコンクリートを打つ前の鉄筋を組んだ状態での検査です。
 このときに指摘した最も重要な手直しは、

 『かぶり厚さ』

 というものです。
 
 聞きなれない言葉ですがご存知ですか?
 コンクリート仕上の表面から鉄筋までの厚さを意味しています。

 規定の厚さが取れていないと、
 将来鉄筋が腐食して強度に影響を及ぼす可能性があります。

 見た目には問題はなく、将来的にもその影響は分からないかもしれません。
 しかし、確実に設計強度よりも劣る施工状態でした。

 第二回目の検査は、「上棟(いわゆる棟上げ)後の躯体のチェック」。
 ここでは、設計強度で必要なボルトやピンの数の不足が見つかりました。

 プレカット材の加工ミスから、
 8つのボルト穴のうち1つがほとんど利いていません。
 何十ヶ所もある、すべての金物が同じ状態でした。

   >> ちょっと専門的な話になってしまいました・・・m(_ _)m <<

 今回の検査は、事前に業者側に検査日を伝え、
 工事部長や社長まで現場待機し、
 通常以上に神経を使って検査前に社内チェックをした現場です。

 仕上げをしたら、全く分かりませんし、
 「このくらいは大丈夫だろう」
 と、現場では黙認してきたレベルのミスです。

 恐らく重大な瑕疵(隠れた欠陥)には繋がらなかったと考えられます。
 しかし、予算が限られ、第三者のチェックが入らないとしたら・・・

 ローコスト住宅に限らず、どんな施工会社にでも起こりうることです。
 ただ、施工した職人たちも気付いていないことがほとんどなのです。

 ちなみに、坪20万円台で建つこの住宅で、
 37.5坪の総二階の住宅を契約したMさん。
 別途工事や諸費用を含め、約2000万円(土地代除く)だったそうです。
 
 計算すると・・・(?_?)

 家づくりでこんな『泣き・笑い』はどこにでもあることなのです。
 
 ⇒次週に続く・・・

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          ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●家なんか建てなきゃよかった [講談社] 見延典子 著
 名作『もう頬づえはつかない』の作者が書いた9人の家庭の
 家づくりにおけるトラブルと対立をテーマにした小説集。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062120917/cmshiroshima-22

 ↑営業マンに心を動かされ夢だけ膨らんだときに、冷静になれる一冊です。

●ローコスト住宅があぶない! [エクスナレッジ刊] 小林一元 著
 建築専門の出版社「エクスナレッジ」(旧建築知識)から出された
 手抜き工事をチェックするための貴重な一冊
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4767801990/cmshiroshima-22

 ↑前号の浜口さんの本と併せて、商談のお守り代わりに!

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  ▼今週のワンポイント・アドバイス
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 ローコスト住宅っていう言葉はあまりイメージ良くないですね!
 では、今週の教訓です。

 1.「土地を探してくれた」「熱心だ」だけで契約をしないこと
   (情が移って契約すると、必ずあとでツケがくる)

 2.欠陥をつくろうとする業者はいないが、第三者の検査は必要
   (業者の育成、業者自身の競争力の強化にもなる)

 3.チラシの坪単価で家が建つと思わないこと
    
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_55.htm
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)

【編集後記】
 メルマガを発行し始めて早々に新しいネットワークが広がり始めました。
 千人から1万人規模の読者のいるメルマガ発行者とも縁が出来ました。
 先週末は『まぐまぐ』では超有名人、「がんばれ社長!」の武沢社長とも
 広島で食事をする機会があり、いろいろと刺激を受けています。

 鹿児島からも「若本さんのメルマガ見たよ!」というメールが・・・。
 何と武沢社長の「非凡会」に共感し、薩摩非凡会を立ち上げるという話。
 三伸ホームの佐田さん 薩摩非凡会の会長職頑張ってください!!
 ●佐田さんのメルマガ『土地と建物の関係』
  ☆こちらも勉強になります⇒ http://www.mag2.com/m/0000072843.htm

いかがでしたか?では、また来週♪

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 ◇ 次週予告
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       あなたはマンション派?それとも戸建て派?

         ▼デフレ時代の賢い住宅取得とは▼

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