2004.3.15 第10号
もうこんな家は売りたくない! ~元ディーラー社長の告白~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.010━2004.03.15━
《週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第10号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、中小企業診断士を取得して、
200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた実戦派コンサルタントが、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
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こんにちは。発行者の若本修治です。
先週、ようやくホームページが「Yahoo!Japan」に登録されました。
私は3年前、検索エンジンの「google」を知ってから、ヤフーはお気に入り
から削除したので、ヤフーを見ることも意識することもありませんでした。
しかし、知人から「ヤフーに登録される信用はお金を出しても価値あり!」
と教えられ、先週の月曜日にビジネスエクスプレスを利用しました。
(ホームページを持っていない方は「?」な話ですみません)
実は、私は過去二度ほど無料の「サイトの推薦」を申し込みました。
でもいつまで経っても登録されない・・・(-_-;)
無料だと申請してもほとんど登録されない「Yahoo!Japan」なのです。
今回、審査のためのお金を、月曜日の午後に振り込みました!
そうしたら・・・
入金確認のメールが15時19分。
登録したというメールがその日の21時24分。
なんと6時間で、厳しい「Yahoo!Japan」の審査をパスしました!\(^O^)/
ホッとしたのも束の間、数日後、知人から電話がありました。
「若本さんのホームページを検索したら、代表が亀岡さんになってるよ。」
「えっ!? まさかっ!?」・・・本当でした。(T_T)
彼は、上記の経緯も知らずに「Yahoo!Japan」で検索したそうです。
彼のとても嬉しそうな声が今でも耳に残っています・・・
この話はまた別の機会に・・・
では、今週の本文の始まりです。
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▼もうこんな家は売りたくない ~元ディーラー社長の告白~
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前回のメルマガで、「ディーラー制」というのを紹介しました。
ここ数年、メーカーと系列の販社(=ディーラー)との関係が
微妙に変わってきたようです。
※たとえば自動車でいうと、「トヨタ自動車」はメーカー
「トヨタカローラ横浜」はトヨタのディーラーです。
なぜ、変わってきたのでしょうか?
従来は、大量生産・大量消費社会で、メーカーの作った商品を販売するのが
地域ディーラーの仕事でした。
いわば、その地域の「独占販売権」を得ているわけです。
これまでは、消費者ニーズの最大公約数に応えて商品が開発され、
大量の広告宣伝で売れていた時代が長く続いていました。
メーカーの言うことを聞いていれば、売上を伸ばすことが可能だったのです。
しかし、時代は今大きく変わりつつあります。
多品種・小ロットで、個性的な商品を選ぶ消費者が増えているのです。
しかも、価格にも敏感で品揃えも要求されます。
ひとつのメーカーの商品を一方的に揃えるのではなく、
メーカーの枠を超えて消費者ニーズに応える企業が業績を伸ばしています。
★文具の配達サービス「アスクル」も
親会社「プラス」の競合製品も数多く扱っていますね!
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「住宅」という商品
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ハウスメーカーは、住宅を「商品化」して大きく成長しました。
しかし、「住宅」はひとつのメーカーが自社商品の全ての部材をつくって
いるわけではありません。
サッシメーカーや水回り設備機器メーカー、内装資材メーカーなどから
完成部材を調達し、現地で組み立てる「アセンブル」業です。
今の住宅は、小さな工務店でも、この「アセンブル」業が主体といえます。
ハウスメーカーは、商品に対し自社仕様の部材の割合が高く、
工務店や地域ビルダーは、建材メーカーから部材を調達する。
これが、メーカーと工務店・ビルダーの違いです。
(現場でやっていることはそれほど違いはありません。)
そして、
地域での独占販売権を与えられた「ディーラー」は、
独自仕様の部材を「住宅」という完成品にして売るための「組織」に
他なりません。
▽ ▼ ▽
前置きが長くなりました。m(_ _)m
ここで、先週からの元ディーラー社長の登場です。
数年前まで、大手ハウスメーカーのディーラーでトップだったA社長。
メーカー直営の支社長の座を捨てて、新たな住宅会社をつくりました。
およそ20年前、A社長がディーラー会社のトップになったときは、
大変儲かっていたそうです。
なぜなら、自分たちの裁量で判断する部分が大きかったから。
前置きにも書いたように、住宅は「アセンブル」業なので、
メーカーから購入する製品だけでは完成しません。
基礎の鉄筋やコンクリートは現地調達です。
内装クロスや木材も地域の建材店、専門業者からの調達となります。
2,500万円の住宅であれば、
メーカーの部材が3割で、残りの7割(1,750万円)は、
自分たちの裁量で、調達も値決めも出来ていたのです。
しかし
時代は変わっていきました・・・
メーカーも競争力と収益力を高めるため、部材化率を上げてきました。
聞くところによれば、最近では70~80%を占めるそうです。
(メーカーによって当然差はあります)
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選びたい消費者と選べないディーラー
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自動車や家電製品のように完成品を出荷するメーカーでも、従来のような
既製品だけでなく、ユーザーの希望に応える体制作りをしています。
アメリカのパソコンメーカー「デル」や「アップル」などの
BTO(build to order)は、これまでの常識を変えました。
つまり、発注に応じて違う仕様の製品を短納期で出荷していくのです。
100人に100通りの仕様も可能といえます。
「住宅」は、本来、契約が決まってからの部材発注が基本です。
特に、完成引渡しまで数ヶ月掛かるような住宅の部材は、自由に選択可能な
はずです。外装材でも、キッチンでも数多くのメーカーがあるのですから。
しかし、ハウスメーカーでは部材は限定されてしまいます。
本当は、大手建材メーカーのショールームで、数多くのバリエーションから
性能やカラーを選びたいですよね。
地元の工務店やビルダーが、
複数の建材メーカーからお客さまの好みや予算にあわせて提案している
その一方で、ハウスメーカーの限られた仕様と硬直した価格体系で勝負
していかなければならない!!
お客さまのニーズや予算では、他社の建材の組み合わせの方がいいのに!
でも、メーカーとの契約で、最適な建材を使えないジレンマ・・・。
裁量権もなく、利益も支給された部材を取り付ける手間賃程度。
これでは、どうしても企画型の住宅に当てはめていくしかない・・・。
>> もう、こんな家は売りたくない!! <<
A社長はディーラーの契約の終了と同時に、新しい住宅会社を興しました。
お客さまの声に応える新しい家づくりを信条に頑張っています。
知名度もなく、会社規模は小さくなったものの、
個性的な住まいは施主にも好評で、A社長も満足しているようです。
⇒次週に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●家づくり究極ガイド2004 [エクスナレッジムック]
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4767803594/cmshiroshima-22
↑こんな本が「市販」されると、本当は業界人は困るのです。(^^ゞ
業界でしか知られていない専門情報誌「建築知識」の編集者がまとめた
家づくりの究極ガイド。プロ向けの本なので少し高額なのが難点!?
でも、これを読みこなせる消費者がいたら凄い!!プロは買いなさい(笑)
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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「今月中にご契約いただければ、特典があります!」
住宅営業マンの常套手段(決めセリフ)のようです。
4月になると新人営業マンたちも入社してきます。
私が以前いた会社も、そのような営業マンの研修を行なっていました。
飛び込みセールスの指導まで行なっていたのです。↓
●書籍『セールスは飛び込みが面白い』 丸山景右 著
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534027575/cmshiroshima-22
(私が指導していたわけではありません)
※テクニックではなく営業マンのスピリッツの指導です。
新人には「私の1棟目のお客様になって下さい!」
と新人らしさをアピールさせます。
さまざなまセールステクニックを駆使すれば施主の心は動きます。
特典や値引きもそのひとつでしょう。
でも、そのようなセールステクニックで家を買わせていいものか疑問です。
営業マン自身の成長と、本当に喜んでいるお客さんがいて、
お引渡し後もいい関係でいられるのであれば問題ないでしょうが・・・
私自身は、現在「対極の方法」で家づくりのサポートをしています。
さんざん住宅業界の裏側を知っているからこそ、
そんなやり方をしなくても安心して相談を受ける場をつくりたいのです。
今回登場のA社長から、いい話を聞きました。
「私がメーカーで家を売っていた20年間で、
契約が翌月になったから、特典がなくなったというのは
ただの一度もないよ!若本さん」(^o^)丿
ディーラーのトップとして、延べ数千棟の住宅販売の指揮を取った人からの
情報です。(こんなことバラしていいのかなぁ・・・)
■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clum/vol_46.htm
↑コラム『理性で家を買おう』
右脳とか感性とか、こころに響く心地よさも大切ですが・・・
(若本が書いたコラムに関連知識を載せています)
【編集後記】
このメルマガは毎週日曜日に書いています。
日曜日夜は、『劇的ビフォーアフター』のある日。
メルマガ読者からも、ビフォーアフターに関する意見を求められます。
先日も『劇的ビフォーアフター』を見ていた時のことです。
私: 「あのお客さん、数ヵ月後にリフォームを後悔するよ!」
私の妻:「どうして・・・?」
私: 「それは・・・・」
私の妻:「なるほどね!でも、そんなの普通は気付かないじゃない!!」
確かに・・・(^_^;)。プロだったら映像だけでも気づきます。
施工のミスではなく、明らかに計画のミスです。(匠の方ゴメンナサイ)
感性だけに任せると家づくりは得てしてうまくいかないものです。
では、また来週♪
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◇ 次週予告
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▼断熱を考える!▼
~サッシメーカー部長の体験~
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●このメルマガでは、
『住宅コスト削減術』や『業者選びのコツ』、『欠陥住宅を防ぐ方法』
から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
住居費のコントロール方法を週刊で提供していきます。
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