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家づくりで泣く人・笑う人

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2005.5.23 第57号

快適に住まう工夫   ~窓まわりで変わる快適な住まい~ 

『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.057━2005.05.23━

《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
      ━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛ 
                        ~第57号~
  ◆家づくりは人生最大の「事業」
  ◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
  ◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
                    《発行部数2,655部》

【バックナンバータイトル一覧】
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  ⇒このバックナンバーであなたの家づくりの常識が変わります!!
   気になるテーマを印刷して、是非ご夫婦でお読み下さい。
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【もくじ】
 ・快適に住まう工夫
 ・今週のお勧めBooks
 ・今週のワンポイント・アドバイス
 ・編集後記
 
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 このメルマガでは、
 現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
 取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
 家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。

 どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
 あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。

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 こんにちは。発行者の若本です。

 前回発行のメルマガはいろいろな反響がありました。
 まさにメルマガに書かれた状況になりつつある方もいらっしゃいました。

 ★前回のメルマガはこちら
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  ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/BN_vol56.htm

 今週は、東京に出張です。

 少し時間の余裕がありましたので、メルマガ読者の方で、
 在京の方から寄せられた、設計者選びの相談に乗ることになりました。
 「ついでだから」と思っていたら、3組にもなってしまいました。(^_^;)

 しかし、どうも日本人は『有資格者』に弱いような気がしてなりません。
 「資格=能力」とはいえないので、資格や肩書きだけで判断せず、
 その人の仕事振りや過去の実績なども判断材料にしたいものです。
 というのも・・・。

 先週、NHK広島放送局のディレクターから、
 認知症(痴呆症)老人を狙った悪徳商法の調査同行の依頼がありました。
 埼玉県の事件が有名になりましたが、広島でも起きていたのです。

 ブログにその模様をアップしています。
 写真を見ると皆さんもきっとビックリするでしょう!

 ★住まいづくりコンシェルジェ出動! ~プラ束の林が生える!?~
    ↓  ↓  ↓
 ⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/21891026.html

 ここでも放映前に、ディレクターから資格についての問合せがありました。
 上司から「一級建築士を持った専門家なのか?」と尋ねられたそうです。

 詐欺は、そんな日本人の『資格崇拝』などの心理までも巧みに突いてきます。
 皆さんもお気をつけ下さいね。

 しかしNHKバッシングもある中、スタッフはいい仕事をしていました。
 では、今週も最後までお付合いください。

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 ▼快適に住まう工夫   ~窓まわりで変わる快適な住まい~
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 最近、住宅の断熱性能が格段に上がって来ています。
 10年前には、ペアガラスなどは一部の住宅しか使われていませんでした。
 しかし、今ではシングルガラスのほうが珍しいほどです。

 わが家は10年前に購入した分譲マンションです。
 およそ1千世帯が住む大規模マンションですが、ガラスはシングルです。
 未だに、わが家はリビング以外にエアコンはありません。 (^_^;)

  以前も紹介した、若本の住んでいるマンションはこんなところ
  ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/a-city.htm

 予算が限られ『高断熱住宅』に手が届かない方でも、
 ちょっとした工夫で、室内の温熱環境を変えることが出来ます。
 それが、窓まわりの工夫です。

       ●————————
          コールドドラフト
       ————————-●

 まずは、冬の窓まわりについて考えてみましょう。

 断熱性能で考えると、窓面からの熱損失が大きいのはご存知でしょう。
 だから、ペアガラスや樹脂サッシなど、窓の断熱性能を高めます。

 しかし、家全体の開口部を断熱サッシにすると、かなり高額になります。
 またリフォームで安易に採用すると、別の箇所に結露が生じます。

 従来よりも、断熱や気密性能が上がると、室内外の温度差が広がり、
 余計に露点(水蒸気が水滴になる温度)に達する所が増えてくるのです。

 冷たくなった空気は下に、暖められた空気は上昇しますよね?
 冬の窓際は、ガラス面から熱が逃げると同時に室内の空気も動いています。

 窓面で冷たくなった空気が、床に下りてくる。
 これが『コールドドラフト』と呼ばれる現象です。

 夜になり、カーテンを閉めると、室内と窓の間に空気の層が出来ます。
 この空気層は、窓によって冷やされるため、下に降りていこうとします。

 降りていくということは、カーテン上部の気圧が低くなり、
 おのずと反対方向(つまり上)から空気が流入しようとするのです。

 ここで問題になるのが、カーテンレールなのです。
 窓まわりで下降する気流が発生した場合、カーテンレールの隙間から・・・

 想像できるでしょうか?

    ・
    ・
    ・

 そうなんです!

 室内で暖められ上昇した空気が、カーテンレールの隙間から吸い込まれ、
 窓面で冷やされて、床下に排出されるのです!!

 床が、フローリングなどの冬冷たく感じる材料だったら・・・
 ますます室内の温度分布が不快になっていくでしょう。
 カーテンの吊り方ひとつで、こんな「循環」を繰り返すのです。

 さらに、窓から離れた壁際に暖房機を置けば、最悪の結果を招くでしょう。
 窓に近い床は、どんどん冷たい空気が送り込まれてくるのです。
 天然の冷房装置のようなものなのです!
 暖房しているはずが、同時に冷房もしているなんて・・・(-_-;)

         ▽ ▼ ▽ 

 コールドドラフトを防ぐため、
 高気密高断熱の工法では、温風の吹き出し口などを窓の下に設置します。
 窓周りのパネルヒーターも有効でしょう。

 しかし、まずはカーテンレールの隙間から流入する空気を止めることです。
 それには、カーテンボックスが恐らく最も簡単で効果のある方法でしょう。
 わが家は、カーテンボックスと床下まで垂らしたカーテン、
 そして床はグリッパー工法のカーペットとしてます。
 これでシングルガラスで起こるコールドドラフトを緩和しています。(^O^)

       ●———————-
          陽射しの遮蔽
       ———————–●

 では、夏はどうでしょう?

 今は『Low-Eガラス』と呼ばれる紫外線をカットするガラスも使われます。
 ペアガラスの空気層側に、特殊な金属膜をコーティングしたものです。

 しかし、このようなサッシも決して安くありません。

 では、どうするのか・・・
 エアコンもペアガラスもなかった昔の日本家屋をイメージしてみて下さい。
 日本の家は「夏をむねとすべし」と徒然草でも書かれています。

 まずは、窓よりも外側で、日射を防ぐ方法があります。
 そして、建物の外部の気温を少しでも下げる工夫もいいでしょう。

 最も簡単なのが、窓の外側に簾(すだれ)を下げることですね。
 そして、外に向かって「打ち水」をするのです。

 打ち水は、熱くなった地面を水で冷やすだけでなく、
 「気化熱」で、温度を下げる効果もあります。
 注射をする時、アンモニアで消毒をしますよね。
 あの時ヒンヤリするのが「気化熱」です。

 工業製品の無い昔の住宅は、自然の力をうまく利用していました。
 建築的な仕掛けや、庭、生活習慣など、夏の暑さを愉しんでいたのです。

 上記以外のことを少し列記していきましょう。

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 1.深い庇(ひさし)→ 夏の日射を室内に入れない

 2.縁側と障子→ 空気層となり、温度と湿度コントロールが期待できる

 3.庭池→ 気化熱により気温を下げる効果あり

 4.植栽(落葉樹など)→ 夏の陽射しを和らげる

 5.風鈴→ 音色で涼しさを演出する

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 今の建物や敷地条件では、現実的ではありませんが、
 工業製品や機械設備に頼らず、省エネを考えるときには、
 昔の家づくりや風習がとっても参考になるのです。

 「そんなの本当に効果あるの・・・?」

 皆さんが家づくりをスタートさせて、Q値やC値を覚えてくると、
 断熱性能は数値や工法、そして予算とのせめぎあいになるかも知れません。

 しかし、もっと身近なところで考えてみましょう!
 炎天下の自動車でも、フロントガラスに『サンシェード』をおくと
 ダッシュボードの熱さがかなり緩和されます。

 木陰の下、太陽の熱が直接車の中に入らなければ、
 そんなに車内が暑くなることはありません。

 車に乗るとき、助手席側の窓だけ全開し、運転席側のドアを5~6回
 開け閉めすれば、ほぼ外気温と同じになるのです。 (@_@)
 (日テレ系の情報番組『伊東家の食卓』で知りました)

 車にはペアガラスも化学製品を使った厚みのある断熱材も必要ありません。
 蓄熱しやすいダッシュボードに日射を当てないようにし、
 そして、きちんと換気をするだけで、意外と効果があるものです。

 逆に、西日でウレタン断熱材などが暖められると、
 熱を逃がさない性能がアダになって、寝苦しい夜を過ごすこともあるようです。
 工業製品と機械設備に頼った『高断熱住宅』も万能ではないのです。

 家づくりは『費用対効果』も十分考えましょうね!
 もちろん窓まわりの温熱環境だけでなく、壁体内結露対策も重要ですよ。

 ★詳しくはバックナンバー(「断熱」を考える!)
  >> http://cms-hiroshima.com/mailmag/bn/vol11.htm

 ⇒ 次回に続く

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            ▼今週のお勧めBOOKS
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 若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。

●古くて豊かなイギリスの家 便利で貧しい日本の家

                  井形 慶子 著  [新潮文庫]

 http://qrl.jp/?191843

 ↑雑誌編集長で、英国に何度も旅行し、英国風の家をハウスメーカーで
  建てた筆者。自宅の住宅設備機器を決めるのは簡単だったようです。
  カタログに掲載された『一番安い設備でいいわ!』で決定です!
  家は手に入れてから、自分たちで飾り、手を加えていくのが英国流。
  過剰装備の日本の家づくりとは対極のようです。(^_^;)

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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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   ↓  ↓  ↓
 http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
 アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
 私もよく利用しています!! (^_-)<☆

     ┏□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┓
          ▼今週のワンポイント・アドバイス
     ┗□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□┛

 今回のタイトルから、「窓辺を飾る」ことを想像されたかも知れません。
 確かに欧米では、街並みを意識して、窓辺の演出もなされています。
 精神的にも豊かさを感じ、快適な住まいとなることでしょう。

 24時間365日、温度変化の少ない快適な環境で過ごすのも良いでしょう。
 室内の温度差は結露やヒートショックなどの問題の原因になるのも確かです。

 しかし、ガラスの向こうの景色だけで季節を感じるのではなく、
 季節の風物詩となる風習や、家の手入れなどはしていきたいものです。
 それが、家の傷み具合を知り、家に対する愛着も湧くと、私は思います。

 「植栽をして、誰が落ち葉を掃除し雑草取りをすると思っているの!!」

 今は、こんな人のほうが多いような気がします。

 しかし季節を感じ、子供たちに身近な自然を体験してもらうことは、
 メンテナンスフリーで、人工的にコントロールされた環境に住まうよりも、
 もっと大切な何かを教えるいいキッカケになると思いませんか・・・?

 では、今週のワンポイントアドバイスです。

☆*☆━━━━━━━━━━━━━*☆*━━━━━━━━━━━━━☆*☆

 1.大きな開口部には『カーテンボックス』をつけよう!

 2.夏の暑さ対策は、窓の外や戸外のことも考えよう!

 3.家は住みながら手を入れることで、得られるものも多い!!

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■参考情報⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_6.htm

  ↑コラム『外断熱と健康住宅』
   若本が書いたコラムに参考情報を掲載しています。

【 編|集|後|記 】

 先週、ファイナンシャルプランナーとジョイントセミナーを行ないました。
 私の話を始めて聞いた方は、住宅取得の「落とし穴」ばかりが強調され、
 危機感をあおっているように聞こえた方もいたようです。

 「セミナーの話は一部の事例で、多くは良心的なプロが多いはずです!」

 こんなアンケートの感想もいただきました。(^_^;)

 しかし、家づくりは『人生最大の事業』です。
 資金調達方法や投資金額も自分なりに調べて予算を組むことが必要です。
 決して「売る側」に聞くのではなく、助言する立場の方に相談しましょう。

 私が中小企業診断士としての相談業務でこんなことがありました。
 インターネット通販のためにホームページをつくった方からの相談です。
 (広島市中小企業支援センターで経営者向け窓口相談をしています)

 これまでアナログで商売をしてきたので、ネット通販は初めてです。
 パソコンやOA機器の購入で出入りする営業マンに相談したそうです。
 日頃から熱心で対応も良く、任せて安心という評価でした。

 彼は、パソコンとセットでリースを組めば、
 月々の負担を抑えてホームページまでつくることが出来ると提案しました。

 「で、トータル金額はいくらだったのですか?」

 私が質問したところ、「月々2万円の5年リース」とのことでした。
 その経営者は「安い!」と思ったようです。

 だって「家賃」よりも安い費用で、どんどん売れる可能性があるのです。
 ここが、家づくりと同じ「落とし穴」なのです。
 パソコンの構成等を尋ねてみると、見積もってもせいぜい25万円程度。
 ホームページ作成(5ページ程度)で100万円を超える金額です。(@_@)

 ホームページ制作の相場を知っている人はきっと驚くでしょう。
 でも知らない人は「親切にすべて段取りしてくれた!」と喜んでいます。

 「知らぬが仏」とはこのことかも・・・ (>_<)

 >> 家づくりは人生最大の事業! <<

 事業資金まで手取り足取り段取りしてくれる親切な人は、
 その活動費用を、発注者自身が相場以上に負担していることを
 他の事例で考えれば分かるはずです。

 普通は経営者自ら銀行に出向き、事業内容を説明し借りるのです。
 個人で初めて大きなお金を借りるのに、他人任せでいいのですか・・・?

 住宅業界も悪意で消費者を陥れている『悪徳業者』はほんの一握りです。
 しかし、皆『商売』で「住宅の仕事」をしているのも事実です。

 彼等が自らの業務に真面目に取り組み、良心的であっても、
 業界の相場や仕組みを知っている専門家にあえて相談することこそ、
 自己防衛とコスト削減につながることを、私自身が実感しています。
 
 ではまた、再来週♪

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 ◇ 次号予告
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          ▼ 資金計画の落とし穴 ▼
 
         ~将来返済に窮しないために~

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 から『住宅ローン攻略法』まで、生涯にわたって豊かさに影響する
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【発行者が携わっているサイト】

 ▼ 家づくりのトータル支援サービス『住宅CMサービス広島』
   http://www.cms-hiroshima.com/
 ▼ 不動産・住宅取得の学習サイト『住まいのキホン・ドット・コム』
   http://www.sumainokihon.com/

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