2006.4.10 第78号
値引き交渉の裏側 ~住宅会社の値引きとは~
【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】
『住まいづくり専門コンシェルジェ』が綴る家づくり総合マガジン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.078━2006.04.10━
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~第78号~
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【今週のテーマ】
・値引き交渉の裏側
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは、発行者の若本です。
前回の「お勧め無料レポート」で紹介した増山大さん。
先月東京出張した折、新宿でお会いしていろいろな話をしました。
その後、相互紹介で、私と会った時のことを書かれていましたので、
彼のメルマガの一部を転載してご紹介いたします。
少し長い文章ですが、さらりとお読み下さい。
——<↓ここから↓>—————————————–
まず今回は、先日増山が知り合ったすばらしい方をアナタにご紹介しますね。
このかたです。
http://tinyurl.com/ntz3r
「すまいのコンシェルジェ」若本 修治さんです。
若本さんは、新築個人住宅を建てようとしているクライアントに
第三者機関として「品質や性能の確かな家を適正な価格で安心して建てる」
という方針で「専門家の立場から考えたサービス」を提供している方です。
若本さんと知り合ったきっかけは1通メールでした。
「出張で東京に来るのでお会いできませんか?」
若本さんは私の、私は若本さんのそれぞれのメルマガ読者でした。
もちろん私は快諾し先週末、新宿超高層ビルの上の方で景色を楽しみながら
会食しました。
とてもいろいろな話をしました。
若本さんが独立されたときの話、メルマガを書き始めたきっかけなどなど。
その中で、もっとも印象的だったのがこの話題です。
それは、最近、住宅に関するチェック機関=第三者サービスがいくつ出てきて
いますが、他サービスとの競合が多く、とても苦労するのではないか?という
私の質問の答えでした。
若「競合すればするほど、私が優位になるんです。」
私「?????」
しかし話を進めていくにつれ、その「???」がクリアになっていきました。
断っておきますが、これは単に「自分に自信がある」ということではありません。
自分のサービスに自信があるのはもちろんのこと、
相手(=こういったサービスを求めているクライアント)の事情や性質を
十分理解しているからでてくる言葉なんだと!
わかりますか?
ここまで明確に、御自身のお仕事とクライアントのことを把握している方は、
これまであまり出会った事はありません。
わたしはそれに気がついたとき、息をのみ、圧倒されたのでした。
そんな若本さんが、書かれているレポート
【欠陥住宅を防ぐ7つの「自己防衛策」】
を購読をあなたにオススメします。ここで御請求ください。
http://tinyurl.com/agyff
ここには【欠陥住宅をつかまない、つくらせない方法】がズラッ7つ書いてありま
す。
若本さんと別れてから、【個人住宅のコンシェルジェ】
のビジネスのことばかり考えています。。。。
——<↑ここまで↑>—————————————–
増山さんの紹介のお陰で、このメルマガの読者が60名くらい増えました。
実は、前回紹介した無料レポート以外に、
このメルマガの読者に読んでもらいたいレポートを書かれています。
(私も、このレポートで彼の存在を知り、会いに出かけました。)
【無料レポート/間違いだらけのハウスメーカー活用法】
彼に限らず、全国には「個人住宅のコンシェルジェ」が出来る
経験と能力と、しっかりとした志を持った人たちが埋もれています。
一般消費者のニーズも高まっています。
皆さんの地域でも、住宅のコンシェルジェが登場してくるかも知れません。
早くそんな時代が来るよう、私も貢献していきたいと思います。
では、今週の本文の始まりです。
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▼値引き交渉の裏側 ~住宅会社の値引きとは~
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皆さんが家を建てようとした時、
恐らく複数の会社から見積を出してもらうでしょう。
このとき、ほとんどの場合、施主側から値引きの打診をするか、
営業マンのほうから「値引き」を示唆することが多いと思います。
この「値引き」とは、一体どこから来ているのか・・・?
今週のメルマガでは、値引きにまつわる話や
値引きに関する注意点などを書き綴ってみます。
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値引きの根拠は?
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私が昔、住宅リフォームのFCチェーン本部にいた頃、
年2回の大きな全国キャンペーンがありました。
20を超える都府県で、500社近い加盟店がキャンペーンに参加します。
「春の住宅リフォームキャンペーン!」
「キャンペーン期間中のご成約客には・・・」
「期間限定のキャンペーン価格の製品はこちら!!」
テレビCMやチラシで一般ユーザーに告知するだけでなく、
加盟店に対しても表彰規定を設けて、キャンペーンを盛り上げます。
売上コンテストや受注件数など、上位のショップは
表彰や賞金、旅行などの副賞も用意されています。
個々の加盟店同士の競争だけでなく、
県単位で活動している地域本部ごとの集計もされます。
全国の有力ショップが、このキャンペーン期間にターゲットを絞って
上位入賞を目指し、早くから見込み客を集めています。
私がいた地域本部でも、全国表彰の対象となりそうな加盟店は、
地域本部が全面的にバックアップして応援します。
加盟店が出店していない地域から、本部に相談が来たお客さんは、
表彰を狙える加盟店に紹介するといった形で、実績アップを後押しです。
▽ ▼ ▽
「昨晩、リフォームの契約をしましたが、キャンセルできますか?」
私が所属していた地域本部へ、
加盟店と契約したお客様から電話が入りました。
詳しく話を聞いてみると、前日の夜、加盟店の社長が見積書を持参し、
その場で見積金額から150万円の値引きで契約書を交わしたということ。
見積金額は750万円だったのに、予算オーバーを告げると、
簡単に600万円にしてくれたということでした。
本部から推薦された優良加盟店だし、
予算内に納まるのであれば、いいだろうとサインしたものの、
一晩冷静に考えて、150万円の値引きが不安になったのです。
「あんなに簡単に150万円も値引きしてもらえるなら、
最初の見積は何だったんだろう・・・?」
不安と不信感を覚えても不思議ではありません。
ご本人は、最初の見積提示だったので、要望を伝えて再見積してもらい、
結論を出すには時間的余裕があると考えていたようです。
しかし、相手はキャンペーンで全国上位入賞を目指している、
やり手の加盟店オーナーです。「初回面談必勝法」を心得ています。
本部としては、お客様の不安を取り除かなければなりません。
早速、加盟店オーナーに連絡を入れ、事情を確認しました。
「あぁ、あのお客さん?台所とお風呂の改造で、見積を出したら
予算が足りないって言うから、ユニットバスとキッチンのメーカーを
こちらに任せてもらったら、150万円値引くって説明したんだ。
いつも通り、速攻で契約したんじゃ!」
キャンペーンの実績数字としてカウントされるため、
加盟店オーナーは得意げに説明してくれました。
片道1時間半もかかるお客さんなので、見積の提示だけでも半日仕事です。
何度も通って時間が掛かるくらいなら、
その場で結論を出してもらったほうが得策だと考えたようです。
「何度も通っていたら、その経費を考えても即決したほうがいい。
時間が掛かるほど、他社に取られる可能性も増えるし、設備機器は
メーカーを変えてグレードを下げれば何とでもなる!」
住宅の営業は、常に「契約できるか」「断られるか」どちらかひとつです。
断られたら、それまで費やした時間も苦労も、ゼロになってしまいます。
そのお客さんには次のチャンスはないのです。
そこで、「値引き」や「キャンペーン」という手法を使い、
その場で判断を迫ります。冷静になる時間を与えません。
しかも、その値引きは自社の利益を削ることはほとんどありません。
仕様のランクを落とすか、値引きを見込んで見積を高めにしておくのです。
あるいは、下請けに協力(といえば聞こえはいいが・・・)を要請します。
この時のお客様は、本部として見積や仕様をチェックし、
お客様に説明することで、不安が解消され、無事リフォームを行ないました。
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手付金放棄!
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住宅会社の営業マンは、常に競合相手の影に不安を持っています。
それまで、こちらに信頼を寄せてくれているようだと思ったら、
ある日突然、競合他社と契約したということも少なくありません。
キャンペーン特価や値引きでお客様の心が揺れたら、
即契約書を取り交わそうとします。他社が同じ手で揺さぶってきたら
次の手がなくなるからです。
契約書を取り交わすことに抵抗があるようだったら、
「仮契約ですから」と『申込書』や『敷地調査依頼書』などを用意し、
10万円でも手付けを入れてもらうといった方法を取る会社もあります。
正式な契約でなくても、自署することで踏ん切りがつきます。
わずかな手付金でも、それが「盾」となってキャンセル防止につながります。
しかし私の昔の上司には、手付金放棄をさせてまで、
契約をひっくり返すのがうまい先輩がいました。
ある時、100万円の手付金を払って
大手ハウスメーカーと契約した方の契約をひっくり返してきました。
私:「よくひっくり返せましたね!?」
先輩:「だって、確実に家を建てる客だぜぇ!
建てるかどうか分からない客を10人追っかけるよりも、
他社が焚き付けてその気にさせた客のほうが労力が少ないんだ!」
何人もの見込み客を訪問し、個別に数十万円の値引きを提示するよりも、
確実なお客さんに、ドンと値引きしたほうが営業効率がいいというのです。
手付金「100万円」放棄しても、それ以上のサービスと値引きをするので、
本日私と契約してくださいといった手法です。
目の前で、契約書に相手企業よりも安い金額を記入して机の上に出します。
お客さんの心はグラっと揺れます。
「私が上手な解約の方法をお教えします・・・」
お客さんの心を見透かしたように、間髪いれずに続けます。
ほとんどの方が、断りづらいとか解約手続きが面倒だと考えているからです。
その精神的負担感を取り除き、少し安くしてあげるだけで、
その会社に数千万円の契約が転がり込むのです。
程度の差はあれ、こんなことが営業の前線で繰り返されています。
他の業界では考えられない、異常な状態です。
しかしその値引き分の原資は・・・?
契約以降に、施主に分からないところで仕様のグレードダウンか、
追加工事で回収されるのか、はたまた下請けが叩かれるのか・・・
何かの理由がなければ、会社の利益を削ることは考えられません。
利益を下げてでも「次の契約」や「紹介」が期待できるケースだけでしょう。
継続的に付き合うメリットがなければ、安くしてくれる根拠がないのです。
契約のためだけに、見かけを安く提示するだけかも知れません。
そもそも住宅では、大幅に利益率を下げて
企業側にメリットが出る個人客はほとんどいません。
アパートを何棟も建てられる地主や一部の資産家くらいです。
個人が業者と価格交渉をする限界がここにあります。
「安くしてもらった!」と喜んでばかりはいられないのです。 (-_-;)
⇒ 次回に続く
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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契約前の段階であれば、ほとんどの住宅会社が値引きに応じます。
値引きをすることで「契約を取りたい!」というのが本音です。
自動車や家電製品などの既製品は、値引きしただけ消費者が得をします。
そもそも、定価や希望小売価格などがあり、どこで誰から買おうが、
製品の品質や能力、メーカー保証などは変わりません。
しかし、住宅は値引きされた分、どこに影響が及ぶか分かりません。
いつのまにか「標準品」が「別途工事」とされている可能性もあります。
後から「追加工事となりますが、どうされますか?」
と聞かれた段階で、「はっ!」と気づかされます。
契約のときに仕様書や見積書の明細を良く見ていなかったことに・・・
追加工事になった途端、交渉の余地がほとんどなくなります。
もう建築本体工事は契約し、代金の過半を回収しているから強気です。
「工事が途中でストップされたら・・・」
「入居後のメンテナンスを考えると、関係がこじれては・・・」
施主の胸中をついて、強気の交渉が始まります。
契約前の値引き分を回収し、さらに仇を取るような見積が出ることも?
この時点の関係悪化は、業者側にデメリットは少なくなっているのです。
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.契約直前の大幅な値引きは、即回答は控えよう!
⇒ 冷静に考え、翌日以降こちらから連絡するのが賢明
2.契約前に、見積の明細や仕様書はしっかりチェックしよう!
⇒ 何がどこにどれだけの数量使われるのか確認が重要
3.追加工事は、事前に見積を出してもらい検討しよう!
⇒ 事後の見積は値引き交渉が困難です
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■参考情報⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/27964900.html
↑ブログ『追加変更工事』
日々の活動や気づきをブログで発信しています。
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【 編|集|後|記 】
臨時増刊号でご案内した完成見学会も無事終了しました。
メルマガ読者やブログを見た人なども来て頂けました。
今回は追加金額で揉めることはなさそうです。
ご夫婦に喜んでもらえたことが何よりです。
また来週東京に出張することになりました。
今年度はいろいろな動きが加速しそうです。
ではまた、再来週お会いしましょう♪
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