2007.1.23 第91号
“安心のアフター”とは ~顔の見える家づくり~
【まぐまぐ公認 殿堂入りメルマガ!】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.091━2007.01.23━
《隔週刊》 家┃づ┃く┃り┃で┃泣┃く┃人┃・┃笑┃う┃人┃
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~第91号~
◆家づくりは人生最大の「事業」
◆事業を成功に導くための、プロのコンサルタントの助言
◆あなたも「笑う人」になって豊かな生活を送りましょう!
《発行部数4,716部》
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【今週のテーマ】
・“安心のアフター”とは
・今週のお勧めBOOKS
・今週のワンポイントアドバイス
・編集後記
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このメルマガでは、
現場監督からスタートし、マネジメントの専門家『中小企業診断士』資格を
取得して、200社を超える住宅会社の経営指導をしてきた発行者が、
家づくりという大きな「事業」に失敗しないノウハウを提供していきます。
どこにも影響されない中立的な立場で、住宅業界の実態も伝えます!
あなたの家づくりのセカンドオピニオンとしてお役立てください。
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こんにちは、発行者の若本です。
新しい年になっても、相変わらず企業の不祥事が続いていますね。
老舗の洋菓子メーカーから始まり、
リコール問題から経営危機となって以来、安全なパーツに取り替えた
はずのトラックメーカーなど・・・
お茶の間の人気番組”発掘!●●大辞典”まで、データ捏造が発覚し、
「過剰な期待に応える」行き過ぎは、止まるところを知りません。
昨年発覚した、戸建分譲住宅の耐震強度不足も、
マスコミ発表されていない様々な問題が浮き彫りになってきました。
前回のメルマガで以下のような記述をしました。
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感激のテープカットや社員総出の「上棟式」など・・・
感動を演出するテクニックに心動かされる人は後を絶ちません。
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「この会社凄いよ!業績もエラク(すごく)伸ばしている!!」
数年前、私の知り合いの工務店(ビルダー)社長から、
興奮気味にビデオを見せてもらったのが頭に残っていた会社です。
引渡し後の定期点検もデータベース化して、
専任の担当者が専用車で巡回しているという紹介でした。
「やっぱり感激しました!」
お客様もビデオに登場し、引渡しイベントの余韻が残っています。
まるで、『劇的!ビ●ォーアフター』の番組のように・・・
先週半ば、この会社の倒産記事が新聞に載っていました。
20億円の負債を抱え、自己破産だそうです。 (-_-;)
メルマガで紹介したタイミングがいいのか悪いのか・・・
(私はよくこのようなことがあります)
私はビデオを見たときに「うさん臭さ」を感じていましたが、
「勝ち組企業に学べ!」といったような紹介でした。
しかし一時的に業績を伸ばしたものの、展示場への積極投資が、
競争激化と相まって、資金繰りを悪化させていったようです。
私はこれまでこのような会社をたくさん見聞きしてきました。
過剰な「やらせ」は長く続きません。皆さんも気をつけましょうね!
では、今週の本文の始まりです。
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▼“安心のアフター”とは ~顔の見える家づくり~
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前回のメルマガで、住宅業界の「アフター保証」や「CS(顧客満足度)」
のことについて、その裏側を書きました。
住宅は、お引渡ししたら終わりではありません。
工事の不具合による補修だけでなく、住み始めて分かる問題や、
定期点検、将来の増改築まで、家に関する「かかりつけ医」が必要です。
昔の家づくりは、かかりつけ医が明確でした。
家をお願いした「棟梁」や「左官屋」さんたちです。
今は、実際に誰が建ててくれているのか分からないから、
大手の安心を買う人が少なくありません。
実際の建築現場に足を運ぶことも、日中仕事をしていると困難です。
契約を締結し、あとは住宅会社任せで入居を待つだけになってしまいます。
契約時に確認した「アフター保証」だけで、本当に安心ですか・・・?
あれほど、大手や老舗の不祥事が発覚する時代に・・・
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家は人がつくる
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「住まい」は「人」が「主(あるじ)」と書きます。
どれほど工業化が進もうとも、家は「人」がつくります。
欠陥住宅の問題も、結局「人」がつくっています。
振り込め詐欺や、ネット詐欺、投資話のような「悪意」ではなく、
まじめに資材を仕入れ、手間を掛けてもミスや技術の未熟さもあるのです。
しかし、問題の多くが「現場の職人が施主を知らない」
ということに起因しているのではないかと、私は感じています。
★「住まい」をつくっているのではなく「建築(建物)」をつくっている。
★「施主」に依頼されたのではなく「住宅会社」から指示を受けている。
★「住む人の希望」ではなく「設計図書に基づいて」建てている。
実際に住む人もイメージできず、仕事をこなしているだけ・・・
自分の仕事振りを評価する人もいません。 (-_-;)
住む人をイメージしなくていい「ハコモノ」の公共建築物や、
法人が発注するビルや店舗であれば、それでもいいかも知れません。
しかし、注文住宅は「生活する家族が特定」されているのです。
▽ ▼ ▽
昨年行なわれたある地鎮祭、
私はいつものようにお酒を持参して参加しました。
現場に到着すると、多くの人たちが地鎮祭の準備を行なっています。
施主の家族や担当工務店の社長のほか、
さまざまなユニフォームの人たちが行き交っていました。
その顔は、私が現場のチェックに行った時に
何度か声を交わした大工さんや基礎屋さん、瓦屋さんなど・・・
無事地鎮祭が終わって「お神酒」で乾杯です。
乾杯のあと、建材販売店の社長からのお礼の挨拶です。
「●●さまの家を、私たちがプロとしてしっかり施工させていただきます!」
決して上手なスピーチではないものの、とても気持ちの入った挨拶です。
参加した職方が、施主に対してそれぞれ自己紹介していきます。
緊張しながら自信に溢れた表情が、施主を安心させる瞬間です。
こうして、それぞれの顔を何となくでも覚えておくと、
工事中でもお互いあいさつが出来、気持ちよく現場も進んでいきます。
▼実際の様子はブログにアップしています。
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/50670933.html
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協力業者一覧公開
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ハウスメーカーに頼むと「直営の工事部隊」つまり
メーカーに雇用された技術者が施工すると思っている方がいるようです。
メーカーの社内に「工事部左官課」や「施工部塗装課」などがあり、
専任の技術者を育成し、現場での品質管理に責任を持っているのでしょうか?
このメルマガ読者は、そう信じている人はいないと思いますが・・・(^^ゞ
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そう、工事現場は地元の協力業者で成り立っているのです。
プレハブメーカーの現場に行っている職人が、
地元工務店の木造住宅の現場にも入っているのです。
(大手メーカーの建築現場でも、地元ナンバーで
業者名の入ったトラックを見かけることもたくさんあります。)
お引渡し後に何か不具合があったら、
結局は実際に施工した協力業者が対応するのです。
もちろん、施工ミスや瑕疵は元請のハウスメーカーや工務店の責任です。
しかし、すべての工事をあたかも全て
自社が手掛けたように振舞うから、問題が生じているのかも知れません。
工事の請負契約を交わし、工事着工する前には、
施主に「協力業者一覧」を渡しておくとどうでしょうか?
工事現場に連絡先一覧を張って、それぞれの責任を明確にしておけば・・・
入居後も、工務店を通して補修を対応してもらっても、
顔と名前が施主にも分かっていれば、安心できるのではないでしょうか?
もし、工務店が倒産したとしても、直接連絡を取ることが出来ます。
▼実例はこちらです(下のほうにスクロールして下さいね。)
⇒ http://esumai.livedoor.biz/archives/50670933.html
私の相談者で「大工さんから年賀状が届きました!」と、
嬉しそうに話をしている方もいらっしゃいました。
隠すから、隠し通すために「ウソ」や「ごまかし」が横行します。
全てをオープンにすることで、信頼が得られるのです。
メーカーの長期保証は、多くが有料の検査やメンテナンスが前提です。
「人の信頼」ではなく「お金」によって保証が続くのです。
個人の住宅くらいは、人の信頼によってメンテナンスを続けたいですね!
それが、職人も含めて家づくりに携わるプロの責務です。
年賀状や暑中見舞いなどで、家づくりに携わった人たちと連絡を取ること。
それが、最も確かな「アフター保証」を得られると私は思います。
⇒ 次回発行に続く
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▼今週のお勧めBOOKS
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若本修治が読んでみて、家づくりに参考になる本を紹介します。
●土地建物マイホームの節税対策 根岸欣司 著 [ぱる出版]
http://www.amazon.co.jp/dp/4827202540/ref=nosim/?tag=cmshiroshima-22
↑新しい年の家づくりは、まずは税制から研究してみましょう。
住宅ローン減税も、期間と控除率の選択が出来るようになりました。
知っているのと知らないのとでは大違いです。
大切なお金を有効に使いたいですね!
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┃若┃┃本┃┃の┃┃本┃┃棚┃今週のお勧めBOOKSが本棚になりました。
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↓ ↓ ↓
http://www.cms-hiroshima.com/mailmag/books2.htm
アマゾン・ドット・コムですぐに書籍が購入できます。
私もよく利用しています!! (^_-)<☆
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▼今週のワンポイント・アドバイス
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日本人は「保証」という言葉に弱いのでしょうか。
ネット上でも「気に入らなかったら全額お返しいたします!」という
『返品保証』をウェブ上で書いてあると、購入率が増えるそうです。
私の兄も、十数年前に家を建てました。
東証一部上場企業の子会社です。
その会社も住宅事業が「儲からない」と判断したのでしょうか。
撤退は早かったですね・・・ (-_-;)
結局、近所のリフォーム屋さんや知り合いの業者さんに頼みます。
新築を建てた会社の保証は、契約時の「方便」でも済むのです。
大企業の不祥事が発覚するたびに、隠蔽が明らかになるのに、
まだ、営業マンが口にする「当社の保証」が安心でしょうか・・?
では、今週のワンポイントアドバイスです。
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1.地鎮祭などの時に、棟梁や協力業者を紹介してもらおう!
2.発注者として、主な工事業者一覧の提出を要望してみよう!
3.職人さんたちとの信頼関係が、最も確かな「アフター保証」\(~o~)/
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■参考情報 ⇒ http://www.cms-hiroshima.com/clumn/vol_23.htm
↑コラム『適正規模』
(若本が以前書いたコラムに、参考情報があります。)
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【 編|集|後|記 】
「分離発注」や「原価公開」など、
不透明な建築業界をオープンにしようという人たちもいます。
出版プロジェクトに協力いただき、書籍プレゼントが当たった
「日建プロジェクト」(広島市)の野間さんたちもそんな志を持っています。
■日建プロジェクト http://www.npj.jp/project.htm
新年早々、書籍プレゼントを直接持参し情報交換しました。
「職人たちが施主にではなく、
工務店や設計者の顔色を伺っている・・・」
だから、施主と直接契約を結ぶ「分離発注」をすることで、
職人たちのプライドを目覚めさせ、いい仕事をさせてあげたい!
そんなことから、このプロジェクトがスタートしたそうです。
本当にコストが安くなるかどうかは、結果であって、
目的は「顔の見える家づくり」と「お互いの信頼」です。
「安くなったかどうかは分からんが、あんたに頼んでよかった!」
そう施主に言われ、分離発注の推進者としては「複雑」でしょう。
しかし結果として施主の満足度が高く、職人たちが喜ぶことが大切です。
でも世の中には「分離発注」や「原価公開」を
集客テクニックとして打ち出している企業も少なくないようです。
特に「原価公開」って、私には「ウソを公言している」ように思えます。
だって住宅業界の「原価」というものは・・・
これは、またの機会に譲りましょうネ!(^^ゞ
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