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若本修治の住宅コラム

2002.12.16 第7話

多能工

『多能工』とは、一人で数多くの仕事をこなす技術者・職人のことを言う。最近、景気低迷と新築物件の減少から、住宅リフォームに力を入れる工務店も多い。しかし、私が『ミスタービルド』というFC本部に入社した90年代前半以前から、これからはリフォームの時代といわれ、住宅リフォームに取組むものの、しばらくするとリフォーム事業から撤退する工務店が少なくなかった。結局、単価が安い割には手間がかかり割に合わないということだ。

 

住宅リフォームの平均単価は当時107万円。1千万円を超えるような増築工事もあれば、襖の張替えや畳替えのような小工事まで、業務は幅広く、新築と変わらないくらい協力業者が必要になってくる。相談をいただき、現地を見てプランを作り、打合せを重ねて見積書作成、協力業者の手配をして現場の管理をするという手間は、新築住宅を手掛ける場合と大きな差はない。期間が短いだけだ。

 

広島地区の新築住宅の平均単価は、2,585.6万円(住宅金融公庫平成12年度データ)。リフォームの25倍程度の単価だが、リフォームの手間が1/25には省けない。一般のお客様にとって、100万円といえば大変な出費で、最近では数社に相見積を取るケースも多い。工務店側にとっては、お客様が住みながら工事を進めていくため、音やホコリ、下地の養生など、現場での気遣いは大変な負担になる。新築のように、現場監督が複数の現場を掛け持ちしようものなら、即日クレームとなってお客様から連絡が入る。大変手間が掛かるから、新築中心でやってきた工務店はたちまち事業から撤退する。まだ下請け工事のほうが利は薄くても楽だということだ。

 

ミスタービルドでも『多能工』の育成を掲げていた。以前にも書いたとおり、住宅業界にクレームが多いのは、数多くの職人が『口づて』で現場に入るから、一人でいくつもの仕事をこなせるとクレームは減らすことが出来る。職人が現場管理から営業までこなせればお客様の不安も少なく出来る。リフォーム費用についても、大工さん、タイル職人、塗装工など、小さな水回り工事に多くの職人が入ると、たとえそれぞれの職人は1時間で済む仕事でも半日分の日当が各人に必要となる。簡単な電気工事も含め、ひとりの『多能工』がすべての工事を手掛ければ、1日掛かっても安くつく。お客様には安く、多能工自身の手取りは多く出来る。

 

コンストラクションマネジメントも同じだ。よく設計事務所がCMを手掛けるケースがあるが、社会人になって設計事務所しか勤務経験が無く、しかも住宅の仕事の比率が低い建築士では、戸建て住宅のCMは大変な手間と感じてしまう。ビル設計に比べると単価も低く、しかも不慣れなため、何日間も時間を掛け法外ともいえる料金をもらわなければあわないと錯覚している。工務店や建設会社の利益以上のものを設計料とは別立てで請求し、自分たちの時間(=コスト)のマネジメントも出来ずに「コンストラクションマネジメント」を謳っているところもある。

 

弊社では、以前から私自身が多能工(ゼネラリスト)を目指していたこともあり、積算見積や分離発注はもとより、CADやCGの制作、ホームページの作成まで、すべて一人で一定水準の業務が出来る体制を整えている。さらにポイントとなる部分のみプロジェクト毎に最適な人材を外部調達することで、無駄を省き、低コストで高い水準のサービスを提供することが可能となってくる。

私自身、商談からプランニング、積算作業から足場をあがって建築現場での防水工事等の確認まで一貫して対応しているから、様々な質問にも答えることが出来ている。
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