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若本修治の住宅コラム

2003.2.24 第16話

住宅新サービス

インターネットの普及によって、旧態依然としていた住宅業界も新サービスが花盛りだ。かくいう当社もその中で、あまたの新サービスよりもお客様の支持を得るべくいろいろと工夫をしているところ。私自身もこの『住宅CMサービス広島』をスタートさせる以前から、住宅専門のコンサルタントとして、さまざまな新サービスを見てきた。今回はそんな住宅新サービスの中から、運営者を直接または間接的に知っている気になる数社をピックアップしてみたい。

まずは、『オープンシステム』。山陰の設計事務所が、元請工事を行なう工務店、建設会社の役割に疑問を感じて、下請けの専門工事業者に直接発注したところ、コストも工期も思い通りになったということからスタートしたサービス。その名の通り、専門工事業者から上がってくる見積をオープンにし、その調整や現場のマネジメントを行なう費用を、設計事務所の設計料とは別に、お客様に負担してもらうというもの。この費用がコンストラクションマネジメントフィーだ。工務店利益が、諸経費や材料費の中にまぎれて分からない部分を、きちんとフィーをいただいて、材料、工事、設計などの費用を明確にしようという試み。現在、全国に200社を超える設計事務所の支持を集め、年間300棟くらいに成長しつつある。その活動はコスモリバティ社から出版された「価格の見える家づくり」に詳しく載っている。

続いて、首都圏を中心に話題になっている『ウィークエンドホームズ』。社長の森本さんは元日本能率協会のコンサルタントで、面白みのないハウスメーカーや大手ディベロッパーの家づくりに疑問を感じて、レストランビジネスと平行して新たなビジネスモデルを考えたもの。
パートナーの大場さんも、ランドスケープデザイナーで、直接住宅設計をしていないプロデューサー主導で、建築家のコンペを行なっている。当初は片っ端から設計事務所に電話をかけまくり、相当な反発をくらったり、施工業者に心当たりが無いため、施工パートナーとして東日本ハウスの本社(盛岡)まで交渉に行ったそうだ。よくバックグランドのない中で体制作りをしたものだと、浜松町の事務所で話を伺ったときに感心したものだ。こちらもTOTO出版の「建築家と家をつくる愉しみ」に詳しい。

業者向けのサービスとして、群馬の『エービーネット』をあげたい。弊社の創業まもなく知り合った野村證券広島支店の課長の縁で、上京の折、林社長にお会いした。業界紙の広告でその存在を知っていたものの、直接お会いしてその経歴や事業にかける情熱に圧倒された。
猛烈営業で有名な某大手ハウスメーカーやアパート建設会社を渡り歩き、上場プロジェクトも経験。住宅業界のレベルおよびモラルアップの必要性を痛感し、コンサルタントを目指す過程で、東京から高崎に移り住み自ら建設会社を興した。そこで実践したノウハウを地域の中小工務店にITを利用してサービス提供しようというものだ。非常によく考えられた仕組みだが、それ以上に林社長や部長の成田さんの人柄、情熱にこちらも大いに刺激された。

その他、旭化成が運営している建材の電子商取引サイト『カーサナビ』、大阪の建材問屋が運営している『木建市場』、同じく大阪の設計事務所が運営している『Think Net』、鹿児島の建設・不動産会社が運営し、全国に広がりつつある『鹿児島建築市場』など、ITを利用した住宅新サービスに取組む経営者たちとも出会い、情報交換も行なった。しかし、仕組みやシステムの優劣よりも、やはりこの業界でプロにも共感を得て消費者にも支持されるには「人」、情熱を持って取組めるかどうかに掛かっているということを再確認した。ITは道具であって、例えビジネスモデル特許を取得した新しいシステムも代替可能であるが、人の信頼や人脈は簡単には他に替えがたいものがある。これは、パートナーとなる設計事務所や施工会社も同様だ。

会員数のみを誇るマッチングサイトや、大手企業が出資し運営しているサイトもあるが、住宅は、それぞれのお客様が持つ要望を聞き出し、地域や建築地の条件をクリアしながら、ようやくプランが出来上がる。それから、コスト調整や資材調達、職人への指示など、極めて人間的な作業を通じて建物自体が形になっていく。能力に信頼を置けない会員が数千社いようと、例え大手企業の資本と信用力があろうと、お客様に満足を提供できるのはほんのわずかなプロだけだ。だから、これからも高いこころざしを持った住宅新サービスをウォッチングしながら、彼らに負けないサービスを『住宅CMサービス』でも提供していきたい。

看板シート
筆者のサービスの看板シート。地元の優良工務店のPRにもなる
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