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若本修治の住宅コラム

2019.12.20 第162話

【連載】未来の賢い家づくりとは ~第2回~

前回の連載第1号では、日本の住宅産業、住宅取得マーケットの現状をお伝えしました。また欧米の「住宅取得は有力な資産形成の手段」という常識が日本では全く実現できていないところに、新しい潜在的マーケット、ブルーオーシャンが潜んでいるというお話もしました。逆にいえば、これまでと同じ発想で住宅ビジネスに取り組んでいると、先細りは必至です。なぜならもはや日本では人口だけでなく世帯数も可処分所得も減り、注文住宅を建てることが出来る経済的余裕のある顧客層は激減、他社との差別化をするほどニッチなマーケットでの競争が激化することは避けられないからです。一時的にブームになっている大規模なリフォーム・リノベーションも、欧米のように資産価値が高まればこそ、再投資が続くのです。残念ながら、今の日本の住宅は最終的に“古家か空き家として捨てられる”のが現状です。

 

土地需要減退の引き金になる”人口減少”

 

さらにいえば、“土地が資産価値を持つ”時代も終わりました。すでに所有者が不明の土地は、2016年現在で約410万ヘクタールという推計が民間の研究会で問題提起され、九州ほどの面積の土地が、登記もされずに土地の価値を失っているのです。これからさらに中国地方の人口744万人、および四国地方の人口376万人(2015年国勢調査) の計約1,120万人と同等の人口が、今後20年間で数字上消えてしまうことが、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口で示されています。つまり、これから20年先に日本から中四国9県の土地が消えてしまっても、それ以外の地域の土地活用に全く影響を及ぼさないほど、人口減少は土地需要を減退させるのです。今後地価が上がるのは、大都市圏の商業地などわずかな場所に限られ、住宅地はほぼ全滅でしょう。街並みが崩壊しつつある田園調布も例外ではありません。

 

住宅ローン破産予備軍が抱えている「負動産」

 

これから先、土地を所有しているということは、固定資産税や都市計画税などの税負担をしながら、資産価値自体も目減りしていき、子供たちも親の不動産はいらないという“三重苦”に陥ることが予想されます。土地を住宅ローンで購入し、ローン金利まで支払っていれば、土地を所有するメリットはありません。まさに「負動産」です。それはすでに顕在化しつつあり、住宅ローン破綻予備軍も増えつつあるのです。まさに先行き明るさは見えません・・・。

 

「シェアリング・エコノミー」への発想の転換

 

しかし危機こそ一発逆転の大チャンス!
ヒントは『シェアリングエコノミー』です。所有する遊休資産の負担を少しでも分散させたいオーナーと、必要な期間のみ借りることで、所有せずに利用価値にお金を支払う人たちをマッチングする、新しい市場経済があらゆる分野で広がっています。

先祖代々から受け継いだ土地を、売るに売れない地主さん。親が相続対策でアパートを建てたものの、老朽化してまた借金をしてアパート経営を迫られる団塊世代の地主たち。都市近郊で生産緑地の認定を受け30年間の営農期間を終えて、これ以上農業を続けるのはしんどいと思っている子供たち・・・。そして事業用借地として企業や店舗に貸していた広大な土地が、月極駐車場やコインパーキングとしてしか利用価値がなくなった中規模小売店舗の需要減退など。

すでにここ数年でその需要が顕在化し、相続税の基礎控除が下がった恐怖とあいまって、土地所有者のアパート、賃貸マンション建築が猛烈に進みました。アパートを手掛ける住宅メーカーは史上最高益を出し、空き家や空室、アパートローン破綻が社会問題になるほど、土地活用や相続対策のニーズは今後も巨大な市場です。しかし金融庁の規制もあって賃貸アパート市場は沈静化、地主自身も借金によるアパート経営の怖さで身動きできなくなりました。これから土地活用の新たな選択肢が求められるのです。

ここで日本と同じ島国で、地主が借金をすることなく地主の資産形成と、周辺土地の景観創造、住環境の魅力づくりに成功している英国に目を向けてみるとワクワクするようなチャンスが見えてきます。英国の地主が100年以上に亘って土地経営を行い、地主のみならず住む人たちの資産形成や良好な街並みの形成、住環境の向上に繋がった『リースホールド』という定期借地による住宅供給です。土地を売買の対象にしないから長期保有の株式と同じです。土地の賃借人も株保有と同様の権利を持つのです。

英国ロンドン近郊にあり、分譲から90年以上経っても美しい景観が守られ、高い取引価格が続くリースホールドの住宅地。

英国ロンドン近郊にあり、分譲から90年以上経っても美しい景観が守られ、高い取引価格が続くリースホールドの住宅地。
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