2020.9.10 Vol.15_No.23
広島の団地シリーズ-Vol.04_安芸区スカイレールタウンみどり坂
■団地の誕生と変遷
スカイレールタウンみどり坂は、広島市中心部から東へ約13キロ離れた位置にあり、JR山陽本線瀬野駅(広島駅から約20分)の北側の丘陵地を青木建設(現:青木あすなろ建設)と積水ハウスが開発計画した約121ヘクタールの広さで総区画数1,880区画の団地になります。
南北にのびた高低差のある団地で1997年(平成9年)より入居が始まりました。
住居表示は安芸区瀬野西1丁目から6丁目となっており、広島市の人口・世帯別数のデータには、瀬野西1丁目が1997年6月末のデータより登場しています。
1997年12月に瀬野西2丁目、1998年3月に瀬野西3丁目、1999年5月に瀬野西4丁目、1999年7月に瀬野西5丁目が登場します。
入居開始から10年後の2007年3月に瀬野西6丁目が登場します。
開発時に谷を埋めるため大規模盛土造成をしています。
盛土をした土地は、比較的地盤が弱いと言われます。
左図の警戒区域図を見ますと、団地内というよりは団地の周りの高低差がある部分が特別警戒区域に指定されています。
■人口・世帯数は増加中
人口・世帯数は新興住宅団地ということもあり、入居開始から23年経った今も増加傾向にあります。
下記の表を観ても分かる通り、他の団地に比べ、販売開始後に一気に入居者が増えたわけではなく、10年の長期に渡って徐々に入居者が増えていっている傾向にあります。一時テレビでみどり坂の住宅展示場のコマーシャルが流れていたのを覚えています。
2020年6月末現在で高齢者(66才以上)人口もわずか5%未満となっており、1~2人世帯も30%未満となります。
■団地の名前にもなった独自の交通システム
1998年8月にJR瀬野駅に直結したスカイレール広島短距離交通瀬野線が団地を結ぶ交通手段として開通しました。
駅は、瀬野駅に直結するみどり口駅から団地の中間地のみどり中街駅、そして終点のみどり坂中央公園近くのみどり中央駅の3駅になり、1.3キロほどの距離で所要時間は5分程度です。
終点のみどり中央駅から団地の北の端の住宅までは徒歩8~10分かかるので、瀬野駅までは相当な距離になります。
スカイレールは見た目はロープウェーのようですが懸垂式モノレールに分類される乗り物で強風にも強く、急勾配にも適した日本初の新交通システムになります。
スカイレールは常時無人運転であるため、運転台などは装備されていません。
団地が出来た当初は団地内に小学校が無く、JR瀬野駅から約1キロ離れた瀬野小学校の往来のための小学生専用車両が通学時間帯に運行されていました。
2011年(平成23年)4月1日に団地内にみどり坂小学校が開校したため、小学生専用車両は無くなりました。
団地内にはみどり口駅から少し団地の方に上がった位置にスーパーが一軒あるくらいで、その他の施設は無いので、車無しでの生活は少し不便に感じざるを得ません。
中央公園を始めとして公園は多数あり、団地内に小学校と保育園もあるので子育てしやすい環境になります。
団地内に色々な施設が建設できるように土地所有者が広島市に要望して一部用途地域の変更がありました。団地の高齢化にも備えて今後施設が増えていけば、更に住みやすい環境が整っていくことでしょう。
※参考事例
当社サービスを利用して建てられた家。完成見学会の時の写真。
少し勾配のある駐車場は擁壁を造成して造られました。
入居されてから約1年後に住まい心地の感想を聞きに訪問しました。
その様子はこちら⬇⬇⬇