2018.10.10 Vol.15_No.15
土地の形状、実は正方形は使いづらい!?
土地探しを始めたら、色々な形の土地があることに気づきます。人と同じで十人十色です。
長方形、正方形、三角形、台形、旗竿状・・・
一般的に長方形や正方形の土地は整形地と呼ばれ、好まれます。
宅地造成され区画割りされた住宅地ならば、ある程度の広さがあり比較的自由に設計が出来ます。
ですが、整形地は比較的少なく、台形や三角形、旗竿状などいわゆる不整形地と呼ばれる土地が多く、即購入にならず敬遠されがちです。
不整形地は整形地に比べて価格が安価なのにもかかわらず、なぜ敬遠されがちなのかポイントを挙げてみましょう。
ポイント① 間取りが制限される
変形地になると、幅なども一定ではないので、狭いところに合わせると家の幅も狭くなり、
思うような間取りが出来ません。
土地の形状に合わせてプラン出来ますが、変形になり、幅などが様々になるので、自由度に限りがあります。
ポイント② 無駄なスペースが出来やすい
基本的に家の形は四角が多いので、台形や三角形の土地の場合、無駄なスペースが出来ます。
同じ敷地面積の長方形と三角形の土地に、同じ建築面積の四角の家を建てた場合、整形地では余った空間を駐車スペースにしたり、庭にして有効活用できますが、三角形の敷地の場合、余った空間がデッドスペースになる可能性が高いのです。
変形している土地の場合、外壁と敷地境界の間が狭すぎて通れないという箇所が出来るからです。
ポイント③ 建築費用が高くなる
一般的に建築費用は外壁の長さに比例します。
単純に四角い家にすると、建築費用が安くなります。
四角い家でも大きくなると、その分外壁は長くなるので高くなります。
土地に合わせて家の形も変形になると、外壁の長さは四角に比べて長くなり、その分建築費用は高くなります。
建築費用を抑えるためになるべく四角の家にすると、有効面積が限られ、使えないスペースもたくさん出来ます。
変形地が敬遠されるポイントをお伝えしましたが、実は、整形地でも特に正方形の形状の場合、無駄なスペースが出来る可能性があるのです。
一般的に4人家族を想定した家を建てる場合、広めのLDKにお客様用の和室、主寝室、子供部屋2つ、浴室、洗面所、トイレが1階と2階の2か所、ウォークインクローゼットが欲しいですね。その場合、延床面積が大体35坪前後になります。
例えば、11m×11mの正方形の敷地(121㎡、36.6坪)に、横8.19m×縦7.28mの家(2階建てで約36坪)を建てる場合。(建築においての寸法の基準は、土地選びのポイントNo.13「土地と道路の接面部分の長さによって、家のプランは決まる。」参照)
隣地との距離は余裕をもって1mずつあけると、横幅は左右どちらか片方が約1.8m、縦は道路側に約2.7mのスペースが出来ます。
駐車スペースは、2台とも並列で横づけにして、ギリギリ置けるくらいです。
家の縦横を反対にした場合は、縦列駐車になります。(図1参照)
直角に横並びで入れたい場合は、駐車スペースは5m要しますので、四角い家を建てる場合は、残り11m×6m内で家を建てます。横9.1m×縦5.46mの家(2階建てで約30坪)が建ちます。やはり手狭だとなると、L字型に建てます。その場合、2階建てで約37坪の家が建ちますが、外壁が長くなる分、建築費用がかかります。(図2参照)
正方形の土地は、車の停め方や家の形によっては、無駄なスペースが出来、意外と使いづらい土地になるのです。
車が何台あり、どういう風に停めたいか…
部屋はどれくらい欲しいか…
建てたい家や車の駐車の仕方を考慮しながら、土地を選ぶことが重要です。
土地の形状によっては、広さや前面道路と合わせて有効に使える場合もあり、使いづらい場合もありますので、変形地だからと避けずに、土地を購入する前に当社のように建築に詳しい専門家に相談することが大事です。
参考までに、当社のサービスを利用して変形地に希望通りの家を建てたプランの一部をご紹介します。